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 ゲゲロっちたちは階段を降りていくと、小さな地下室へとたどり着いた。


 しかし、地下室には真ん中にテーブルと椅子があるだけで、他には何もなかった。


 それを見た元兵士の仲間たちは口々に呟いた。


「なぁ、この部屋何もねぇよな?」

「ああ。テーブルと椅子だけだな」

「なんでこの部屋を隠したんだ?」


 だが、ゲゲロっちは冷静に観察して答えた。


「テーブルと椅子しかないのは逆に不自然です。逆にテーブルと椅子があるという事は何かをする部屋だと言うことです。……そうですね、私なら、この辺りに……」


 ゲゲロっちはそう言うと、椅子のすぐ横にある壁を手で叩き始めた。


 コンコン……

 コンコン……

 カンカン……


 ゲゲロっちは壁を叩く音が高くなった所を発見すると、元兵士の仲間たちに言った。


「やはり……。この壁の後ろは空洞です。何かが隠されているでしょう」


「おし、わかった!」

「おれらに任せな!」

「剣で壁を剥がせ!」


 元兵士の仲間たちはそう言うと剣を抜いて壁をガシガシと削り始めた。


 ◆


 その頃、イケオジはスケルトンを全滅させ、ヤナを守りながら安全な屋根の上からワブとエヴォの戦いを見ていた。


 ワブとエヴォは剣を構えてオデルロと対峙すると、オデルロは特大剣を引き抜いてワブたちに言った。


「なんだ、てめぇら。おまえは英雄みてぇだが、そいつはただのジジイじゃねぇか。てめぇら、オレをからかってんのか?」


 するとエヴォが少し前に出てオデルロに言った。


「私はエヴォ。生前お前と戦い、敗北したものだ。だが、今日は負けぬ。お前を倒してヤジを捕まえ、二度と孤児院に手出しはさせない」


 オデルロはエヴォの言葉を聞くと、頭を掻きながら答えた。


「あーあーあー。エヴォって居たなぁ。孤児の守り神とか言われてたヤツだ。あれだろ? お前弱いくせに、英雄の称号が欲しくて孤児院を助けてたんだろ? 実力もねぇのに、汚ねぇ手を使いやがってよぉ」


 オデルロはそう言って特大剣を肩に担ぐと、エヴォを見下すように話を続けた。


「今度はジジイと2人がかりで戦うのかぁ? お前は孤児とかジジイとか、弱いヤツらを味方にするのが好きだなぁ。けどヤジを捕まえたければオレを倒してみろ。出来ねぇだろうけどな! はぁーっはっはっは!」


 オデルロが高笑いをした瞬間、


 ブン!!


 なんと、ワブの剣がオデルロの目の前にまで迫っていた。


「ちぃっ!」

 ガキン!!


 オデルロは咄嗟(とっさ)に特大剣を振り払ってワブの剣を弾くと、真剣な声色でワブに言った。


「なんだジジイ。思ったよりヤルじゃねぇか」


 オデルロは特大剣を上段に構えると、ワブも警戒して距離を取った。


 ◆


 その頃、マルちゃんたちは屋敷の奥でヤジを見つけ、追い詰めていた。


 マルちゃんは剣を構えながらヤジを問い詰めた。


「おい! お前はモーモの実を盗んでマコに献上するつもりだな?」


 するとヤジは舌打ちをしてからマルちゃんに答えた。


「チッ。だったらどうなんだ? 何か違法な事でもやったか?」


「違法も何も、お前はモーモの実をエルフが大事にしているのを知ってて盗んだんだろ? そんなのダメだろって」


「はぁ? 確かにモーモの実はエルフが大事にしてるのは知ってたさ。だから精霊様への貢物があるって嘘をついてエルフの湖まで行った。だが、あの土地は法律上じゃマコ王の土地だ。実を収穫して何が悪い?」


「え、ええと……、違法じゃないのか? あ! そ、そうだ! メチャツ! 言ってやってくれよ!」


 するとメチャツは前に出て冷静に話した。


「ヤジさんの言う通り、ヤジさんは何も違法な事はしていません」


 それを聞いたマルちゃんたちは驚きながら口々に言った。


「えっ、ええっ! 何かあるだろ!?」

「メチャツ殿、それはどういう事だ!」

「メ、メチャツさまぁ。ほんとうに?」


 そしてヤジも嬉しそうにマルちゃんたちに言った。


「ほら! ほらほら! お前の仲間がそう言ってるんだ! 間違いねぇだろ!?」


 しかし、メチャツは両手を広げながら話を続けた。


「ですが、問題は孤児院です。あなたは自らの権力を使って孤児院の子供たちを強制労働させていましたね」


「うっ……」


「そして今日、孤児院の子供たちを売り払おうとスケルトンを寄(よ)こしました。と言う事は、孤児院の管理者と何か不正をしていますね? 賄賂ですか? 人身売買ですか?」


「いや、それは……」


「孤児院に来たスケルトンは僕たちが撃退しました。証拠は押さえていますよ」


「くっ……」


「あなたの目的など、このメチャツにはお見通しです。さしずめモーモの実を献上してマコ王に近づき、スラム街での権力を強化。そして人身売買や違法物品の横流しを加速させて儲けるつもりでしょう?」


「くっ、くくっ……」


「さらにダークエルフを妻にして鉄の鏃(やじり)をダークエルフに渡し、エルフの里のモーモの実を自分のモノにするために、ダークエルフにエルフの里を襲わせようとしていたのでは?」


 しかしヤジは少し驚いたように答えた。


「あ、いや、そこまで考えてなかった。ただ単に、ダークエルフかわいいなぁって。妻にしたいなぁって……。へへへ」


「お、おお……。そ、そうでしたか……」


 メチャツは一瞬怯んだが、気を取り直して胸を張った。


「と、とにかく! あなたの悪事は全て違法行為ですのでマコ王に報告します! 大人しく捕まってください!」


 しかしヤジは大声をあげて手下たちを呼んだ。


「ぐ、ぐぬぬぬ! もはや、ここまでか!! 皆のもの!! 曲者じゃーー!! 出あえ! 出あえーーー!!!」


 ヤジが時代劇の悪代官のように手下を呼ぶと、どこからともなくスケルトンと手下たちが集まってきた。

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