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2日後、とうとうゲンゲゲロ領内から歩兵隊2000名が旧ラド公爵領へ向けて出発し、隣接するマツリ王の領内に入った。
歩兵隊はガンデロ帝国の旗を掲げて我が物顔で行進していたが、そこへマツリ王の使者が馬でやってきた。
すると歩兵隊の先頭で馬に乗ったゲンゲゲロの大将は槍を構えてマツリ王の使者に言った。
「マツリの領地だと言う事は承知している! だが、この行進を止めるならば、ガンデロ帝国に楯突くことになる! そちらの考えは!」
それを聞いたマツリ王の使者は馬から降りて片膝をつきながら答えた。
「領主からの伝言でございます! 私は争うつもりはない! 領内の市街地を通らなければ全て黙認する! 以上でございます!」
ゲンゲゲロの大将はそれを聞くと槍を納めて使者に言った。
「良い心がけだ! お主たちも難民で大変だと聞く! 街は荒らさぬ故、安心しろと伝えろ!」
「はっ! しかと心得えました! どうぞ、お通りくださいませ!」
使者はそう言うと一礼して馬に乗り、逃げるように去っていった。
その様子を見ていたゲンゲゲロの大将は、後に続く副将に笑いながら言った。
「はっはっは! この大陸トップクラスの格闘兵団を率いるマツリでさえ、難民には勝てなかったようだな! 聞いたか? あの腰の抜けた伝言を!」
「はい、もう誇りも捨てたようですね。あの威勢の良かったマツリが弱腰とは気分の良いものです」
するとその時、副将は少し遠くに大勢の女性が居ることに気づいた。
「大将様、あれは……」
大将は副将の指差す方を見ると、大勢の女性が楽しそうに踊っているのが見えた。
大将は思わず副将に言った。
「さっきの伝言では、領内の市街地を通らなければ全て黙認すると言っていたよな」
「はい」
「全てを黙認、だよな」
「ええ」
「じゃあ、女に何しても黙認だよな」
「はぁい!」
「「ひゃっはーー!!」」
ゲンゲゲロの大将と副将は馬を走らせて女性たちの所へ急いだ。
◆
その後、女性たちは歩兵隊に囲まれながら一緒に移動していた。
先頭の大将は女性たちに笑いながら言った。
「昼間は移動しないとならん。だが夜は楽しませてやるからな。楽しみにしておけよ。はっはっは!」
女性たちは顔を下に向けると、周りの歩兵たちもニヤニヤと笑って女性たちを眺めた。
すると歩兵の1人がやたら大柄な女性を見つけて仲間に言った。
「おい、あいつホントに女か? デカくないか?」
「いやいや、たしかにデカいが歩き方とか仕草はおれの母ちゃんそっくりだ」
「そっか。じゃあ女か。……てか、お前の母ちゃん、ホントに女か?」
「おいおい! おれの母ちゃんが女じゃなかったら、おれの両親は父ちゃんと父ちゃんになっちまうよ!」
「お、おお。そっか。じゃあ、やっぱあのデカいのも女か」
「そうゆう理屈になるな。だって母ちゃんは女だからな」
「だな」
2人が間の抜けた会話をしていると、それを聞いた大柄な女性はニヤリと笑った。
◆
その夜、ゲンゲゲロの歩兵隊は川の近くでテントを張り、野営の準備を始めた。
ゲンゲゲロの大将は平たい岩の上にふんぞり返るように座っていると、女性の一人がやって来て大将に言った。
「わたくしたちは、格闘が盛んなマツリ様の領地で育ちました。ですから、貴方のような逞しい方たちが大好きなのです」
それを聞いた大将は鼻の穴を膨らませながら答えた。
「おお! お前たち、良くわかってるな!」
「実は……、わたくしたち30名ほどいるのですが、今あちらの岩陰で大将様をお待ちしておりまして……。よろしければ、あちらの大きな岩の陰で、全員と……」
女性はそう言って恥ずかしそうに大将の袖を引っ張ると、大将は顔を真赤にしながら女性の手の引く方へとついて行った。
「しょ、しょうがねぇなぁ。一応、全員調べておかなきゃならねぇからな。これも大将の仕事だな! はっはっは!」
すると大将の手を引く女性は嬉しそうに大将に言った。
「大将様、実は大将様を大変心待ちにしている娘がいるのです」
「ほう? なんだ、モテすぎちゃって困るなぁ! ゲンゲゲロの領地じゃモテなかったのに、マツリだとモテるんだな! こりゃ最高だ!」
「大将様、あちらです。あの岩の陰の奥に座っている娘です」
「おお! あの娘か!」
大将は喜び勇んで娘の元へ走り出すと、娘を見て歓喜の声をあげた。
「おおお! 娘よ! お前はオレの好みだ! オレの母ちゃんみたいに逞しくて女らしい!!」
大将の目の前に居たのは、あの大柄な女性だった。
大将の言葉に大柄な娘は立ち上がると、走ってくる大将に向かって抱きついた。
バッ!
突然抱きつかれた大将は驚きながらも紳士的な態度で娘に言った。
「おいおい、そう焦るな。オレが魅力的なのは分かるが、オレは逃げも隠れもしないぜ」
すると大柄な娘は大将を強く抱きしめて答えた。
「大将様……。この胸板と腹筋……」
大将は強く抱きしめる娘を抱き返すと、再び紳士的に答えた。
「はっはっは。そんなに強く抱きしめるな。オレの胸板と腹筋が喜んでいるではないか」
「大将様、大将様……、大将さまぁぁあああ! ふぬぉぉぉおおおおおお!!!」
バキバキバキバキ!!!
なんと大柄な娘は腕の筋肉をバッキバキに肥大させて服を破り去ると、MAXパワーで大将を締め上げた。
そして、その勢いで頭に付けていたカツラが外れると、その娘の正体はなんとメロナッカだった。
メロナッカは思わず声を漏らしながら、どんどんと大将を締め上げていった。
「はぁぁあああ。こんなペラペラな腹筋と胸板じゃ……、物足りないわぁぁああああ」
大将は思わず悲鳴をあげそうになったが側にいた女性が素早くヘッドロックして口を押さえた。
「う、うぎゃ……、息が……、うぶぶぶ」
「ぬぉぉぉおおおおおおおお」
「うぶぶ……、ぶぶぶ……、ぶぶ……」
メロナッカはさらに大将を締め上げると、大将は口から泡を吹いて失神してしまった。




