第92話 空より高い場所で 後編
《総合評価300pt突破&誤字脱字報告ありがとう》お礼投稿です。
次回から男娼館で働くケージの物語が始まります。
(続き)
『もう一つ教えてあげましょう。
元魔王とラブラブの関係になった私に嫉妬した馬鹿な自称女神が、腹いせでたまたま近くにいたアルべリットに、私を殺すまで輪廻転生を繰り返すという呪いをかけたのです。
可愛そうですね。
アルベリットも馬鹿な自称女神も……。
女神なのに魔王を好きになるとか。
あ、ちなみに元魔王は浮気したので、私がぶち殺しました。
ちなみに自称女神はクズです。
アルべリットにかけた呪いの事など忘れているでしょうね。
もしも、魔王を殺したとしても呪いと解くとは思えませんが。
あぁ……、自慢話しや悪口で話しが逸れました。
つまりですね。
ケージの子を私の生まれ変わりである者が身籠ったとすると……魔王が生まれます。
はい、強力な大魔王ですね。
邪神と世界をかけてファイナルバトルします。
多分、この世界の生命の96%は死滅します』
世界の命運を決めるような、あまりに壮大な話しすぎて……ソフィアは引いていた。
そんな大事に巻き込まれてしまったのかと、足の震えが止まらない。
『良いですか、貴方達はケージを見付けて、子供を作るのです。
ちなみに残り勇者でも魔王でもない子が生まれた場合、それはただの子です。
何の力もありません。
しかし、世界は邪神によって滅茶苦茶にされます。
生まれた子が、勇者なのか、魔王なのか、凡人なのか、調べる術はありません。
ある時ある場所である事を切っ掛けに目覚めるでしょう。
誰がケージを最初に見つけるかわかりませんが、よく考えてください。
本当に自分で良いのかと。
勿論、誰が勇者で誰が魔王かはノーヒントです。
どんな文献にの載っていませんし、どんな魔法でも調べることは出来ません。
運命なのです!!
最後に、この事はケージに話すことは出来ません。
これは制約です!
はい、では質問タイムです。
一人一度だけ質問を許します。
3分間時間をあげます。
考えてみてくださいね』
三分後……。
『あれれ? 誰も質問ありませんか?』
全員が口を金魚のようにパクパクさせていた。
『あっ、声を封じてましたね。失礼……。それでは……ソフィア。質問をどうぞ』
いきなり指名されたソフィアはオドオドする。
「あ、あの……。も、もしも……。あの……。勿論……私はケージが好きです。でもケージは、ロジーナやノディールが好きだと思います。もしも、私に勇者に血があって、でも……ケージが私を選ばなかったら……」
『知らんがな。はい、次は……ペチタ』
「ケージが大切な弟子だ。だが恋愛感情はない。私が好きなのはアルベリットだけだ」
威風堂々。ペチタの態度にアルベリットは、目を潤ませ両手を胸の前で組む。
『はいはい。次……貴方達ね……自分たちの選択に世界の命運がかかっているって自覚していますか? シーリス、どうぞ』
「あの……ケージさんと無理やり……しても……」
「やった♥」
シーリスは透明な床が壊れることなどお構いなしに、ピョンピョンと可愛くジャンプする。
『お好きにどうぞ、次、ノディール』
「子を生むってことは結婚してもいいニャ?」と、ドヤ顔のノディール。
『勝手にどうぞ、次、アルベリット』
「にゃ!?」
「貴方の……話しが本当だという根拠が欲しい」
最も神々の争いに巻き込まれているアルベリットは慎重に質問を考えていた。
『信じなければ信じないで構いませんが?
証拠を用意しても、この魔王には何でも出来る力があります。
偽装かも知れないと思うでしょ?
キリがないのですよ。最後はロジーナ』
「なんでこんな事をするの? ケージをそんな運命に巻き込まないで!!」
ケージを愛するロジーナならではの質問だ。
『ふっ。面白いからです。ケージが自らこの世界で生きると決めたのです。自ら運命に巻き込まれたのです。さて、質問は以上ですね。それでは……』
六人は意識を失う。そして、それぞれの地へ転送させられた―――




