第70話 追い詰められたけど? どーすんの?
俺の性技はある意味自白剤のようなもの。
究極の快楽と極限の興奮状態により、嘘を付く余裕も隠し事する思考も働かない。
すべてが俺に筒抜けなのだ。
あれれ?
俺って優秀じゃね?
まぁ、質問しただけでYes・Noの理解るロジーナさんには勝てませんがね。
で、間違いなくこいつがレッドスコルピオンの女頭イーリッヒだ。
どっちみち盗賊の頭が女の子って……流石異世界だぜ。
待て。
確かに俺達の想定している女頭は……この通り……エッチ大好きなのだが、現在の女頭であるエリス・サザーランドに対して俺は……無力ではないのか?
例えば、人心掌握術で部屋の隅で、死ぬまで自分で慰めてろなんて言われた日には……。
おっと、恐ろしいじゃないか。
しかし、脱出するにも複雑な迷路の天然洞窟なのだ、出口までの経路なんて……どこぞの主人公ではない、覚えているわけ無いだろう!!
こんなときは、仲間の力を信じてみるとしよう。
『おーい、助けてくれたら……朝まで裸で削いてしてあげるよー!!』と小声で呟いてみた。
「お前、何をブツブツと独り言を言っているのだ?」
「なぁ、イーリッヒ。お前さ、まだ盗賊の女頭やるつもりなのか? 人生をやり直すなら今だぞ? 今なら部下側から裏切ったことになるし、部下の人心掌握術が解けてもさ、部下も恨みはしないだろ?」
「ふっ、怖気づいたか?」
「いや、というよりエリス・サザーランドを虜にするのは難しい。だってエッチが素敵なものだと知らないし、無理やり襲っても人心掌握術で撃退されるだけだ」
「……」
「それにアヒアヒとか、どうせお前の真似でもしてんだろ?」
「……」
スッキリ解決など主人公補正のない俺の勇気と能力では無理だ。
ご主人様にはお悪いが、ここは無様に逃げるのが俺らしい。
ボレオに帰ったら、ご主人様にはきっちりと謝ろう。
床に座って項垂れているイーリッヒを見捨てて、颯爽と俺は部屋を出ていく。
完璧なるやり逃げである。
なんとなく出口の方へ(完全なる感)で歩き出す。
ミニチュア・モンスター・メーカーを使うか迷ったが、やはり怖いので止めておく。
どれくらい歩いただろうか? なんとなく同じ道を歩いている気がする。
いや、それは心が弱ってるからだ。
そう思いたい。
「おい! 性奴隷が逃げ出したらしいぞ!?」
「女頭様は、腕の一本や二本折ってでも連れて来いとお怒りだ!!」
この先の通路から物騒な会話が聞こえてきた。
腕二本って……。
両腕じゃん、何それ怖い。
「ったく、助け出すべきターゲットに狙われるとか、ありえないぞ!?」
俺は通路の窪みに入り込むと、ミニチュア・モンスター・メーカーで茶色のスライムを創り出し、体を多い身を隠す。
ふっ、忍者のようだろ?
これで逃げ切れるとは思わないけど、いいアイディアが閃くまでの時間稼ぎだ。
一時間ぐらい経過しだだろうか、お尻は冷たいし、腰は痛いし、オシッコしたい。
はぁ、本気でどーすんの? これ?
「何処に逃げやがった!?」
「出口は一つだ。門番が見てないって言ってる。絶対にこの洞窟内にいるはずだ」
「部屋を一つ一つ見ていくか?」
「それしかない。女頭様の怒りが俺らに向く前に、糞性奴隷を見つけるぞ!!」
「「「「「おぉぉぉっっっ!!」」」」」
いやいや、そんな気合は必要ありませんよ?
またまたしばらくして、「ぐわっ!!」「うぶっ!?」「うっ」と、次々と盗賊たちの断末魔が聞こえる。
そして、俺の茶色のスライムが引っ張られ、情けなく縮こまった俺が曝け出された。




