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『禁忌魔術を極めすぎて追放された賢者、死んだ最愛の女性(毛玉)を蘇生させるついでに世界を蹂躙する~「ダメ」と言われるほど、俺の魔術は加速する~』  作者: たゃんてゃん
第2章 秘められし蕾とその開花

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第12話 脱がなくてもいい、そんなことはないのが真理


 ――翌朝。

 軽く食事を済ませた後で、今日の目的を話す。


「さて、今日はアイリスの服を買いに行こう」

「え? 私の、ですか?」

「ああ。その服がお身に入りだというなら話は違うが」

「あ、いえ……そういう訳ではないのですが……」


 身に(まと)っているのは、ところどころほつれの見えるワンピース。

 昨夜マールの服を出したときに少しだけ羨ましそうな顔をしたのを見逃す俺ではない。


「昨日まで時間がなかったから遅くなってしまったが、許してくれ」

「い、いえ! でも……よろしいのですか? 私なんかの服を……」

「恋人に服を贈る。何か問題でも?」

「……ルシアン様……」

「それに壊れてしまったままの鎧もだ。その方がいいんだろう? 遠慮することはない」

「……はい!」


 アイリスも、ここで遠慮するのは逆によくないとわかったようで明るい声で返事をする。


「(リエラとのお食事の時に(よだれ)垂らしてたくせにね)」

「(言ってやるな……我慢に我慢を重ねて、それでもなお垂れてしまったのだろう)」


 そう言うことにしておいてやろう。


「さ、ぴよちゃんも行きまちょうね~♪」

「ぴよ……」


 昨夜に引き続き、マールに対しては甘やかしモードだ。

 マールも着替えを許されず、ひよこの服を着たまま。


「(あの服で町中を歩き回るなんて……ぷぷ!)」

「(お前も似たような見た目――いてててっ)」

「(このこのこのこのぉっ!)」


 今のは失言だった。


 俺とアイリス、そして白いモフモフとひよこで朝の町を歩く。

 『ホイミラ』は大きくはないが、そこそこいい店が揃っている。

 人通りもそこまで多くはない、落ち着いた町だ。


「この店なんかどうだ?」

「はい! わぁ~……」


 最初に選んだのは、冒険者向けではなく少し裕福な層をターゲットにした洋服屋。

 並んでいるのはどれも凝ったデザインのものだ。その分値は張るが。


「えと……どれもいい値段……」

「気にするなと言っただろう」

「……それに……かわいい服ばかりで……」


 俺への遠慮、というよりは服の見た目に対して腰が引けているのだろうか。


「これなんかどうだ? 水色の髪に似合うと思うが」

「まあ……!」


 手に取ったのは、深いネイビー色をベースに、首元がホルターネックとなった、膝上までのノースリーブのワンピース。

 首元や裾に施された白いフリルと胴を縛る白いリボンがかわいさ引き立てるアクセントになっている


「で、でもこんなにかわいい服なんて――」

「似合う。お前は美しいからな」

「はう……」


 まだ年相応なかわいさもあるが、顔立ちは美人である。


「……なら、これにします!」

「いいのか? 他に自分で選んでもいいんだぞ?」

「いえ、とっても素敵ですし、それに……」

「それに?」

「ルシアン様が選んでくれたので……」


 なんともまあ、嬉しいことを言ってくれる。

 その後会計をすませ、せっかくだからと店で着替えさせてもらう。


「ど、どう……ですか?」

「ほう……予想以上にかわいいじゃないか。だが――これでは騎士じゃなくてお姫様みたいだ」

「もう……ルシアン様ったら……」

「(今の誉め言葉はいまいちね! クサすぎよ~)」

「(くっ!)」


 ミラからはダメ出しを食らったが、アイリスの方は嬉しそうだから良しとしておこう。


 嬉しそうな足取りで、次の買い物へと向かうアイリス。

 しかししばらくすると、周囲を見回して浮かない顔をし始めた。


「…………?」

「どうした?」

「その……誰かに見られているような……」

「ああ、アイリスの美しさが視線を集めているのだろう」

「もう、ルシアン様ったら恥ずかしいです……ですが、その……」

「ん?」

「……胸を、見られている気が……」


 さもありなん。

 胴を縛るリボンによって胸が強調されているのだ。

 その美しいロケットおっぱいが。


「いいではないか。胸もまた女性の魅力の1つ」

「恥ずかしい……母や他の女の子にも言われてたんです。みっともないって……!」

「そうか? 俺は――いいと思うが」


 危なかった、うっかり『早くそのロケットを爆発させるように揉みしだきたい』的な破廉恥ワードを口走るところだった。

 多分言ってたら嫌われてたであろう。正直者が報われるとは限らないのが世の中である。


「(そう思う)」

「(…………)」


 聞かれていたか。

 しかし、もしも『みっともない』などと言う場面に出くわしていたら母親には説教を、他の者には絶望をくれてやっただろう。


「そう言っていただけるのは嬉しいですが……やっぱり恥ずかしいです」


 どうやら本人にとっては切実だったようで、次の店――鎧などの防具を取り扱っている店で無骨な胸当てを買うことになった。




 ◇◇◇◇◇◇


 その日の夜。

 宿に戻りマールが眠りについたところで、大事なことを切り出す。


「今日買った服に魔法付与を施したいのだが」

「魔法付与、ですか?」

「ああ。知っているだろう?」


 きょとんとしているアイリス。

 まさかAランクの冒険者ともあろうものが知らない訳はないだろうに。


「魔法付与と言えば……付与専門の職人に高額な依頼費を払って施してもらう……」

「他にも魔道具なんかもそうだな。最高位のアーティファクトに引けを取らないものに仕上げてやろう」

「……ルシアン様ですものね……」


 ようやくアイリスも分かったようだ。

 俺がその辺の魔術師とは比べ物にならない使い手だということが。


「……では……お願い、します……」

「(ちょっとぉ! 何で脱いでるのよ!)」

「は、恥ずかし……」

「(服着てても付与できるって……あんたも早く言いなさいよぉっ!)」


 当然、服を脱がなくても付与はできる。

 だが『脱がなくても、構わない』、その言葉が本当に正しいのだろうか。

 否、否である。


 魔術師の本懐は未知の発見、既知への挑戦である。

 故に、我は知らねばなるまい。アイリスという花を……。


「(ごめん、何言ってるのかわからないしキモイ)」

「(心を読むの禁止)」


 まったくミラの奴め……。


「ル、ルシアン様……? その……恥ずかしいんですけどぉ……」

「……ふむ」


 顔を赤らめながら、今日買ったワンピースを脱ぎだすアイリス。

 露になったのは、同じく今日買ったかわいらしい下着だけを身に着けた白くて美しい肌。

 もはやそれ以外の情報は頭に入らなかった。


「やはり、素晴らしい……」

「え? あ、はい……素敵な下着――ひゃっ!?」


 思わず手に取り、その下着の下に手を這わす。

 通常よりも強い弾力が、その手に伝わる。


「ルシアン様……んっ」

「アイリス、お前はもう俺のものだ。何者にも触れさせることは許さん」

「は、はぃ……ルシアン、さまぁ……」

「(ちょっとちょっとぉっ! 理性仕事しろぉーーー! きぃぃぃっ!)」




 その後、ひとしきりロケットを堪能した後さくっと魔法付与を施した。

誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


次話の投稿は

21時10分頃

となります!

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