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その頃、ラジジを先頭に盾LOOPY兵団とおじいさんたちは倉庫へ向かっていた。
おじいさんとおばあさんは、それぞれ盾LOOPY兵の後ろに2人乗りしながら攻撃の準備を整えた。
ラジジは倉庫の閉じられた扉を見ておばあさんに言った。
「洋子殿! 魔法で扉をお願いします!」
おばあさんは、少し体を伸ばして返事をした。
「はい! 凍てつく氷の女神たちよ、我に冷血なる力を与えたまえ。凍る六花の結晶をもって嘆願する。あの者に絶対零度の裁きを!」
おばあさんは氷の魔法の大呪文を詠唱すると、空中に巨大きな氷の氷柱が出現した。
そしておばあさんは魔法の杖を振りかざすと、巨大な氷の氷柱は扉に向かって飛んでいった。
ズガガガガァァアン!!
おばあさんの氷魔法は扉に大きな穴を開けると、ラジジは笑顔でおばあさんに会釈をして盾LOOPYを加速させ、先頭集団は一気に倉庫の中に入っていった。
ヒュゥゥゥウ……
ラジジは倉庫に入ると上昇して高度を上げ、敵の状況を把握をして部下の兵たちに叫んだ。
「中央に未完成の金属兵12! 同じく中央に魔族34! その横に魔導士6! 東の角に弓兵7!!」
そしてラジジは広い倉庫内を大きく旋回しながら、戦闘開始の指示を出した。
「我らは先に魔導士を殲滅する! ひろし殿、洋子殿は安全を確保しながら弓兵を!」
「はい!」
「はい!」
おじいさんとおばあさんは返事をすると、おじいさんは粘着玉を、おばあさんは痺れ粉を用意した。
おばあさんはそのまま飛行を続け、おじいさんは1人だけ盾LOOPYを運転する兵士にお願いして倉庫の角に下ろしてもらうと、兵士は即座に盾LOOPYを折りたたんで盾にして、弓兵からおじいさんを守るように構えた。
おじいさんは粘着玉を持って投球フォームに入ると、思いを巡らせながら腕をしならせた。
(おそらく真っ直ぐ投げては見破られてしまうはず。ならば……)
そしておじいさんは、しならせた腕を一気に振り抜くと、粘着玉は弓兵へ一直線に飛んでいった。
しかし弓兵は冷静に弓を引くと、おじいさんの粘着玉に向かって矢を放った。
ヒュッ!
シャァァア……、カクッ!
その時、おじいさんが放った粘着玉は軌道を変えて鋭く落ち、弓兵が放った矢をさけて弓兵の足元に着弾した。
パァン!!
すると粘着玉は弾け飛んで中から緑色の液体が飛び散り、矢を放った弓兵と隣にいた弓兵を包んだ。
そしてその緑色の液体はすぐに粘度を増して、弓兵たちは動けなくなってしまった。
それを見た弓兵たちは驚いて身構えると、そこへなんと痺れ粉が大量に降ってきた。
「うわ!」
「なんだ? 粉?」
「うっ! 体……、が……」
おじいさんが粘着玉を投げて弓兵の注意を引いている隙に、おばあさんは上空から弓兵に痺れ粉を撒いていた。
弓兵たちは動けなくなると、そこへおじいさんの投げた粘着玉が次々と着弾した。
パァン! パァン、パァン!
そして緑色の液体が弓兵たちを包むと、弓兵たちは身動きが取れなくなり、諦めたように頭をうなだれた。
その時、倉庫の中央では魔導士たちとラジジたち盾LOOPY兵が戦っていた。
「ファイアーボール!」
「サンダーカッター!」
「アイスアロー!」
魔導士たちは下級魔法で盾LOOPY兵たちに攻撃していたが、ラジジたちは変形させた盾で魔法を防いでいた。
しかし、ラジジたちも魔導士たち攻撃に防戦一方だった。
その様子を見ていたおばあさんは、氷魔法の小呪文を唱えて、魔導士たちとラジジたちの間に氷の刃を叩きつけた。
「凍てつく氷の女神たちよ、あの者に絶対零度の裁きを!」
キィィン……、ドガガガガガ!
しかし、おばあさんの氷魔法を見た魔導士たちは目を見開いて驚き、上空で盾LOOPYに2人乗りしているおばあさんを見上げた。
「なっ……、なんだ今の氷魔法は……」
「あの規模の魔法を、あの短い詠唱で」
おばあさんは魔導士たちが驚いている様子を見ると、次は氷魔法の大呪文を唱えた。
「凍てつく氷の女神たちよ、我に冷血なる力を与えたまえ。凍る六花の結晶をもって嘆願する。あの者に絶対零度の裁きを!」
すると空中に巨大な氷柱がいくつも現れた。
巨大な氷柱を見た魔導士たちはパニックになって騒ぎ立てた。
「なっ! あの巨大な氷柱!」
「あれは白金級を超える氷柱だ!」
「まずい、この倉庫ごと吹き飛ぶぞ!」
「に! にげろ!!!」
魔導士たちは倉庫の入口に向かって一斉に走り出したが、ラジジが一斉に駆け寄って魔導士たちを取り押さえた。
取り押さえられた魔導士は盾LOOPY兵を睨みつけると大声で叫んだ。
「離せ! 逃げないとお前らも死ぬぞ!」
「この倉庫ごと吹き飛ぶぞ!!」
「やめろ!!」
しかし、おばあさんは魔法の杖をストンと下に引き下げると、巨大な氷の氷柱は消滅して魔法はキャンセルされた。
その様子を見た魔導士たちは更に驚いて声をあげた。
「なっ! なんだと!」
「魔法を停止させた!」
「あの巨大な魔法を!?」
「少しも魔法の暴走をさせず……。あの魔導士は一体……」
ラジジたちは取り押さえた魔導士から魔法の杖を奪うと、魔導士たちの口を布で塞いで後ろ手に縛り上げた。
ドゴゴォォォオオ!!!
なんとその時、1体の金属兵が倉庫の壁を打ち破って中に入ってきた。
金属兵は不気味にゆっくりと歩いてくると、その様子を見たラジジはニヤリと笑って兜の面を落とし、細く短い剣を抜いて金属兵に向かっていった。
金属兵は向かってくるラジジに気づくと、剣を構えてラジジを狙った。




