第78話 愛と年齢の関係性って
おはよー。
中々寝付けず1時を回った所でやっと寝たと思えば、今度は4時に目が覚めた。
もういいやとばかりに起きて今に至る。
数少ない楽しみの一つに、ヨーグルトがある。
健康を考えて、無糖で低脂肪のヨーグルトを食べていたが、
いちごやら桃やらが入ったヨーグルトにしてみた。
あ、甘い……。そして美味しい。
1日の生活の中で甘い物を食べる事が少なくなった一人生活。
そこにパッと華やいだエース級の食べ物の存在。
そんなことはどうでもいい。
さて、物語は徐々にケージ救出に向けて動き出しました。
別に捕まってはいないんだけどね。
異世界人の俺からすれば、ここがストゥーピッド島であろうが、フロント大陸であろうが、関係ないのだけど俺は立ち上がり、部屋の窓を開けて外の様子を見る。
はっ?
当たり一面氷の世界なんだけど?
寒い。
俺は窓を閉めた。
そして、部屋の中をクルクルと意味もなく歩き回る。
ノディールの笑顔やロジーナの裸……おいおい、そんな思い出が頭の中を駆け巡る。
日本で言えば、14歳JCのノディールや10歳JSのロジーナを好きとか……白い目で見られるかも知れない。
しかし、ここは異世界。
中年の亀Xが面と向かってロジーナに好きと言ってしまえる世界なのだ。
「でも、あの二人の前だと息子が役に立たないんだよな」
あー、ソフィアさんやシーリスちゃんも駄目だな。
ノディール、ロジーナ、ソフィアさんは、精神的にも好きだから?
でもシーリスちゃんは……男だと思ってたから?
わからん。
兎に角、少しでも好きだという気持ちがあると駄目なのかも知れない。
好きか……。
ソフィアさんやロジーナが死んでしまった可能性が高い。
また涙が溢れ出してきた。
「俺は一体何をしてたんだ……」
冒険者ギルドの受付嬢アンナ・ハーリンに奴隷商人のバズレッドから買われ、性奴隷としてご主人様の言う通りに過ごしてきた……なのに何で、ソフィアさんやロジーナを殺したんだ?
エリス・サザーランド奪還に出発したときだって、何も変わった様子はなかったのに。
「なんでだよ……」
生と死を感じることの少ない日本と違い、この世界での死は日常茶飯事である。
しかし、この世界で生まれ育ったノディール達が感じる命の軽さと違いケージは、命を重いものだと感じていた。
この世界にもペチタのように命を尊く思う者もいるのは確かだが、一般的には何時何処で死ぬかも知れないと死を身近に置くのが、この世界の常識なのだ。
◆
骨董品と調度品が喧嘩すること無くお互いを高め合う形で同一の空間に存在するセンスの良さ、そんな部屋に氷河蜥蜴族のパトリシー、人族のハルカ、ハリネズミ族のチココリ、ナガミミ兎族のダンテの四人が、小都市リゼンダを任されている子爵であるアメジスト・ブルシュマンの執務室に呼び出されていた。
ペチタ達冒険者に依頼したケージ捜索の結果が思わしくないであり、四人にも捜索に加わって欲しいと頼むためだったが……。
「意味がわからない。そのケージを助ける意味が」
「そうです。何故、私達が命を賭ける必要があるのですか?」
ナガミミ兎族のダンテが重い空気を打ち破るように想いをブルシュマンにぶつけると、人族のハルカもそれに続いた。
「簡単に言えば、より強い者からの命令だ。この依頼を達成できなければ、私はどうなるか理解らない。だから……断るなら、君達には何処か遠いところに逃げて欲しいと願う。君達は私の命よりも大切なのだから」
突然の告白。
ブルシュマンさえもひれ伏す程の強大な相手からの命令に四人はお互いの顔を見た。
「それで……ケージという者が何処にいるか検討はついているのか?」
心の中まで凍てつく氷河蜥蜴族のパトリシーが、珍しくブルシュマンを思いやるように口を開く。
「それが……」
「ボクのところにいるよ」
一同が、その声の方に振り返った。
どこから侵入してきたのか、シーリスはニコニコと笑っていた。




