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その頃、マコ王領とマツリ王領にも英雄たち率いるスケルトン兵たちが攻め入り、戦闘になっていた。
マコ王領とマツリ王領に攻め入ったスケルトン兵たちは英雄墓の周りにあるベテラン兵士の墓地から蘇ったスケルトンで、百戦錬磨の優秀な兵士たちだった。
その影響でマコ王の兵とマツリ王の兵は防戦一方となり、被害を出さないように後退しながらの戦いとなっていた。
そしてマコ王とマツリ王は前線近くに設営されたテントで兵士たちからの報告を聞いていた。
「報告いたします! 白騎士団率いるマコ王様の兵は怪我人多数で後退中! マツリ王様の格闘兵団は善戦していましたが、回復薬が底をつき後退しております!」
報告を聞いたマコ王はマツリ王に言った。
「このままでは、まずいな。ヤクウィー王の兵はまだ時間がかかるだろう。一度撤退させたほうが良いだろうか」
しかしマツリ王は険しい表情で答えた。
「兵たちのためであれば撤退が良策であろうが、撤退させれば村や町の住人に被害が出る。私は兵の犠牲をもって時間を稼ぎ、ヤクウィー王の兵を待つべきだと思う」
「……そうだな。兵たちもその覚悟を持って戦っているだろう」
マコ王がそう答えた時、テントに他の兵が駆け込んできてマコ王とマツリ王に報告した。
「報告します! メロナッカ王が百騎ほどの兵を連れてスケルトンたちに突撃を仕掛けました!」
「なにっ!?」
「なんだと!?」
「また、メロナッカ王は大量の回復薬を前線に提供! 負傷した兵たちは回復薬で回復中です!」
「あいつめ……」
「メロナッカ王よ……」
マコ王とマツリ王はメロナッカ王の勇気に感服しながらも、メロナッカ王の身を案じた。
◆
その頃、メロナッカは白いドレスの上から鎧を纏い、前線の敵、英雄のスケルトンの元へと馬を走らせていた。
メロナッカは馬を加速させると、剣を高く掲げて後ろに続いている兵士たちに声をあげた。
「味方の兵士たちが回復するまで時間を稼ぐわよ!! 覚悟はできてるわね!?」
「「おぉぉお!!!」」
「いくわよ!! 全員、突撃ぃぃぃいいいい!!!!」
「「「おおぉぉぉおおおお!!!!」」」
ドドドドドドドドドドドドドド!!!!
メロナッカは馬をぐんぐんと加速させていくと、目の前に一際体格が大きく、スケルトンたちを指揮しているように見えるスケルトンを見つけた。
「あれはきっと報告があった強いスケルトンね。ならば、わたしが相手になるわ」
メロナッカはそう呟くとスケルトンを指揮している英雄へと突撃していった。
メロナッカが突撃してくるのを察知した英雄のスケルトンは嬉しそうに剣を抜くと、メロナッカの突撃に剣を構えた。
その様子を見たメロナッカは馬から飛び上がると、そのまま英雄へと斬りかかった。
「やぁぁああああ!」
ブンッ!!
ガキン!!
しかし英雄はメロナッカの剣を軽々と受け流すと、メロナッカにタックルを食らわせた。
ドガッ!!
しかしタックルを食らったメロナッカは、そのまま意図的に吹き飛んでダメージを殺し、距離を取って剣を構え直した。
英雄はメロナッカの判断に感心すると、剣を構えながらメロナッカに言った。
「なかなかの判断だな。面白い、お前の名前くらいは聞いておこう。オレの名はロウ。お前は」
それを聞いたメロナッカは一度剣を下げて片手を胸に当てながら丁寧に答えた。
「わたくしはメロナッカ。お見知りおきを」
そしてメロナッカは再び剣を構えると、それを見たロウは感心しながら剣を体の前に垂直に立てて足を揃え、会釈をしてメロナッカの挨拶に答えた。
「ほう、なかなかの挨拶だ。私はかつてガツデ第3王子だった者。暴虐の王子と呼ばれた者だ」
メロナッカはそれを聞くと歴史の教科書で学んだを事を思い出して思わず呟いた。
「暴虐の王子……。あの一国をも滅ぼしたという剣と魔法の達人……」
それを聞いたロウは笑いながら答えた。
「はっはっは、そのとおり。そこまで知って怖がらぬとは大した度胸だな」
「私は白いドレスを着て死ぬ覚悟できたの。怖くはないわ」
メロナッカはそう言って剣を構えると、ロウは笑いながらメロナッカに言った。
「綺麗事を言っても、誰しも死ぬ間際には命乞いをするのだ。お前の命乞いを見させてもらおうか!」
ロウはそう言って剣を構えると、目にも止まらぬ速さでメロナッカに剣を突き出した。
キンッ!
メロナッカはそれを全身の力を込めて弾き返したが、ロウは分かっていたかのように回し蹴りを繰り出した。
ブンッ!
ドガッ!
「うっ!」
ロウの回し蹴りはメロナッカの喉元に命中しメロナッカは顔を歪めた。
しかし攻撃の手を止めないロウは追撃するようにメロナッカの足を狙って剣を振るとメロナッカは転がるようにしてそれを避けた。
ズサァァ……
そしてメロナッカは素早く立ち上がると再び剣を構えてロウを睨みつけた。
その様子を見たロウは剣をクルリと回して剣を地面に突き立てると、親指で空を指しながらメロナッカに言った。
「なんだ? 仲間か?」
メロナッカはその言葉に空を見上げると、なんとおじいさんたちを乗せたドラゴンたちがこちらに向かってきていた。
少し前、英雄ヤーとの戦いに勝利した竜騎士が、ヤーの頭蓋骨を破壊しない代わりに、英雄たちの侵攻状況を聞き出していたのだった。
おじいさんたちはメロナッカと少し離れたところに着地すると、一斉にドラゴンから降りて戦闘態勢を整えた。
しかしロウは笑いながらおじいさんたちに言った。
「はっはっはっは! また弱そうな奴らが集まって来おったか! 良かろう。束になってかかってくるが良い!」
ロウはそう言うと右手で剣を構え、左手に輝く魔法の杖を出現させた。




