表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/14

第6話 模擬戦

第1章 6/6 偶然?

午後の実戦訓練場。

円形の石のフィールドに、学生たちが並んでいた。

教師が腕を組んで言う。

「今日は模擬戦を行う」

小さなざわめきが起きる。

「四人一組。実戦を想定して戦え」


カインが拳を鳴らした。

「よっしゃ」

シオンが笑う。

「ほどほどにね」

オリオンは少し緊張した顔をしていた。


対戦相手は上級クラスの学生だった。

相手の一人がこちらを見て笑う。

「落ちこぼれチームか」

カインが前に出る。

「言ったな」


教師が手を上げた。

「開始」

その瞬間。

相手の魔法陣が光る。


炎弾が三つ、一直線に飛んだ。

「来た!」

カインが剣で一つを弾く。

「オリオン!」

「わ、わかってる!」

オリオンは慌てて魔法陣を展開した。

風魔法。

だが魔力は弱い。

炎弾に押される。


相手が笑った。

「やっぱりな」

炎が風を押し潰す。

その瞬間。

「……っ」

横から氷の魔法陣が展開された。

リシアだった。

氷の粒子が広がり、炎弾を止める。

だが魔法がぶつかった瞬間、

奇妙なことが起きた。


オリオンの風が――

急に強くなった。

「え?」

風が渦を巻く。

氷の粒子がそこへ巻き込まれる。

白い嵐が生まれた。

炎弾が一瞬で砕ける。


衝撃がフィールドを走る。

相手の学生たちが後退した。

「なっ……!?」

カインが大笑いする。

「すげぇじゃねぇか!」

シオンも目を丸くした。

「今の威力おかしくない?」

オリオンは呆然としていた。


「……俺?」

風はもう消えていた。

まるで最初から何も起きていなかったように。

教師が少しだけ眉をひそめる。

だが何も言わない。


模擬戦はそのまま続き、やがて終了した。

訓練場の外。

カインがオリオンの肩を叩く。

「やるじゃねぇか」

「いや、俺じゃないって」

シオンが首をかしげる。

「でも風の魔法だったよね」

オリオンは困った顔をした。

「俺、あんな威力出せない」

三人が騒ぐ横で、

リシアだけが黙っていた。


頭の中で、さっきの瞬間を思い出していた。

風と氷。

魔法がぶつかった瞬間。

魔力の流れが一瞬だけ変わった。

普通なら――

干渉して弱くなる。

昨日の講義でもそう説明された。

それなのに、

今の魔法はむしろ強くなっていた。


リシアの脳裏に、昨日見たノートが浮かぶ。


夢を見た

魔法陣が重なっていた

でも崩れなかった

むしろ強くなっていた


……そういう干渉もあるのか?


リシアは小さく息を吐く。

(偶然……?)

そう結論づけようとして、

なぜか違和感が残った。

風と氷が重なった瞬間。

あの魔力の流れは――

干渉ではなかった。


リシアは静かにオリオンを見る。

オリオンはまだカインと話している。

何も知らない顔だった。

リシアは視線を外す。

(もう一度起きたら……)

そのとき初めて、

確信できる。

全6章構成で第1章はここまでになります

来週第2章をアップしていきます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ