第69話 お前がエリス・サザーランド!?
ガクガクブルブルと生まれたての仔馬のように歩いてくるメイド。
メイドは現在進行形で快楽に蝕まれているのだ。
何故風呂に入っている俺が見れるかと言うと、この風呂場のドアは外から中は見えないが、中から外は見えるのだ。
普通逆だろう? と俺は思う。
「うわっ。可愛く言えば仔馬だが、ありゃ……ゾンビだな」
ギィィィっと風呂場のドアが開く。
ふらつく、メイドに言ってやった。
「なぁ、どうだった?」
「む、無論、失格だ……。アヒアヒ言っていない……」
「はぁ? あん♥あん♥言ってたじゃ」
「だからアヒアヒとは言ってない!!」
「屁理屈じゃねーかよ!!」
アホらしい。
湯船の中で立ち上がっていた俺はまた座り直すが、そこにメイドが入って来た。
狭いんだよ!!
しかも体洗ってから入れっての!!
しばらく無言で湯船に浸かっていると、メイドが口を開いた。
「私を助けろ」
「はっ!?」
「今の女頭は偽物だ。というか地位を奪われた。あれは五日前に攫ってきたエリス・サザーランドという娘だ。あいつは化物だ」
「本当の話かよ? で、どういう経緯で地位を奪われたんだ?」
「恐らくエリス・サザーランドは七人の聖女の一人だ。聖女は誰もが人心掌握術を持っているらしいからな。神聖教会に発見されていないだけで、見つかれば神聖教会に連れて行かれる」
「うん? ならば神聖教会に密告するのが早いのか?」
いやいや、そりゃ……駄目……なのか?
盗賊に捕まってるんじゃなくて聖女認定されて、神聖教会に連れて行かれたのなら、問題解決なのか?
わからん。
「駄目だ。エリス・サザーランドは、盗賊を神聖教会の聖騎士と戦わせるに決まっている」
「イマイチ信用できないな。本当にお前はイーリッヒなのか? ただの性奴隷を騙しても何も出てこないぞ?」
「ふっ、性奴隷のくせに、やけに自我があるじゃないか」
「まぁな。って、話しを逸らすな。証拠、証拠」
大体、盗賊ギルドのケビルデが、女頭を見て何も言わなかったし、イーリッヒだと主張するメイドを見ても何も言わなかったのだ。
そもそもメイドが俺とエッチなことをする理由も不明だ。
何もかもが怪しい。
くそっ、こんなときにロジーナがいれば……。
「証拠は……ない」
「なら、性奴隷の俺に、どうやって助けてもらうつもりなんだよ?」
「お前の性技でエリス・サザーランドを虜にしてもらいたい」
「でも……ありゃ、処女だぜ? 何でアヒアヒなんて言ってるのかしらないけどな。それにもしも俺が聖女だったら、付か付いてくる奴全員に人心掌握術で悪巧みしてるか調べるけどな」
「確かにな……」
「取り敢えず、俺をエリス・サザーランドに合わせてくれ。それで事が動くと思う。だがその前に……」
エリス・サザーランドが人心掌握術を使い俺の計画を暴露させるなら、俺がエリス・サザーランドを助けに来た使者だと知るだろう。
しかし、何故エリス・サザーランドが、レッドスコルピオンから逃げないのか、それが不思議でならない。
その前に、このメイドをもう一度調べる必要がある。
「ったく、仕方ねぇな……」
お風呂の中だけど……。
《またまた時間が吹っ飛んだ。エッチしてしまったという事実だけが……結果だけが残ったというか、書けません!! そう、エッチな時間は消し飛んだ!! ”なろう”ではエッチは全て無意味となるのだッ!! そのようにこの世界を作る誰かが言っていた。勿論、ケージはそんなことは知らない》
だから知ってるって……。




