第48話 信じる言葉
やっと引っ越し作業が終わりました。
慣れないノートパソコンのキーボードなので、意味不明な文字が何処かに紛れ込む場合があります。
ロジーナは無言でいきなり神言教の信徒であるアルディアの眉間を狙ってボウガンの矢を放つ。
しかし、ノディールは、その矢を右手で掴んで止め、同時にアルディアの腹に蹴りを入れる。
「ロジーナ、殺しては駄目にゃ。こいつには冒険者の事を聞くにゃ」
アルディアは自分の腹に治癒魔法をかけながら立ち上がった。
「くそっ。この悍ましい獣人共め!!」
元々、戦闘タイプではないアルディアなのだが、傲慢さ故に会話を楽しみながらジワジワと追い詰めることが大好きであった。
しかし、この脳筋共は会話など無用とばかりに、攻撃をしかけてくる。
アルディアは焦った。
こんなことならば、遠距離から魔法で捕縛してしまえばよかったと後悔していた。
「冒険者は無事?」
「ふっふ。俺を攻撃すれば……アイツラの命は無い!!」
「ノディール姉、こいつ嘘つき。冒険者は全滅」
ノディールは、決してケージの前で見せない殺意に満ちた表情で、アルディアにゆっくりと近づく。
「お、おい!? や、止めろ!! ひ、ひぃ!? た、助けてぇ!!」
「待つコン。こいつを殺せば、この世界から出れないコン!? 奪われた命、せめて俺達のために使うコン」
「そ、そうだ!! その化け狐の言う通りだ!! お、俺を殺せば帰れないぞ!!」
敬虔な信者のアルディアは窮地に立たされ、自分の命を失うかもしれない状況の中で神言教の経典に書かれた一文を思い出す。
”時に正義は闇に足を踏み入れる。しかし、正義は正義で終わらなければならない”
この解釈を今に当てはめると、このままこの獣人達をこの世界から戻してしまっては、神言教の名に傷が付いてしまう。
元の世界に帰るよりも、自分の命よりも、神言教の教えに従うべきだ。
真言教は狂っていると言うが、神言経典により誰もが平等で正しいのだ。
こんな素晴らしい宗教など他にはない!!
戻るために集めてマナは既に瘴気に変換済みだ。
これを世界の壁にぶつければ元の世界への道が開くだろう。
しかし、今は……この眼の前の獣人共を殺すことが重要なのだ。
「いでよ!! 悪魔よ!! そしてこの者たちの魂を食い尽くせ!!」
◆
「なっ? 誰だ? ボクを呼ぶなんて……。もう!! 勘弁して欲しいな」
今は合同でワイバーンを討伐するために、エキュレという宿場町で宿泊中だった。
人族として生活しいるため悪魔業はお休み中なのだ。
「もう……仕方ないな……。場所は? 異世界? ちょっと楽しそうだね。ボクの力の1/4でいいかな?」
この場から姿を消すわけにもいかないため分身を送ることにした。
別に全力で無くても問題など起こり得ないだろう。
「一応、姿を変えておこうかな……。死神の格好でいいかな?」
死神の分身を異世界に転送したシーリスは、再び目を閉じた。
「早く、ワイバーンを討伐して、ケージさんに会いたいな♥」
いけないと思いながらも下腹部に手が伸びていってしまった……。




