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異世界で少年は文明開化を目指す!  作者: ねこじぞう
第二部 子爵領のアラン
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【43】人材発掘1~訪ねる~異世界初の新聞社

さて、レイモン商会内に拠点を確保したアランは早速秘書のブランシュを連れて人材発掘に向かいます。

 領都へ引っ越した次の日。僕とブランシュは早速街へ出た。まずは新聞社を探す。この世界には電話がないので当然発行された新聞に電話番号など書いていない。住所も地番表示が決められているわけではないのでざっくりと場所の名称が書かれているだけだ。


 その名称は『ヘラルド』スクエア。スクエアというのは町名ではなくて、ニューヨーク五番街みたいなその地域一角を表す呼び名らしい。何々通りみたいなもんか。新聞社名もヘラルド新聞社だから、本社の所在地を社名にしたってことだな。それにしてもヘラルドってイギリスの新聞社の名前で異世界なのになんとも出木杉君な気がする。


「アラン様、この先がヘラルドスクエアですよ。その一角は平民はあまり住んでいません。商業地区みたいな感じです。」

「商業地区って商店街ってこと?」

「ちょっと違うかも。荷馬車の貸出所とか荷物の配送とか、メイドの紹介所とか、商業ギルドとか商売するうえで必要な仕事が集まっているって感じです。」

「なるほど丸の内のオフィス街みたいなものか。」

「なんですか、そのオフィス街というのは?」

「ものを売るよりもサービスを提供する商会の集まる場所みたいな意味です。」

「サービス?」

 う、そこからか。ちょっと頭をひねらないと説明ができないぞ。まるで大喜利だ。

「えーっと、受け取る人が持っていない知恵や使えない時間を代わりに提供することです。」

「ああ、なるほど。では代書屋はサービスになりますね。」

「そうです!さすがブランシュ。」

 サスブラ!

「ほかにも手紙を送るのも貸し馬車も乗合馬車もサービスですね。形のないものに代価を払うのはすべてサービスです。」

「よーっく、わかりました。」

 と言いながらもブランシュがいったいこの子はどっからそんな知識を持ってきたんだというような不思議そうな目をして僕を見ていることに気が付いた。いずれ前世のことを話す必要があるかもね。


「さて、ヘラルドスクエアに着きましたよ。あそこの花屋で尋ねてみましょう。」

 ブランシュが十字路の角にある花屋に入って尋ねる。

「この辺りに新聞社がありますよね?場所を教えていただけますか?」

「そっちの通りをしばらく歩いていくと、看板が出てるよ。」

 と、なんだ客じゃないのかという顔をして店員がぶっきらぼうに答えた。

「この花束を一つください。」

 僕は店先の花束を手に取って店員に代金を渡した。途端に愛想笑いを浮かべて、

「お客さん、新聞屋はてっぺんに時計塔がある建物ですよ。昔の徴税所だった所です。近いので迷うことはありませんよ。」

 と言った。


 ◇


「時計塔があります。あれが新聞社の建物ですね。」

 ブランシュが目ざとく見つけて僕を見た。言われて上を見上げると確かに時計塔がある。二階のテラスには鳩小屋がある。今、一羽の鳩が小屋に飛び込んだ。

「そうですね。早速入ってみましょう。」

 建物のドアを開けるとすぐに階段だ。壁に「ヘラルド新聞社は2階 押し売り・苦情お断り」との貼り紙がしてある。新聞に掲載された記事に文句を言ってくる輩もいるのだろう。」

 僕はブランシュと顔を見合わせて階段を上る。

 2階のドアに「ヘラルド新聞社」の表札がある。ドアにガラス窓はない。ガラスが高価だからだろうか。僕はドアを開けた。


 カランコロンとドアベルの音がした。入口がカウンターになっていて、内と外に分けられている。なんだか前世日本の会社事務所を思わせる。

「これは何の臭いでしょうか?」

 ブランシュが尋ねた。うん、インクの臭いがする。僕は嫌いじゃない。社会科見学で新聞社の輪転機を見た時を思い出し、なんだか懐かしい気持ちになった。

「これはインクの臭いですね。羽ペンのインクは鼻を近づけないと臭いがしませんが、印刷で大量に使うので臭うのでしょう。」


 すると

「坊主、ここは遊び場じゃねぇぞ。」

 何この人、怖い。いかつい顔をしたごつい男が僕を見て言った。見たところ護衛のようだ。元傭兵かもしれない。苦情対策かもしれないが、会社の受付としてはどうなんだろう。まあ商店ではないので愛想良く応対する必要はないかも知れないけど。

「私はアラン、この子爵領の技師長をしている。社主に取り次いでもらいたい。」

 少し声を張って貴族らしく僕が言うと奥の方でドタンバタンと音がして、若い女の人が飛び出して来た。慌てて椅子をひっくり返したようだ。

「ちょっと待って。技師長って言った?うちの新聞の一面で取り上げた馬なし馬車ミュゼット号を作った!? 」

 その女性は床に散らばった紙の束をかき分けてカウンターの手前で叫ぶように言った。

ヘラルド新聞社でユリアとの面会の様子を書こうと思いましたが長くなってそこまでたどり着けませんでした。入口に立ったところで次回へ続きます。次回は4/26に投稿する予定です。1日おき更新で執筆ペースがつかめてきました。

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