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性奴隷がゆく  作者: きっと小春
プロローグ
62/153

第62話 やっと半分、小都市リゼンダ

 あの後、もう一度だけとノディールにキスをせがまれて、長い時間抱き合っていた。


 人と上手に付き合えない辛さよりも、人と繋がり、想いを強く深く重く育てていく方が、よっぽど辛いんだなと初めて知った。


 俺みたいな……この世界で言えば、性奴隷が誰かを選ぶなんて恐れ多い。


 でも誰かと一緒にいたいし、誰とも離れたくない。

 できれば全員と一緒が良いのだろうけど、それは俺の勝手な都合なのだろう。


 ノディールの気持ちは複雑そうだけれど、「今は大丈夫にゃ」という言葉を信じるしかない。


 ノディールと別れ部屋に戻ると、俺を待っていたシーリスくんと合流して、食堂に向かう。

 くそっ。

 隣を歩くシーリスくんが可愛く見える。

 男の子に興奮するほど溜まってはないぞ!?


「ケージさん? どうしました?」


 背の低いシーリスくんなので自然と上目遣いになる。

 その表情や仕草も一流の可愛い系女子だ。


「な、な、な、何でも無いよ。はははっ」


《ふふっ。やはり夢の改ざんは効果覿面ですね》


 シーリスは、ケージの夢に侵入して、自身の可愛い姿をガンガンアピールしていたのだ。

 勿論、夢の中で最後までしてしまえば、現実世界においてケージはシーリスを心から愛してしまう。

 しかし、シーリスは操作された愛ではなく、ケージ自らがシーリスの良さに気付き……。


《そう……。こ、告白して……欲しいのです♥》

 

 シーリスは、いつものようにケージの腕に絡み付く。

 護衛としていざというときに対応が遅れてしまうが、密着するメリットもあったりするのかな? などとぼーっと考える。


「離れるにゃ!!」


 シーリスを無理やり離そうとするノディール。

 それに参戦しながらもケージに密着しようとするロジーナ。


 はっ!?


 こ、これって……ハ、ハーレムじゃねぇ!?


 俺は凄いことに気が付く。

 し、しかし、異世界に来たからって、何の努力もなしに何故モテ期に入ったんだ?

 ご主人様は俺の性技に惚れたのだろう。

 しかし、こいつらには何もしてないぞ?

 まぁ、多少色々あったが……。


 ◆


 馬車旅は順調そのものだ。

 亀Xは途中で何処かに行ってしまった。

 まぁ、居なくなってせいせいしているが。


 馬車馬を休ませるため、バレッテェリアのほぼ中間に位置する小都市リゼンダで1日の休憩となる。

 馬を変えて早く行けよと思わなくもないが、この世界の人たちにとって1日など誤差にしか過ぎないのだろう。

 それでも早く行きたいのならば、この街から出る馬車に乗り換えるか、そもそも乗り合いではなく、チャーター便のような馬車を使うべきだ。

 俺としては、早く行っても……なぁ、って感じなのでどうでもいい。


「う〜ん……。このまま世界を旅するのも良いかもね」

「はい、はーい!! ケージさんが行きたいのなら、ボクも行きます!!」

「シーリスは帰れにゃ、ケージには私とロジーナが付いて行くにゃ」

「世界、一周、行く」


 意外な程にノリノリだな。

 でも、ご主人様とソフィアさん、それに元ストリートチルドレンの三人組エデン、ネム、アンを放ってはおけない。


「まぁ、任務に失敗したら考えるか」


 俺は雲一つない青空を見上げて呟いた。

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