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第4話 静寂の魔導士

第1章 4/6 出会い

山岳地帯。

学院の大規模実習が行われていた。

複数の学生パーティーが集められている。

教師が説明する。

「最近この地域で魔導獣が確認された」

「無理はするな」

カインが笑う。

「言われなくても」


パーティーは山道を進んでいた。

風が強い。

空気が冷たい。

シオンが辺りを見回す。

「静かすぎない?」

リシアも頷いた。

「魔力が濃い」

オリオンは胸を押さえた。

(まただ)

あの違和感。

森で感じたものと同じ。


その時だった。

山の奥から咆哮が響いた。

巨大な影が現れる。

魔導獣。

だが普通ではない。

体長十メートル以上。

魔力が暴走している。

教師が叫ぶ。

「全員退避!」

だが間に合わない。


魔導獣が突進する。

学生が吹き飛ばされる。

カインが炎魔法を放つ。

直撃。

だが倒れない。

リシアの氷魔法も弾かれる。

ガルドの結界が砕ける。

オリオンは歯を食いしばる。

(強すぎる)

魔導獣が跳んだ。

オリオンたちへ。


その瞬間。

静かな声が響いた。

「退きなさい」

全員が振り向く。

そこに立っていたのは

白く光る銀髪の少女だった。

長い髪が風に揺れる。

表情は冷たい。


魔導獣が咆哮する。

少女は動かない。

ただ手を上げる。

魔法陣が空に広がる。

巨大な光。

澄んだ湖面のような魔力。


次の瞬間。

光が落ちた。

魔導獣が消えた。

跡形もなく。

そして静寂。


誰も動けない。

教師でさえ言葉を失っていた。

少女はゆっくり周囲を見る。

冷たい視線。

「弱い・・」

静かな声。

だが重い。

「それで魔導士?」

カインは何も言えない。


リシアも驚いていた。

少女の視線が止まる。

オリオンを見ていた。

ほんの一瞬。

何かを探すような目。

だがすぐに逸らす。


「魔導波が乱れている」

少女は言う。

「ここは危険」

それだけ言って歩き出す。


教師が声をかける。

「君はどこの魔導士だ!」

少女は振り返らない。

ただ一言。

「……通りすがり」

霧の中へ消えた。


しばらくして。

カインが呟く。

「なんだよ今の……」

リシアは静かに言う。

「S級魔導士」


オリオンは立ち尽くしていた。

胸の奥がざわつく。

理由は分からない。

だが確かに感じた。

あの少女の魔力。

どこかで――

触れたことがある気がした。

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