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異世界で少年は文明開化を目指す!  作者: ねこじぞう
第二部 子爵領のアラン
43/49

【41】アラン物産株式会社~興す~異世界初の会社を組織する?

家族に家を出て領都へ行く決意を告げたアランは領都で何をするか考えます。

 試運転が終わった後で領主様にミュゼット1号を献上した。いや、本当は1号を自家用車にしたかったのだけど、領主様が物欲しそうにしていたので、技師長の役職を頂いたこともあり泣く泣く献上してしまったのだ。開発費がかかっているのに。


 と思っていたら後に報奨金として金貨500枚を下された。金貨1枚あれば4人家族の平民が1か月は暮らせる。だから日本円にして1億円くらいの価値があるのだろうか?この先、事業計画書のようなものを作って領主様に提案して領の事業として自分がやりたいことをやろうと思っていたのだが、このお金があれば領主様の許可と出資はいらないね。


 金貨500枚は大金とは言え、それだけでは自動車の量産工場は無理だろう。必要なものが多すぎてお金がかかり過ぎる。生産技術の開発も必要だし。その代わりにかねてから考えていた植物紙を量産する工場はどうだろうか。知識の継承が行われていないのは技術やノウハウが文書化されていないからだ。残すためには羊皮紙ではなく安価な紙が要る。製紙工場ならこの世界でも既にあるのだから、その規模を大きくすればいい。


 だったらまずやらなくちゃいけないことがある。僕が信頼できる人たちを巻き込んでチームを作るのだ。一人で何もかもすることはできないとわかったし。得意分野を生かしてそれぞれの役割を果たしてもらうのだ。いずれは改革のための組織の要になるだろう。いっそのこと会社組織にしようか。自己資本100%だけどね。いずれは出資者を募って真の株式会社にしてもいい。


 会社組織にするなら次の部門が必要だろう。

 ■■■ アラン物産株式会社(仮称) 組織一覧(暫定) ■■■

【部署名】 【担当】

 ------------------------------------------------

 技術部 (植物紙を作った人)

 製造部 (メートル?)

 経理部 (財務のスペシャリスト)

 総務部 ブランシュ(兼任)

 人事部 (バスティアン?なってくれるといいな)

 渉外部(法務) 未定

 宣伝部 (新聞社から派遣してもらう?)

 営業部 (元大商会の息子なんか良さそう)

 配送部 (引退した船長とか荷馬車の御者とか)

 ------------------------------------------------

 ※ 秘書ブランシュはアラン直属


 会社名に『物産』を付けたのは、メーカーでもなく商店でもない前世日本の商社をイメージしているからだ。有形無形のあらゆるものを取引の対象とする。コンサルも業務内容に加えたい。この会社は当面は製紙業をやる予定だけど、ゆくゆくはもっと多分野にわたる仕事を手掛けるつもりなのだ。日本におけるリクル〇トみたいなイメージ。


 さて、この会社にレイモン商会のメートルを出してもらえるかな。難しそうな気はする。兼務でなんとか了解を取り付けたい。この中でな決定しているのはブランシュ先生だけか。彼女の了解は既に得ている。メンバーは秘密が守れて信用がおける人に限るんだよな。そうだ秘密保持契約みたいなものも考えなくては。この世界に契約魔術があればな。


 いや話は脱線するけれど、木札による簡単な注文書は存在するみたいだが、納期や数量と費用をきっちり明記して、守れなかったときはどうするとか秘密をもらしたら賠償金はいくらだとか、きっちり決めた契約書はこの国に存在していない。これも普及させないといけない。口約束は争いの元だ。また注文書に対応する納品書だって必要だし、簡単な製品なら不要でも、取扱説明書や納入仕様書のような文書もないから、そうしたドキュメント管理システム一式も制定しよう。


 ああん、ちょっと何かを考え出すとあれも無いこれも無いという現実にぶつかる。やることは山積みだ。JISとかISOの規定もフォトメモリーしておけば良かった。って中学生は普通手に取らないよな。


 そして最もキーになるメンバーとしてあげられるのが植物紙の発明者と新聞の発案者だ。どちらも画期的な発明で、しかも世の中を大きく変える潜在的な力を秘めている。僕が目指しているのは単なる発明家ではなくて、この世界に文明開化をもたらして、工業技術だけじゃないより民主的で成熟した社会に発展させることだ。そのためには改革者が要る。


 先の二人はまさにそれにふさわしい人材だと思ってる。新聞は領都で発行されているから、探すのはそんなに難しくないはずだ。そして新聞社が見つかれば、紙を作っている人も見つかるはず。製紙には大量の水が必要だから領都内で作っているとは考えられないんだよね。だから協力者がいるはずなんだ。


 それからもう一つ。僕の手足のように動いてくれる集団が欲しいな。今回のような人探しや、チームの連絡要員に使える人員。これにはひとつ案がある。領都には路地裏に入るとホームレスの孤児がいる。彼らは日々の食べ物にも苦労しているらしい。そんな彼らを雇って連絡員として小遣いをやれば毎日の食べ物には困らなくなる。10人ぐらい雇ってもいいだろう。その中に優秀な人材がいれば将来チームメンバーとして加えてもいい。


 とりあえず第一陣のチームのメンバーを早急に探しに行こう!まずは準備室の開設だ。いずれは男爵領の工場へ移すにしても当面は領都が活動の中心になる。できればレイモン商会内にこれまでのゲーム等の稼ぎで事務所を構えたいな。一室でいいので。もっと稼いだら新たに拠点を構えて資料をそろえるんだ。プロジェクトルームみたいにしたい。ホワイトボードや電話機コピー機とパソコンがそろった現代のオフィスを思い浮かべて「イヤイヤイヤ、そこまでは無理やろ。」とまた独り言を言ってしまった。


 早速ブランシュ先生に相談だ。

このエピソードはアランの思考だけですが、次からは領都で行動を起こしますよ。第一部より第二部の方が各エピソードは長めになりそうです。

次の更新予定は4/22 6:00AMです。

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