第75話 ペチタとアルベリット
総合評価が200に達成しそうでしない日々が続いたのですが、なんと206になりました。
稚拙な作品なのにとても嬉しいです。
まぁ、ビックタイトルに比べるなんておこがましいですが、やはり少しでも評価が触れると心が踊ります。
という訳で、お返しプレゼントとして、もう一話投稿します。
さてさて、現在のストックである第80話が書き終わりました。
『エリス・サザーランド奪還編』も終わりの方向性が見えてきました。
えっ? エリス・サザーランド関係ないだろうって?
そうですが……。
『アンナ・ハーリン●●編』とかだと短いし……。
特に明記しているわけじゃないですからね。
それでは!!
ホテルの一室で堰を切ったように泣き続けるアルベリッとを強靭な筋肉で優しく包むペチタ。
トンとソフィアの肩に手を置いた化粧の濃い筋肉ムキムキのグレディアさん。
ソフィアは頷くと部屋を出て、ペチタとアルベリットの二人だけの時間を作った。
「……という訳なのです。信じて頂けないと思いますが」
ソフィアは、ボレオで起きた事件についてグレディアさんに話す。
グレディアさんは驚く様子もなく、ただソフィアの話しを聞いていた。
そしてソフィアの話しが終わると、ケージ付いて知っている限りの情報を教えてくれた。
「アンナ・ハーリンが、ケージを助けようとしていると言ったら、あなたは信じるかしら?」
ソフィアは考える事もなく首を横に振った。
「彼女は、エデン、ネム、アンという保護していたストリートチルドレンを目の前で殺しました。殺すぐらいならば保護などしなければよかったのに……」
「そうよね。でもペチタを始めとするこのパーティーは、とある貴族に雇われているのよ。目的はケージを見つけ出し、保護すること♥」
「……」
「な〜に? 信用ならないかしら?」
「グレディアさんは信用できます。ですが……ケージを見付けた後、その貴族はケージをどうするのでしょう? 世間では悪魔の手先とまで言われています。そんなケージを保護する理由がわかりません」
「確かにね。その後のアフターフォローは依頼内容に入ってないわ」
「ですよね。それでは、わたしはここで失礼します」
「あら? アルベリットは待たなくていいのかしら♥」
「はい。私達は……何とも言えない仲なんです」
ソフィアは一度も振り返ること無く部屋を出ていった。
◆
「ペチタ、ごめんなさい」
「何も言うな。お前が、こうして生きているだけで十分だ」
アルベリットは当時と何も変わっていない。
そこにアルベリットの抱えている問題と目的が紐づくことをペチタは察していた。
しかし、アルベリットは語らない。
いや、この話しの流れや感情からすると、言えないのだろう。
「アルベリット、何か困ったことがあれば……」
「大丈夫です。何も心配ありません。でも……たまに……こうやって抱きしめて欲しいです」
思いがけないアルベリットから放たれた弱音。
相当心をすり減らしているのだろう。
アルべリットがいなくなった夜。
あれから毎晩、まぶたを閉じる度に、眠りに落ちるその刹那に、アルベリットの記憶が濁流のように渦巻き、あの眩しく温かい笑いあって抱きしめあった……あの頃のアルベリットへと思いが引き寄せられた。
叶わぬ約束、忘れられずに生きてきた。
何度も剣を置き普通の生活に戻ろうとしたが、夢でアルベリットに再会する度に、その剣で己の不甲斐なさを魔物にぶつけるしか自我を保てなかった。
永遠の孤独と絶望。
何のために生きているのか、アルベリットを守ると約束した自分が、アルべリットに助けられ、生きながらえている。
だから、その命を無駄にはできない。
でもアルベリットのいない世界で、どうやって生きていけば良いのかわからなかった。
虚無と仲間に背中を押され、今日という日を迎えるまで、偶然にアルベリットと再会する軌跡に、全てにペチタは感謝した。
「あぁ、いつでも帰って来い。お前の進む道に、守り手として……力不足だろう。だけどな。お前の安心して帰ってこれる場所は、必ず守ってやるさ」
その小さな少女を2m超えの巨漢が優しく包んだ。




