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異世界おじいちゃん 〜みんなで異世界転生〜  作者: オイシイオコメ
異世界おじいちゃん ~みんなで異世界転生~
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 ―― 深夜 ――


 夜に乗じてイケオジとリッチはメチャツと一緒に農作業用の馬に乗って難民の町を出ると、メチャツは馬を走らせながらイケオジとリッチに言った。


「なるほど。あの領地を治めていた皇帝と魔導士団長だったのですか」


「うむ」

「はい」


「では話が早そうですね。ドワーフの谷まではさほど遠くありません。今夜のうちに開放してドワーフたちを助けましょう」


「そうだな」

「はい、そうしましょう」


 メチャツたちは馬を急がせてドワーフたちの村へと向かった。


 ◆


 しばらくしてメチャツたちはドワーフの村の鉄の門の前までやって来ると、イケオジは馬から降りて鉄の門を解除する魔法具の前にやって来た。


 イケオジは魔法具に手をかざすと、メチャツとリッチに言った。


「この魔法具で鉄の門は開く。しばらく待ってくれ」


 しかしリッチは魔法の杖を構えながらイケオジに答えた。


「イケオジ様、できるだけ早くお願いします。アンデッドが2体、向かってきます。あの魔力量、魔導士でしょう」


「なんだと!?」


 それを聞いたイケオジは手をかざしながら振り返ると、メチャツも両手を前に出して詠唱の準備をしていた。


 すると闇夜の暗闇からランプを持った2人のアンデッドが現れた。


 そしてアンデッドたちはリッチとメチャツを確認すると、その1人がアゴをカクカクと鳴らしながらメチャツに言った。


「ふぉっふぉっふぉっ。メチャツ大魔導士様。このようなところでお会いするとは……。あなた様は蘇った英雄たちの強さに驚いて逃げ出したと噂になっておりますぞ」


 それを聞いたメチャツは冷静にアンデッドに答えた。


「そうですね。あなたがたのような魔導士たちが蘇りましたので、恐怖を覚えまして」


「ほぅ。メチャツ大魔導士様にも我らの実力をお分かりいただけるとは」


「いえ。恐ろしく弱い魔導士に驚愕して故郷にでも帰ろうと思ったのです」


 メチャツがそう言うと、アンデッドの魔導士は激昂してメチャツに言った。


「なんじゃと! どこまでも馬鹿にしおって! では我らの実力、思い知るがよい!」


 アンデッドの魔導士は杖を掲げて詠唱すると、メチャツは両手を広げて数式のようなものを展開した。


 そして炎の魔法を素早く発動して二酸化炭素(CO2)を発生させると、魔法でその中の酸素(O2)を抜き取ってアンデッドたちの目の前で着火して爆発させた。


 バァァァアンン!!

 

「ぐわっ!」

「うぐっ!」


 さらに残った炭素(C)を炎の魔法と土の魔法で限界まで圧縮すると、たくさんの細かいダイヤモンドを生成し、風の魔法でアンデッドの魔導士たちに勢いよく飛ばした。


 バババババババ!!!


「ぎゃぁぁあ!」

「うわあああ!」


 アンデッドの魔導士たちは体をことごとく破壊され、2人の頭蓋骨だけが地面に転がった。


「やれやれ」


 メチャツはそう呟いてゆっくりと歩いて頭蓋骨に近づくと、恐怖に怯える頭蓋骨に尋ねた。


「きみたちは何をしにこのドワーフの村へ来たの?」


「た、助けてくれ!」

「我らは強力な武器と防具を作るために来た!」


「ふうん。誰の武器と防具なの?」


「え、英雄たちの……」

「はい。英雄の……」


「なるほど。じゃあ、英雄たちは戦いをするんだね?」


「……はい」

「マデマメヤ国に攻め入ると」


 するとメチャツは2人の頭蓋骨に言った。


「情報ありがとう。じゃあ、死んでもらうね。いいよね? 1度死んでるし」


「ま、待ってください!」

「せっかく蘇ったのに!」


 しかしメチャツは土の魔法で岩を作り出して、2人の頭蓋骨に落下させた。


 ドン!


 その様子を見ていたリッチは科学的な魔法の使い方に驚愕し、イケオジはネクロマンサーたちが戦いを仕掛けようとしていることに警戒した。


 ◆


 翌日、リッチから連絡を受けたコラナッカがデカトラを数台率いてドワーフの村へ行き、一旦ドワーフたちをコラナッカの領地に連れて帰った。


 そして沢山の食べ物と酒を振る舞うと、ドワーフたちは息を吹き返したように元気になった。


 さらに物作りが得意で研究熱心なドワーフたちはコラナッカのデカトラや鳥人間スーツ、そして盾LOOPYに驚愕し、その教えを乞うために、なんとコラナッカの領地に住みたいと言いだした。


 コラナッカはそれを了承してドワーフたちに住居を与え、コラナッカの研究施設と鍛冶工房を自由に使って良いと許可を与えた。


 するとドワーフたちは美味い食事と酒と引き換えに、恐ろしい速さで大量に上等な武器と防具を生産し始めたのだった。


 ◆


 その頃、ネクロマンサーの国のネイクロはドワーフの村がもぬけの殻になっているとの報告を受け狼狽(ろうばい)していた。


「なぜドワーフたちは居なくなったのだ!」」


 ネイクロが叫ぶと従者は頭を下げながら報告を続けた。


「ドワーフの村の鉄の門の魔道具を作動させるために英雄の魔導師を派遣したのですが、帰って来なかっため確認に行かせたところ、鉄の門が開いていて村には誰も居なかったとのことです」


「なんだと!? 英雄の魔導師はどこへ行ったんだ!?」


「鉄の門の近くに魔導師2人の粉々になった骨が散らばっていたと……」


「うぬぬ!」


 するとその時、ネクロマンサーの1人が謁見の間に飛び込んできた。


「ネイクロ様! 城の地下室に上等な鎧と武器を多数発見しました!」


 それを聞いたネイクロは思わず立ち上がって声をあげた。


「それは本当か!?」


「はい! 英雄様に確認いただきました! 間違いなく上等な鎧と武器だと!」


 その鎧とは、魔石の充填が不十分で使えなかった金属兵の鎧と武器だった。


 ネイクロはその報告に喜び勇んで走り出すと、従者たちを連れて城の地下へと急いだ。

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