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異世界で少年は文明開化を目指す!  作者: ねこじぞう
第一部 男爵領のアラン
21/50

【20】宿場町へ美女と二人で~泊まる

ネコ車の打合せで領都のレイモン商会へ行くことになったアラン。ブランシュ先生との二人旅に興奮しているのかな?

 ランシュ先生に新しい商売につながりそうだと言われて父様も喜んで許可をくれた。だからこうしてブランシュ先生と一緒に馬車に乗っている。子爵領へは1日では行けないので途中の宿場町で1泊する。宿場までの道のりは農村風景が過ぎると森だったり丘だったりを走る。農地は平地にあるので凹凸のある土地にはめったに人が住んでいない。こんな自然が豊かな世界だったんだな。前世地球でも産業革命で木炭が必要で伐採が進むまでは深い森がたくさんあったんだっけ。


「アラン君と一緒に馬車で子爵領へお出かけなんて、お屋敷に来てから初めてですね。うちのお店と工房へご案内するのが楽しみです。」

 ブランシュ先生はニコニコ顔で言った。馬車はチャーターしたので乗合馬車ではない。しかし連れてこられる使用人がいないので、成人している先生が保護者で御者の他に同乗者はいない。未婚の男女が二人で旅行というのはいかがなものかと思うのだが、僕はまだお子ちゃまなので世間では男に入らないらしい。今回の御者は護衛を兼ねられる戦闘力があるとのこと。僕は二人きりで馬車の室内にいるのが気恥ずかしくて先生の顔がまともに見られない。向かい合っているとなぜか意識してしまうのだ。屋敷に来たばかりの頃に比べて大人の色香が漂ってきてなんという攻撃力!


「今までは遊び道具だったけれど、今度は実用的な道具ですね。しかも平民にも使ってもらえそうな。」

「そうなんです。領地の農民とかに少しでも楽をさせてあげたいなと思って。」

「まあ、なんてお優しい。アラン君は領民思いなんですね。素敵だわ。」

 ますます照れるじゃないか。早く宿場町に着かないかな。


 途中で休憩をはさみながら昼には持参した弁当を食べ、なんとか暗くなる前に宿場町に着いた。


 宿場町とは言っても、前世の高速道路のパーキングエリアほどの規模だ。宿屋があって食事処兼飲み屋、コンビニみたいな色々な品物を売っている店と共同便所がある。旅の途中で急に必要になったものや補充したいものを取り揃えている。値段は少し高めなのは運送費などが加算されているのだろう。それと警備をする兵士も2人常駐している。交番みたいなもので旅人同士のトラブルを防ぐためだろう。


 先生が宿にチェックインしてくれた。付き人を連れて泊まる貴族などが使うドアが間にある続き部屋だ。ダブルベッドの部屋じゃなくて残念…じゃなくてよかった。

「こちらへどうぞ。」

 宿屋の人に案内されて部屋に入った。メインの部屋の方が少し広い。部屋は簡素な作りでベッドと小さめのデスクとベッドサイドにテーブルがある。

「アラン君、どう?私は前にも泊まったことがあるけれど、まあまあでしょう。他に宿屋がないから選択肢はないのだけれど。」

「そうですね。十分だと思います。」

 そして付き人用の部屋に僕が入ろうとすると

「アラン君はこっちの部屋よ。貴族様なんだから。」

「いえ、先生は大人の女性だから広い部屋を使ってください。」

 僕はそう言ってそそくさと続き部屋に入った。

「しかたないわね。わかったわ。」

 先生はしぶしぶ了解してくれた。二人きりだからか先生の口調が屋敷にいる時よりもくだけていて、ちょっと友達みたいで嬉しい。それとも保護者だから姉のようにふる舞っているのかも。


 荷物を置いたら食事処へ行く。数組の客が居たが空いている。

「ブランシュ先生、思ったよりも人が少ないですね。」

「そうね、男爵様の領地は人口が少ないから普段は訪れる人も少ないのよ。ここを利用する人の大半は、男爵領と子爵領を行き来する人だから、これくらいが普通ね。収穫時期とかは人も増えるわよ。」

 そうだよな。男爵領をもっと豊かにして宿場町がもう少し栄えるくらいにしたい。

「料理に選択肢はほとんどないわよ。豆のスープにパンね。運が良ければ猪や鹿のジビエの肉料理があるかも。」

「ご注文は何にします?」

 と女主人が聞きに来た。

「お肉は入っているかしら?」

「この前入荷したときに作り置いたソーセージがありますよ。」

「そう、じゃあスープとパンを2人前とソーセージの盛り合わせ。あと食後に紅茶を2つお願いします。アラン君それでいい?」

「ええ結構です。」と僕。

「すぐ用意しますよ。」

 女主人はそう言って厨房にオーダーを伝えに行った。


 料理は準備できていたのだろう、それほど待たずに運ばれてきた。スープとパンは屋敷のものと大差ない味だ。この世界のデフォルトってことか。でもソーセージはかじると油がジュワっと出てきて美味しい。自家製の良さが出ている。


「ところで先生、この国での旅は安全なんですか?」

「こういう田舎は比較的安全だけど、領都と王都を結ぶ街道とかは往来する人も多いので、盗賊が出たりケンカが起きたりすることはしょっちゅうよ。女の一人旅なんて絶対にダメ。護衛を雇わなくては無理。確実に襲われるわ。商人も複数人の護衛を雇って商品を守るの。」

 やっぱり治安維持のシステムも未発達なんだな。武装しているのは兵士だけだしそれは戦への備え。治安維持の役割はそれほど大きくはないってことか。警察システムも必要だよ。


「ところで領都に図書館はありますか?」

「ええ、領主様の館の近くにありますよ。何か探したい本でも?」

「ええ、少し。そこは誰でも利用できるのでしょうか?」

「身分を証明できるものと利用料を支払えば館内で閲覧できますよ。」

 僕はそれを聞いて、時間があれば図書館によって魔術について調べたいと思った。


 そうこうしている内に食べ終わって部屋に戻った。

「それじゃあ明日の朝は早いからもう寝ましょうか。」

「そうですね。おやすみなさい。」

 そう言って僕は自分の部屋でベッドに入った。ドア一枚を隔てて妙齢の美女が寝ている状況で僕は眠れるのだろうか。スマホなどのデジタルグッズもないし、夜はすることがないんだよね、この世界。せめてラジオくらい欲しいな。マルコーニの無線通信か。でもあれは電信だからな。ラジオは20世紀になってから。まずは電気の利用から始めないといけないので、この世界ではまだまだ先かな。そんなことを考えていたら眠りに落ちた。

さあて、領都はどのくらい開けているのでしょうか?

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