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性奴隷がゆく  作者: きっと小春
本編
90/153

第90話 夢から覚めて

ネットで店舗の店員に対する評価はあまり信用ならない。

いざ行ってみると、案外、感じの良い店員だったりする。

まぁ、中には、あっ、そういうことですね。という事もあるが。


でも、大体は自分の態度や行動に店員が反応しているだけかも知れない。

例えば、話しかけるなオーラを発しているとか、俺は見に来ただけだ買わねーよオーラとか。


その点、俺は心の中は真っ黒だが、初見は良い人なので、結構話しかけられやすい。

良いのか、悪いのか、難しいところだが。


さて、いよいよ本編がスタートします。

が、展開が思いつかない……。

どうしよう。

 また同じような朝が繰り返される。

 別に嫌いではない。

 それは平和で幸せなことだ。


 そんなことより、物凄くリアルな夢を見ていた。

 登場人物の匂いや肌の温かさを再現した夢は初めてだった。

 ちょっとエッチすぎる夢なので、夢精してパンツを汚してしまったのが辛いだけだ。


 汚れたパンツを親に見つからないように処理するのは案外難しい。

 妹や父親がチョコマカ動き回っていて邪魔だ。

 俺はパンツをビニール袋に入れて、学校から帰ってきたら処理することにした。


 そして、朝飯を何喰わぬ顔して食い終え家を出た。


 通学路には当たり前だが車が走っている。

 何か懐かしくて涙が出そうだ。

 ロジーナ……元気かな。

 おっと、夢の話しだった……。

 しかし、こんなに胸が熱くなるのはなんでだろう?


「おはよう!!」


 バシンと背中に平手打ちしてくるような奴は世界で一人だけだ。

 もしかしたら朝からイチャイチャしてんじゃねーよと思う人もいるかもしれない。

 だが、この石原 ナオは、俺にそういう感情を一切持っていないし、俺なんか眼中にない。

 いや、俺もだけど!!


「イテーな。なんなんだよ、毎朝……」

「何よ、細かい男ね。だからモテナイのよ!!」


 余計なお世話だ!!

 異世界……夢の世界では結構モテたんだけどな……。


「ねぇ、異世界……楽しかった?」

「はっ!?」


 俺は固まった。


 そして、ナオの顔をマジマジと見つめた。

 こんなにナオの顔を見つめたのは、ナオの事を好きと言って振られた幼稚園以来だ。


「だから、楽しかったか聞いているのよ!!」

「ま、待て……。あれは……夢じゃなかったのか?」

「ノディール、ロジーナ、ソフィア、ペチタ、アルベリット、シーリス、エッチできなかった六人」

「えっ……。な、なんなんだよ……」

「はぁ……。本当に慶次って馬鹿ね。そういうところが嫌い」

「おい、みんな元気なのか?」

「い、痛い……って……」


 俺はナオの肩を力いっぱい掴んでいた。

 気付けばナオに触れたのも幼稚園以来だ。


「あ、ご、ごめん……」

「ちょっと、何なの? 慶次……まさか異世界にのめり込んじゃった? ちょっとエッチな事が出来たからって、慶次はあの世界で死んじゃったのよ? でも、異世界童貞卒業出来たんだから、全くお礼の一言でも言って欲しいわ!!」

「なぁ、あの世界にもう一度、行けないのか?」


 道端で意味不明なことを叫ぶ慶次。

 周囲の視線も痛い。

 ナオは場所を変えて話すことにした。


「契約の代償として肉体を奪われ魂を異世界に飛ばされたというのは、嘘。ちょっとした遊び心ね。煮え切らない慶次には反骨心が必用かなって」

「だから、そんなことはどうでも良いんだ!!」


 俺は戻れるなら異世界に戻りたかった。

 そりゃ、こっちには友達も、家族もいるけど、いるけど……いるのだが、ノディール達のように一緒にいて、心が踊らないのだ。

 

「あら? 何故異世界へ行けるかも知りたくないの?」

「あぁ……」

「この世界に不満でもあるの?」

「無い……けど……」

「異世界ならエッチが出来るから? 変態……」

「ち、違う……」


 正直、エッチが舞い込んでくる向うの世界は好きだ。

 だけど、ナオにそんな恥ずかしいことは言えない。


「あれよね。人って死の危険を感じながら生きている方が生きてるって実感できるのよね」

「実感……。そうかも知れないけど、俺は……また会いたいんだ」

「六人に?」

「六人って……知らない人もいたけど?」

「アルベリットね。でも慶次は誰が好きなの?」

「え、選べないよ……。そんなの……」


 それは本心だ。可能ならば、よくあるハーレムな関係になりたいが、そんな事は出来ないだろう。


「でも異世界で用意した肉体は滅んでしまったのよ。もう異世界には行けないわ」

 

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