↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界おじいちゃん 〜みんなで異世界転生〜  作者: オイシイオコメ
異世界おじいちゃん ~みんなで異世界転生~
PR
113/152

113

 その頃、ネクロマンサーの国では、もう蘇らせるスケルトンたちがメチャクチャになっていた。


「あ、あと何人だ……?」

「あと80人……かな?」

「もう少しだ、がんばれ」


「あのスケルトンさ……」

「ああ。たぶん子どもだ」

「もういいよな。限界だ」


 ネクロマンサーたちは蘇らせる担当が次々と屍を蘇らせ、操る担当がそれを引き継ぎ、英雄のスケルトンがネクロマンサーと一緒に行動するという流れで作業をしていた。


 しかし、ネクロマンサーの数に対して蘇らせる人数が多く、すでに作業は破綻していたのだった。


 しかし英雄たちは暴れたい一心でスケルトンを従えて次々と戦いに出発し、マデマメヤ国へと向かっていた。


 その頃、皇帝の間にいるネイクロは従者から報告を受けていた。


「ネイクロ様、スケルトンを操っていたネクロマンサーが数名戻りました! 破戒僧バブロオは敵の魔導士に敗れ、槍の鬼神も敗北! パンチは敵に迎合し、剣聖は行方不明です!」


「何だと!?」


「現在、曲剣の英雄ヤー様と剛力の英雄ドガン様が槍の鬼神が敗れた地点へ向かっています! そして1つ吉報が!」


「なんだ、早く言え!」


「はっ! 小型の飛竜を操るドラゴンライダーの3英雄、フウ様、ライ様、ボウ様が敵の食料拠点を見つけたとの報告がありました」


「おお、それは確かに吉報だな。その食料拠点はドラゴンライダーの英雄たちで破壊できそうなのか?」


「はい! 連絡に戻ったボウ様以外のお2人は攻撃に向かったとの事です」


「それはすばらしい。食料拠点を叩けば、敵も一気に動けなくなるな」


 ネイクロは不敵に笑った。


 ◆


 その頃、ベベの村ではドラゴンライダーのフウとライが村の上空を旋回しながら話していた。


「あの倉庫に食料の備蓄があるに違いないな」


「ああ、そうだな。だが村には兵が居ないようだ。破壊しなくとも制圧できそうだが」


「うむ。では降りて脅してやるか」


「そうだな」


 フウとライは飛竜を降下させて村へと降りていった。


 ◆


 フウとライは村の広場に降り立ったが、すでに上空を見ていた村人たちは避難を完了させていて、フウとライは誰も居ない村で笑いながら言葉を交わしていた。


「もう村のやつらは逃げたようだな」

「これで食料を押さえたも同然だな」


 するとその時、フウとライの前に片腕の魔導師ウヌウラを背中に乗せた黒猫が現れた。


 黒猫を見つけたフウとライは背中に背負っていた槍を抜いて構えると、黒猫は足を止めてフウとライに言った。


「2度目の死を味わいたくなければ去れ」


 しかしフウとライは忠告を効かずに槍を構えながら歩み寄ってきた。


「猫よ。ずいぶんと強気だな」

「我らの強さを思い知るか?」


 するとその時、フウとライは横から来る気配に咄嗟に槍を構え直した。


 ババッ!!


 なんとフウの横には大熊笹、そしてライの横には茂雄が立っていた。


 フウとライは知らぬ間に敵に近づかれた事に驚くと、大熊笹と茂雄からそれぞれ距離を取り、フウは大熊笹を睨みつけながら声を漏らした。


「老人。相当な手練れだな」


 すると大熊笹は笑顔で答えた。


「いえいえ、それほどでもありません。ですが、負けるつもりはありません。どうぞ、かかってきてください」


 それを聞いたフウは素手の大熊笹に警戒しながら尋ねた。


「素手とは何を企んでいる?」


「何も企んではおりません。素手で戦うのです」


「ふっ……。ずいぶんと馬鹿にされたものだな」


 フウはそう言うと、突然険しい表情になって大熊笹に飛び込んだ。


「老人、覚悟しろ!!」


 そして槍で大熊笹の心臓を狙うと、大熊笹は大きく飛び出して槍の下に潜り込んだ。


 大熊笹はさらに踏み出してフウの懐まで入り込むと、フウは見たこともない戦闘方法に驚いて咄嗟に膝蹴りを繰り出した。


 しかしその瞬間。


 ザッ、ザザッ!!


 フウの体は宙を舞っていた。


「なにぃっ!」


 フウは必死になって槍を地面に突き立てると、渾身の力を込めて大熊笹の投げ技から逃れた。


 ドシァァア……


 フウは不格好に地面に転がると、大熊笹は少し離れて構え直し、警戒しているフウに笑顔で言った。


「ほう。まさか槍で逃れるとは思いませんでした。勉強になります」


 それを聞いたフウは無言で槍を構えると、大熊笹はフウに警告をした。


「後ろのお仲間が危ないですよ」


 フウはその言葉に思わず後ろを振り返ると、なんとライの顔面に茂雄の右フックが炸裂しているところだった。


 バチィィン!

「ぐぁあ!」


 ライは茂雄の右フックで兜を吹き飛ばされると、ふらふらとフウの所へ数歩進んで倒れた。


 ドシャッ……


「ライ!! 大丈夫か!」


 フウは思わずライに声をあげると、ライは弱々しい声でフウに言った。


「目が、回る……。立てない……」


 それを聞いた茂雄は興味深そうに声を漏らした。


「スケルトンさんも脳震盪(のうしんとう)が起きるようですね。不思議です……」


 フウは余裕がありすぎる2人の老人に恐怖を覚えた。


 ◆


 日が昇る頃、槍と鎧を奪われたフウとライは、みんなと一緒に朝の体操をしていた。


 フウは体操をしながらライに話した。


「おい、ライ。我らは、こんな事をしてる場合なのか?」


「いや、フウ。あの老人2人に勝てる気がしない。おそらくだが……、ネクロマンサーが我らを蘇らせた時、我らは弱くなってしまったのだ」


「そ、そうだな……。そうとしか考えられない。我らの槍術が通用しないはずがない」


「その通りだ。しかし我らは殺されていてもおかしくなかった。だが良く分からないが、あの老人2人は優しくしてくれる。今は従おう」


「ああ。だが、ボウはどうする。ボウもこの村へ向かっているはずだ」


「いや……。日が昇った今も来てないということはボウは来ないだろう」


「……そうか、……そうだな」


 フウはそう言うと空を見上げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。