第7話 共鳴の再発
第2章 1/6
模擬戦から数日が過ぎた。
学院の中庭では、生徒たちがそれぞれ魔法の練習をしていた。
風の刃、炎弾、水の矢。
空中に小さな魔法陣がいくつも浮かび、すぐに消える。
オリオンもその一人だった。
「……弱いな」
放った風刃はすぐに散った。
威力も安定性も、平均以下。
模擬戦の結果を思い出す。
落ちこぼれ。
その言葉が頭をよぎる。
「また練習してるの?」
振り向くとリシアが立っていた。
「模擬戦のこと、考えてた」
彼女は言う。
「最後の現象」
オリオンは肩をすくめる。
「偶然だろ」
「そう思う?」
リシアは少し考えるように言った。
「魔力は互いに影響する」
「強い魔力は弱い魔力を消す」
「でもあの時は――」
そこまで言いかけた時だった。
中庭の反対側で悲鳴が上がった。
「制御できない!」
炎魔法の訓練をしていた生徒の魔法陣が暴走していた。
炎弾が通常の倍以上に膨れ上がる。
教師が叫ぶ。
「魔法を解除しろ!」
だが生徒は焦り、魔力を切れない。
炎弾は制御を失い
地面へ落ちた。
轟音。
火柱が立つ。
熱風が中庭を吹き抜けた。
「防御魔法!」
教師が防御陣を展開する。
しかし炎はまだ収まらない。
その瞬間。
オリオンは反射的に魔法を放っていた。
風。
炎を吹き飛ばすつもりだった。
同時に
リシアも氷魔法を展開していた。
青い魔法陣が空に浮かぶ。
次の瞬間。
風が――
強くなった。
明らかに。
オリオンの魔法とは思えないほど。
炎が一気に押し流される。
氷の粒が風に巻き込まれ
渦を描く。
氷と風の嵐。
炎は一瞬でかき消えた。
中庭が静まり返る。
オリオンは自分の手を見た。
「……まただ」
リシアが小さく言う。
「模擬戦と同じ」
同じ現象が
二度起きた。
偶然ではない。
その可能性が
初めて現実味を帯びた。




