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ネイクラは目元をピクピクさせながらドラゴンの支配を完了させると、視界を共有して竜騎士と大魔導士を追いかけ始めた。
ドドドドドドド……
おじいさんはそれを見ると、ドラゴンに投げる予定だった粘着玉を大魔道士に投げつけた。
シャァァアアアア!
パァァン!
おじいさんの粘着玉は見事に大魔道士の足に命中し、大魔導士はその場に倒れ込んだ。
するとその瞬間、
ガリッ!!
「ぎゃっ!」
ネイクラが操るドラゴンが大魔導士を背後から噛み砕いた。
バリッ! バリッバリッ!!
「ぎゃぁあ! 助けてくれ!」
大魔導士はドラゴンに噛み砕かれて粉々になると、ネイクラは次に竜騎士を狙って噛みつきにいった。
ガァァアアアアア!
しかし竜騎士は慌てることもなく槍を構えると、フワリと飛び上がってドラゴンの眉間に軽く槍を突き刺した。
ガンッ!
ギャォォォオオ!
するとドラゴンはパニックになり、ネイクラにも扱えなくなった。
操っていたネイクラはドラゴンが操れなくなると必死にドラゴンを操ろうと取り乱した。
「なんで! 言う事を聞いて!! あなたは私が操ってるの!! もぅ!!」
しかし竜騎士はパニックになったドラゴンに悠々と飛び乗ると、軽々とドラゴンを操りドラゴンを静止させた。
そして竜騎士はドラゴンを羽ばたかせようとしながら、おじいさんたちに言った。
「お主たちのような強い者たちに出会ったのは初めてだ! またいつか、戦えることを祈ろう」
竜騎士はそう言ってその場から立ち去ろうとしたが、そこへエスプララのオロチの矢が飛んでいった。
ズドドドドドド!
オロチの矢が数本ドラゴンの首に命中すると、ドラゴンはバランスを崩してダラリと頭を下げた。
竜騎士は慌ててドラゴンを立て直そうとしたが、なんとドラゴンの下げた頭を駆け上がってきたインメリアが竜騎士に魔剣を突き刺した。
ビュッ!!
ガキン!!
しかし竜騎士は冷静にインメリアの魔剣を弾き返すと、美しい槍さばきでインメリアを押し返した。
インメリアはドラゴンから飛び降りると、竜騎士はその様子を見ながら鼻で笑った。
「ふっ。お主ら、この英雄の竜騎士に喧嘩を売るのだな? せっかく慈悲を持って立ち去ろうとしたところを」
それを聞いたインメリアも鼻で笑いながら答えた。
「はっ。自分を英雄呼ばわりとは、ずいぶんと自信家だな竜騎士」
それを聞いた竜騎士は体をスッと伸ばして槍を構えると、インメリアに言った。
「おい女。私をあまり怒らせるな。死にたいのか?」
しかしインメリアも魔剣を構えて答えた。
「死ぬつもりはない。死ぬのはお前だ」
インメリアがそう言った瞬間、竜騎士はドラゴンから飛び降りながら槍を突き出してインメリアに襲いかかった。
インメリアはそれを反射的に魔剣で弾いたが、インメリアはその威力に大きく後ろへ吹き飛ばされた。
「くっ!」
ズザァァァアアア……
竜騎士は槍を大きく回して構え直すと、突然ラゴが間に割って入るように竜騎士の前に出た。
それを見た竜騎士はラゴに言った。
「なんだ、2対1でやりたいのか? 問題ないぞ」
しかしラゴは竜騎士に答えた。
「何を言っている。お前が吹き飛ばしたのは女性だ。恥ずかしくないのか」
竜騎士はラゴの言葉に驚くと、冷静さを取り戻してラゴに答えた。
「確かにそうであった。女、お前にはすまないことをした。竜騎士とあろう者が女に手を挙げるなど」
その言葉にインメリアは憤慨したが、ラゴが守りに来てくれた事の幸福感が上回り、それ以上竜騎士に何かを言うことはなかった。
ラゴは大熊笹からもらった社長の大盾を構え、ガーゴイルのガーから借りているミスリルの手槍を構えると、それを見た竜騎士はラゴを嘲笑した。
「なんと大げさな盾を持っているのだ。そんなに敵の攻撃が怖いのか? ならば、恐怖を味わわせてやろう!」
竜騎士は槍を回転させながらラゴに突っ込むと、ラゴはそれを冷静に見極めてシールドバッシュ(盾を前にしながら攻撃する手法)で竜騎士に突撃した。
しかし竜騎士はそれを飛び上がって避けると、ラゴの頭上から槍でラゴの頭を狙った。
しかしラゴは素早く体を翻すと、大盾で頭上の竜騎士を槍ごと叩きつけた。
ガォオン!!
「くっ!」
竜騎士はラゴの予想外の攻撃を槍で受けたが、そのまま地面に転がされるように吹き飛ばされた。
ラゴは素早く盾を構え直すと、竜騎士も素早く立ち上がり槍を構えた。
竜騎士は槍を短く持ち直すとラゴに言った。
「そのような重そうな大盾を軽々と振り回すとは。お主、強いな」
しかしラゴは槍を構えながら答えた。
「いえ、私はこの中では最弱。大盾の性能が良いだけです」
それを聞いた竜騎士は警戒しながらラゴに答えた。
「なん……、だと……?」
ラゴはおじいさんたちを見ながら竜騎士に言った。
「竜騎士。今、あちらから先程の麻痺の玉、氷の魔法、大弓の矢が襲いかかったらどうする?」
竜騎士は冷静になると、大魔導師が苦戦した魔法の事を思い出して黙ってしまった。
するとそこへコラナッカがやって来て少し遠くから竜騎士に尋ねた。
「なぁ、竜騎士。さっきネクロマンサーには操られてないって言ったよな。それは本当か?」
竜騎士はコラナッカに答えた。
「本当だ。我らはネクロマンサーによって蘇らされた。しかし、蘇らせたネクロマンサーの支配力は弱い。我らを操るには役不足だ」
「なるほどな。じゃあ、ちょっと実験させてくれよ。おいネイクラ! 来てくれ!」
コラナッカがネイクラを呼ぶと竜騎士は小さく呟いた。
「やはり、あの娘がネイクラだったか……」
ネイクラはインメリアと一緒にやって来ると、コラナッカがネイクラを煽るように言った。
「なぁネイクラ。この屍の竜騎士はネクロマンサーじゃ操れないんだって。そんな事ってあるのか?」
するとネイクラは自慢げに答えた。
「そんな事ないわ。竜騎士がそう思ってるのは、竜騎士を蘇らせたネクロマンサーが弱いだけよ」
コラナッカはその返答を聞くとニヤリと笑った。




