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性奴隷がゆく  作者: きっと小春
プロローグ
82/153

第82話 ソフィアの覚悟

 時は少しばかり遡る。


 ソフィアと入れ違いで戻ってきた双子ドワーフの妹ララ。

 ララは小都市リゼンダから神聖教会の聖騎士団の一行が、バレッテェリアへ向けて進行し始めた事を告げた。


「目的が何なのかわからないな」

「聖騎士を動かせるのは、現状アンナ・ハーリンだけよ♥ 彼女のいる場所こそ、ボーイのいる場所に近いはずよ♥」

「ペチタ。私も連れて行って。そこに私の求めるものがある気がするの」


 ペチタは一瞬考えるが、迷いを振り払うように真剣な顔で頷く。

 実を言うとアルベリットには答えがそこにはないと知っていた。

 だけれど何か嫌な予感がしたのである。

 今度は自分がペチタを守りたいと想ったのだ。


 歴戦のメンバーに指示はいらない。

 各々が自分のするべきことを理解し行動する。

 数分後には聖騎士を監視する双子ドワーフの兄ライズと合流するために出発していた。


 ◆


「という訳で、聖騎士を追ってきたのよ♥」

「そうですか……。ここにケージへの何かがある……」


 何度も足を運び何も見付けられなかったソフィアには信じられない話だが、そんなソフィアだって希望を託すようにここに来ているのだ。


「おい、どうやら盗賊たちが何かを見付けたらしいぞ?」


 まさかとソフィアは、盗賊たちを凝視する。確かに数人集まって何やら仕掛けを外そうとしていた。

 盗賊にしか理解らない、そんな仕掛けだったのだろうか?


「どうするのよ? 聖騎士が来る前に方を付けるかしら♥」

「それが良いわ」


 ペチタ、グレディア、アルベリットの意見がまとまった。

 三人は頷くと走り出す。

 ソフィアはララと聖騎士が到着の監視役となった。


 ペチタは隣で走るアルベリットを横目で見た。

 本当にあの当時のままだ。と、心の中で呟く。

 美しく儚い少女と再び同じ時と場所で生きていると思うと胸が熱くなる。


「もう、焼けちゃうわね!!」


 アルベリットは屈託のない笑顔で答えた。

 そして、三人は盗賊が発見したイーリッヒとロジーナが潜伏している緊急用のアジトに続く道へ入った。


 ◆


「後数分で来るよ」


 双子ドワーフの兄ライズが、ララのもとに帰ってきた。

 ララはペチたが盗賊たちと交戦中だと告げる。


「わかったし。なら……聖騎士達を足止めした方がいいかな?」


 聖騎士達の数は千を超えると聞いていた。

 それをたった三人で足止めするのかとソフィアは驚く。


「大丈夫だし!! ソフィアさん。何も勝つ必要なんかないし!!」

「だな。ペチタたちから引き離せばいいんだ」


 それでも命がけの作戦であることには変わらない。

 しかし、ソフィアも覚悟を決めて立ち上がった。


「やりましょう。作戦を教えてください」


 ソフィアにはケージを見つけ出すという目的があり、それはアルベリットたちが叶えてくれるはずだと信じたい。

 ならば自分は、全力でその邪魔をする聖騎士をどうにかするしかない。


「うん、まず距離を取りながら……」


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