第45話 ラストへ向かう前の一休み
ぐぅ〜っと、ノディールのお腹が元気に鳴る。
「ノディールママじゃない、姉、ご飯探しに行く」
「わかったにゃ!! きのこの森を探索するにゃ!!」
座りながら携帯用のボウガンを展開し組み立てていたロジーナは、ノディールにニコリと笑顔を送る。
ロジーナがノディール手を差し出すと、ノディールはロジーナを引っ張りあげて立たせた。
ノディールは、神言教と冒険者たちの事をロジーナに離すべきか考えた。
しかし、ここは何処かも聞いてこないロジーナのことだ。
恐らく強がりながら必死に恐怖と戦っているのだろうと、ノディールは、余計なことを言わないようにと心に決めた。
「ノディール姉、多分、このきのこ食べれる」
そこかしこと生える巨大なきのこ。
ロジーナは鑑定眼で食べられると確認した。
「にゃ? で、でも……。肉が食べたいにゃ」
「わかった。最終手段はきのこ」
◆
ソフィアは暖炉の薪が爆ぜる音で目を覚ました。
もう窓の外を見て、明け方かとため息を付いた。
結局、アンナさんもケージたちも帰って来なかった。
クエスト中に問題が発生しているのならば、わざわざ冒険者ギルドの受付嬢であるアンナさんに言いに行くまでもない。
それでも中級冒険者として、ケージくんのために何かできる事はないのかと、今すぐに屋敷を飛び出していきたい気分であった。
しかし、同様にエデンたちも大切な家族になっていたソフィアは、ただみんなの無事を祈るしか無かった。
◆
アルベリットは半壊した幽霊屋敷内で魔法陣を見付けた。
「これは……獣人語、しかも金色狐族の文字。そして、これは……幻想世界への転移魔法陣?」
何故、こんな魔法陣が人族の屋敷の中に描かれているのか、アルベリットには理解できなかった。
また瘴気がどこから発生しているのかも、現時点では掴めていなかった。
「こんなとき、ペチタがいてくれたのなら」
ペチタの存在を近くに感じてしまっていたアルベリットは、つい二人で過ごしたあの頃を思い出し、ペチタに甘えたくなってしまっていた。
ペチタならば、この少ない情報の中から最適な解を導き出すのだろう。
「駄目ですね、全く。もうペチタには迷惑をかけられません」
アルベリットは瓦礫に腰を掛ける。
あのときも、こんな状況の中で……偶然に出会った私に「任せておけ、笑顔にしてやる」と言って、ペチタは手を差し伸べてくれた。
でも私の所為でペチタは大事なものを失ってしまった。
友も、名誉も、金も、何もかも。それでもペチタは真っ暗で先の見えない闇の中を一緒に歩いてくれた。
そして、悪魔との出会いが……私達の運命を大きく変えてしまった。
もっと違う方法があったのかも知れない。
ペチタの……ハーフエルフ族の長い寿命が尽きるまで、一緒にありふれた日常を歩んでも良かったのかも知れない。
それぐらいの寄り道なら……。
見失いかけてものをペチタが教えてくれていたのに、私は……早くこの世界から消えたいと願った。




