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性奴隷がゆく  作者: きっと小春
プロローグ
73/153

第73話 イーリッヒとロジーナ

金曜日の夜は明日が休みだからと興奮するのか、なかなか寝付けません。

しかし、体は疲労困憊状態で眠いと言ってくる。

とある女子サッカーアニメを観たいと、頑張っていたがいつの間にか始まっていて、

こりゃ見逃し放送で観るかと、また放送終了まで待ってみた。

しかし、肉体も精神も限界で、夜食を食ったのに眠いと言い出す始末。


さて、本格的にストック不足に陥っている。

本来予定していたイベントに向かわせるため、どーしたものかと考えていたら、行き詰まって手が止まっているのです!!


 大都市バレッテェリアの三つ巴最終日に発生した大爆発は、『禍災の日』と名付けられた。


 その日から三ヶ月が経過した。


 元レッドスコルピオンの女頭イーリッヒは、突然襲ってきた神聖教会の聖騎士から逃げるため、アジトの秘密通路から逃げ出した時、重症を負ったナガミミ兎族の少女を見付け、それ以来甲斐甲斐しく看病していたのだ。


 その少女は、両腕を切断され、右目に剣が突き刺さった状態で倒れていた。

 それでも、なんとか呼吸をしていたため応急処置を施し、イーリッヒしか知らない緊急用のアジトに身を潜めていた。


 右目に突き刺さった剣が脳を損傷させたのか、少女は言葉を話さなかった。

 ただ、ぼーっと天井を毎日見続けているだけでだった。

 食事は口移しで、排泄物は垂れ流しだ。

 勿論、綺麗に掃除はしている。

 しかし、この少女に絶望は感じない。

 何かを求めるように、消えかえている命を必死に繋ぎ止めているように感じられた。

 だからイーリッヒも見捨てたりはしない。

 かつての自分と少女を重ね合わせて。


 イーリッヒは、冒険者の実力に照らし合わせれば中級、盗賊では上級に該当する。

 なので獲物さえいれば狩りなど朝飯前なのだ。

 食料が確保できればアジトの物資と合わせて、後三年は緊急用のアジトで暮らせる計算である。

 それに神聖教会の聖騎士共が出て来たということは、大都市バレッテェリアなどの冒険者ギルドにイーリッヒの懸賞金が賭けられている可能性がある。

 つまり下手に移動するれば捕まる可能性が高い。


 本日の獲物は兎だ。

 ナガミミ兎族に兎を食わせて良いのかと悩んだが、これ以外食べるものがないのだ仕方がないだろうと諦めた。

 アジトに帰ると悪臭が充満していた。

 換気用の魔道具を起動させ部屋の空気を入れ替えつつ、少女の下着やらを脱がせ、体を綺麗に洗う。

 実は下水用と上水用の二つの水をアジト内に引いている。

 少女のベッドの脇に流れる下水用の水で体を洗う。

 少し冷たいがそこは我慢してもらう。

 裸の少女を見ていると、こんな小さな子どもになってことをするのだと憤りを感じてしまう。

 レッドスコルピオンでは子供に手を出すことはなかったのだ。


 鼻歌交じりで兎を調理する。

 少し味を濃い目にしておく。

 それはイーリッヒが咀嚼したものを少女に口移しで食べさせるからだ。

 少女はキスの経験があるのだろうか?

 唇や舌に刺激を受けると、生命活動が活性化するように感じた。


「はーい。できたよー」


 モグモグ、モグモグ、よく咀嚼してなるべく小さくしてあげる。

 少女の上半身をベッドの上に起こす。

 そして少女の唇にイーリッヒの唇を重ねると、少女の方から舌を入れてくる。

 その後、小さく口を開けてあげる。

 少女は舌でイーリッヒの舌を遊ぶようにしながら、口の中にある咀嚼した食べ物を飲み込んでいくのだ。


 恐らくイーリッヒの事を愛する誰かだと思っているのだろう。

 少女であっても女だ。エロいイーリッヒには、その変化点が嫌でも理解る。

 食事が終わると、今度はイーリッヒが少女の口の中に舌を入れて口内を綺麗にする。

 そして、しばらく消化が落ち着くまで、ベッドの上で座らせておく。


 イーリッヒは食事の後片付けをしながら泣いてしまう。

 これはいつもである。

 緩やかに、そして確実に死へ向っている少女に何もできない自分に苛立つ。

 大都市バレッテェリアで治癒できる者を探すか?

 あの状態を直せる者など、まさに聖女以外にいないではないか!!


 ガタッ。


 はっ!?

 まさかの侵入者だ。

 イーリッヒは短剣を両手に持つ、二刀流だ。

 この狭いアジトの中では一番有効な武器である。

 本気のイーリッヒ。

 その足音は本当に無音である。


 殺気を消し、闇に紛れる……。


 敵の僅かな動きを察知いて、闇の中から無音で高速、高精度の投擲を繰り出す。


 シャパーーーーン!!


 くっ、水魔法の防御壁!?

 相手は魔法使い!! 


 だからと言って、イーリッヒが退く理由にはならない。

 何故ならば、この奥には守るべき少女が眠っているのだから。


 元レッドスコルピオンの女頭イーリッヒの孤独な戦いが始まる。


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