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性奴隷がゆく  作者: きっと小春
プロローグ
79/153

第79話 三人の聖女

卵と冷蔵庫。

この二つで何が想像できますか?



卵が冷蔵庫の中で割れているのです。



あれれ? 買い物した後で何処かにぶつけたのかな?

一度目はそう考えました。

で、本日二度目。


まぁ、別の卵を使うか。


あれ? 卵が凍っている!?

なるほど冷蔵庫の温度設定が低すぎて長時間入っている卵が凍るのか。

だから最後の方の卵が割れるのね。

どうりでガンガン飲み物が冷えるわけだ。



ふむふむ……。


でもスーパで売ってる卵って、冷蔵して無くね?


さて、久しぶりのノディールちゃんの登場です。

 悪魔シーリスの瘴気に当てられたハリネズミ族のチココリが、無意識にバトルフォームになり服を破り針を立てる。

 また氷河蜥蜴族のパトリシーも氷の鱗を全身に張り巡らせて、ブルシュマンを己の体を盾にして守る。


「ボクは戦いに来た訳じゃないんだけどね?」


 抱き合って震えている人族のハルカとナガミミ兎族のダンテを安心させるように軽い口調で言った。


「というか、初対面じゃないよね? どうしたの?」


 その問にブルシュマンがため息混じりに答える。


「はぁーっ。どうしたものか……。街ではシーリスが悪魔だと噂になってる」

「うん、知ってるよ? だから正体隠してないでしょ?」

「いや、瘴気を抑えてくれないか? 人族の私には耐えられない」

「あれ? 駄目だった?」


 落ち着きを取り戻したブルシュマンたちに、ここに来た理由を説明するシーリス。


「だから人族でまともに話し合いができるのは、ブルシュマン様しかいないでしょ?」

「その話とは?」

「うん、ケージさんのところの聖女ノディールを助けたいんだよね。だけど悪魔が聖女を助けに行っても信じてもらえませんよね? ボク、ノディールから好かれてないし」


 ◆


 何処の国も所属していないストゥーピッド島最北端に位置する神聖教会の聖地アルゲオアルブム。

 そこの暗い地下牢にノディールは大の字に縛り付けられていた。


「ケ、ケージに合わせるにゃ……」

「ソシールエイラ・ディエール・ウルズ・ノディール。まさかスレンダーキャットの偽聖女が、本物の聖女だなんて、お姉様が知ったら驚くでしょうね」


 ノディールとアンナ・ハーリンの会話は全く噛み合っていない。


「何で……こんなこと……するにゃ……。ロ、ロジーナを何で……殺したにゃ……」

「煩いのよ!! 少しは黙ってて!!」


 ノディールの頬を力任せに平手打ちする。


「もう!! イライラするのよ!! あなたは初めて見たときから”大嫌いだった”わ」

「酷いにゃ……」

「最後のチャンスよ。ケージの事を忘れて神聖教会の聖女として、生きることを誓うなら……洗脳はしない。明日の朝までに覚悟を決めなさい」


 いつから計画が狂いだしたのだろうか?

 この猫が家に舞い込んできたときから?

 違う。

 この猫が家に舞い込んでくる原因はゲージだ。

 そのケージを家に連れ込んだのは……私。

 元々、残りの聖女を探す目的で教会の外に出ることを許された私は、その世界に溢れる欲望に触れ……俗物化していった。

 しかも聖女の捜索は思いの外、進まなかった。

 耐え難いストレスから聖女が性奴隷を買う。

 そして背徳感に生きていることを実感する。

 そんなとき偶然見付けたのがエリス・サザーランドだ。

 まったく聖女の力を開花させていない彼女を成長させるために誘拐事件を企てたのだが、忌々しい九尾主義の幹部・金色狐族のフォルセルドによって邪魔をされてしまう。

 フォルセルドが起こした事件により、悪魔が召喚されたこと、ノディールの聖女疑惑が露呈し、多くの冒険者が死んだ。

 『ボレオ聖戦』と呼ばれる事件は国も動かし、神聖教会も動き出してしまった。

 何の運命の悪戯か、エリス・サザーランドも予想外に誘拐されてしまった。

 焦った私は少ない手札の中から性奴隷を使って聖女を救出に向かわせた。

 しかし、能力が低いため支援をするもまったく進展がなかった。

 そして、時間切れになってしまい、過去を隠蔽するつもりで全てを消そうと考えた。

 しかし、あの性技だけは忘れられず、どうにか手元に置いておきたいと思った。

 思いつきだけで行動したため後手後手にまわったが、結果的に二人の聖女を連れ帰った私は、お姉様に見限られることもなく、こうして無事にいるのだが。


「全く。にゃーにゃーと煩いものです。それと、エリス? ここは立入禁止ですよ?」


 まったくこのエリスには油断も隙もない。

 お姉様と同じタイプなのだ。

 悪びれる様子も無く可愛く舌を出すエリスに恐ろしささえ感じた。


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