表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔導共鳴(マギア・レゾナンス) ―共鳴する魔法と失われた記憶―  作者: 京美人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/35

第16話 歪みの源

第3章 4/6

森の奥。

調査隊は進んでいた。

教師が前を見る。

生徒たちは周囲を警戒する。

さっきの戦闘の余韻。

まだ空気が張り詰めている。

リシアは地面を見ていた。

「……変」

小さく呟く。

カインが聞く。

「何が?」

リシアは地面を指す。

「魔力の痕跡」

落ち葉の間。

微かな魔力の揺らぎ。

「暴走魔物のものじゃない」

カインが首を傾げる。

「じゃあ何だよ」

リシアは少し考える。

「……魔導波」

オリオンが顔を上げる。

教師が振り向いた。

「何か分かったのか?」

リシアは立ち上がる。

「この周辺、魔力の流れが不安定です」

教師の表情が変わる。

「魔導波の影響か?」

「可能性はあります」

隊の空気が緊張する。

その時。

オリオンの胸が震えた。

――ドクン

心臓が強く鳴る。

感じる。

見えない流れ。

魔力の波。

それが。

この森の奥へ向かって歪んでいる。

オリオンは思わず言う。

「……この先」

教師が止まる。

「何だ?」

オリオンは森の奥を見る。

「何かあります」

カインが笑う。

「また“なんとなく”か?」

オリオンは困った顔をする。

「でも……」

言葉を探す。

「魔力が集まってる」

リシアの目が鋭くなる。

「集まってる?」

オリオンは頷く。

「流れが変なんだ」

リシアは森の奥を見る。

思考が走る。

もし。

魔導波が乱れているなら。

その中心があるはず。

教師が判断した。

「隊形を維持」

「このまま進む」

生徒たちが頷く。

隊列が整う。

ゆっくり進む。

森は静かだった。

魔物の気配がない。

それが逆に不気味だった。

やがて。

木々が途切れる。

小さな空間。

円形の空き地。

地面が黒く焦げていた。

魔法の痕跡。

だが異常な量。

教師が眉を寄せる。

「……何だこれは」

リシアがしゃがむ。

地面に手を当てる。

目を閉じる。

魔力を読む。

そして。

ゆっくり言った。

「……暴走の跡です」

カインが言う。

「また魔物か?」

リシアは首を振る。

「違う」

静かな声。

「これは……」

少し迷う。

そして言った。

「誰かが魔力を乱した跡」

教師の目が鋭くなる。

「人為的?」

リシアは頷く。

その瞬間。

オリオンの感覚が強く反応した。

――ドクン

胸の奥。

魔導波が揺れる。

強い歪み。

オリオンが顔を上げた。

「来る!」

教師が叫ぶ。

「構えろ!」

次の瞬間。

地面が裂けた。

土が弾ける。

巨大な影が現れる。

魔物。

だが普通ではない。

体が歪んでいる。

魔力が溢れている。

赤い目。

狂気。

生徒の一人が叫ぶ。

「でかい……!」

教師が指示する。

「魔法準備!」

炎。

風。

氷。

魔法陣が次々に展開される。

魔物が咆哮した。

森が震える。

その時。

オリオンは感じていた。

魔導波。

この場所。

ここが。

歪みの中心。

誰かが。

ここで。

魔力を乱している。

そして。

遠く。

森の奥。

木の影。

黒いローブの人物が立っていた。

静かに。

戦いを見ている。

細い笑み。

低い声。

「……確認できた」

アビス幹部。

魔導研究者。

ゼクト。

彼は呟いた。

「魔導波は、確かに揺れている」

目が細くなる。

「そして」

小さく笑う。

「彼も、反応している」

ゼクトの視線。

その先。

オリオン。

森の戦い。

そして世界。

魔導波の歯車は。

静かに。

狂い始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ