第88話 二人に託すミニチュア・モンスター・メーカー
だからさ、金曜の夜にパスタを作ると、土曜の朝に食べるものがないと言っただろ!!
いい加減に学習しろよ。
お腹がぐぅーっと鳴っている。
朝からコンビニ行くの嫌です。
配達員さんが来るから家にいないと駄目です。
あ、プリンがあったかな?
さて、コーヒー飲んでいる場合ではありません。
いよいよケージがロジーナなと再会します。
流石にボロボロのロジーナにエッチな事はしません。
期待していた人ごめん。
俺は、ロジーナの凄惨な姿に憤りを感じた。
今の力ならば世界を無に帰すことぐらい容易いだあろう。
しかし、残された僅かな力をそんな愚かなことに使うことは出来ない。
手を握って上げたかったが、両手を失ったロジーナの手を握ることも出来ない。
性奴隷は性奴隷らしく、ロジーナの小さな胸の上に手を乗せた。
すると生死を彷徨うロジーナの命は、ケージの存在に気が付き僅かな反応のを示す。
潰れていない左目を僅かに開け、ケージの顔を見つけると、薄っすらと笑った。
ボロボロのロジーナが見せた笑顔は、今までで一番美しく可愛いと思った。
心臓がドクンと高鳴る。
これは恋なんだ。
間違いない。
ロリでも何でも関係ない。
ここは異世界、日本の常識は関係ないのだ。
「ロジーナ、俺……ロジーナが好きだ。あっ、でも……ノディールもソフィアさんも好きだけど……」
思い切り告白した後、ノディールたちのフォローも忘れない俺。
『ば』
『か』
ロジーナの唇がそんな動きを見せた。
そして、ロジーナは満足そうに……ゆっくりとまぶたを閉じる。
焦ったケージは叫ぶ。
「ザ・ゴッド、ロジーナを蘇らせろ!! 完璧にだ!!」
『至極難解デスワ!! エロハアリマセン、私達ハ消滅シマスワ!?』
神のくせに困った顔で言うな!!
「構わない。それとエンシェントドラゴン……お前にはノディールのもとへ行ってもらう。助け出せずにすまないと謝ってくれ。これからお前は独立した魔物だ。ノディールを頼む……」
『オ任セクダサイデスワ。サヨナラ、我ガ主ニシテ兄弟ヨ……』
エンシェントドラゴンはケージが空けた天井に向って飛び立った。
それを見上げていたケージは命が大幅に削られグラリと立ち眩みをして転びそうになる。
「おい、ザ・ゴッド……時間がない。早くしろ……」
『頑張ッテマスワ!! モウ少シ、オ待チクダサイデスワ!!』
ミニチュア・モンスター・メーカーのザ・ゴッドがロジーナの肉体と魂に同化し始めた。
ロジーナの肉体から離れてしまった魂を無理やり肉体に引き戻し、ボロボロに破壊されたロジーナの肉体を再生していく。
ロジーナの幼く可愛い肉体が再生される。
ロジーナの命がまるで長い冬が終わり命が芽吹く春のように躍動していくが、俺は真冬の吹雪の中のように全てが閉ざされ五感が徐々に失われていった。
死ぬって、こういうことなんだ……。
不思議と恐怖はなかった。
元からクーリスちゃんに死ぬと宣言されていたもん。
それにロジーナが元気になれば……それで良かった。
やがてロジーナが寝かされていたベッドにしがみつく力もなっくなり、床に倒れてしまう。
床が冷たく気持ちよかったが、今ではそれすらも感じない。
ロジーナやノディールが、この先……彼氏を作って、エッチなことをすると思うと、何だか悔しいが、それでも幸せになってくれるなら……。きっと父親ってこういう気落ちなんだろうな。
ストリート・チルドレンを守るためを両手広げた小さな勇姿、ポンコツと呼ばれながらも一緒にソフトクリームを食べた公園、タンクトップの隙間から見えた小さな胸、弓矢の才能に開花した時の嬉しそうな笑顔……ロジーナとの記憶が頭の中を駆け巡る。
あぁ、これが走馬灯ってやつか……。
続いて、ノディールやソフィアさんの思い出も……。
「ケージ!!! 起きて!! 嫌っ!! 死なないで!!!」
俺は……。




