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異世界で少年は文明開化を目指す!  作者: ねこじぞう
第一部 男爵領のアラン
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【38】似たもの同士~つながる~アランとテオとユリアに接点ができる(テオ視点)

アランは自動車の量産を目指すのか、それとも他の事業に手を出すのか。他の前世記憶持ちとの関係はどうなるのか興味は尽きません。

「お~いテオ、紙の引き取りにいつものやつが来たぞ。」

 親方(って言っても親父だが職場では親方と呼んでいる)が叫んでるぜ。


 表に出てみると例の情報屋、おっと今は新聞屋つうのだっけか、そこの使いで小僧が来た。新聞屋の小僧って言ってもちゃんと雇われているわけじゃぁない。ちょっとしたお使い仕事に運よくありつけた領都で暮らしてる孤児だ。あまり上等な服は着ちゃいねぇぜ。かろうじてお使い先から叩きだされないぐらいだな。新聞屋からそう言われてんじゃねぇか。やって来る小僧は毎回同じってわけじゃねぇが、まあ大体使いに来る面子は決まってる。荷物を背負うから女子は来ねぇな。女子は一人じゃ危ねぇし。


「坊や、ご苦労さん。いつもの奴だな。」

「テオさん、こんちゃ。代金はこれ。」

 小僧が小さい巾着袋を差し出した。おれは中身を確かめてから植物紙の入った木の箱を持ってきて、小僧の背負子に載せてやった。

「ほんでもってこれがこの間から今日までの新聞の古い奴。」

 そう言って小僧は前世で言うところのバックナンバーを置いていった。売れ残ったやつを持たしてくれる。これが意外と商売に役立つ情報が載ってたりするんよ。それと純粋に読み物としても面白れぇ。

「おう、いつもすまねぇな。気をつけて帰れよ。」

 船着き場へ向かう小僧の背中を見送った。


 情報屋は印刷のおかげで繁盛したんで新聞屋の看板を出して店を構えたらしい。孤児をつかって配達も始めたようだぜ。手広くやってんな。この世界はマスコミもないし娯楽が少ないからいわゆるニュースの他にゴシップも需要があるしな。まあどこの世界でもスキャンダルにはみんな興味津々だぜ。ゴシップ記事は裏面に載っている。そう新聞つってもまだ表裏の2面しかないぜ。でもこの調子なら直に4面くらいにはなりそうだ。


 バックナンバーを広げると一面のでっかい記事に見入ってしまった。写真がないのでイラストつまり裁判の法廷を描く法廷画みてぇなイラストが載っていて、その横にでかでかと『領都に馬なし馬車ミュゼット号が走る!』と書いてある。

「なにっ!」っと食いついたね、俺も。

(「馬なし馬車ってことは自動車かよ。」)

 記事を読むと蒸気の力で走るすなわち『蒸気機関』というもので走ると書いてあるぜ。こりゃまたたまげたエンジンじゃなくて蒸気機関かよ。ワットのような奴がこっちにもいるんか。前世で蒸気自動車ってのはあったのかいな。俺は聞いたことがなかったが、蒸気機関車が走ったならあってもおかしかねぇな。


 だけどよ、自動車って言えばすそ野が広い産業だと言われていたよな。まずはネジみたいな汎用部品のメーカーがあって、その車に合わせた専用部品メーカーがある。組み立て工場もあって、販売するディーラーまで含めると1つの会社で数百万人が関わっているって聞いたぜ。この世界ではそこまではできんだろう。


 鉄や銅で作ったんならその鋳造や鍛造技術がこの世界のもんで追いついたんだろうか。この町にもそういう工房はあるけどよ、とても精密部品は作れねぇと思うぜ。一体どうやったんでぇ?知りてぇな。


 これって、もしかするともしかしないかい?俺と同じように前世記憶を持っている奴が領内にいるのかもな。そんだったら会ってみたいねぇ。だってそうじゃねぇか。お互い知識レベルが近けぇってことは、何にしたって話が早いってこったろう。そしたら一緒に面白しれぇことができるじゃんか。前世記憶があって、それをこの世界で再現しようとする仲間がいるならさ。


 今は植物紙の生産を俺が居なくても回るようにしなきゃなんねぇが、それが済んだらこの発明者に会いに領都へ行くぜ。どうやらそれがお貴族様らしいが、前世地球人ならそんなに身分にゃこだわらんだろうて。ついでに新聞屋の姉ちゃんにもこの先どうしたいのか聞いてみてぇよ。

アランが走らせたミュゼット号がユリアの新聞に載りテオのもとに届くとは。It's a smaal world!世間は狭い。

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