第37話 ケージ式ナンパ術
少しだけナデアさんのマナが体に流れ込んできた。
どうにか死ぬ一歩手前で踏みとどまったらしい。
性奴隷になれば多少はマナがもらえると思ったけど、一か八かの賭けであった。
それにしても、まさか俺がミニチュア・モンスター・メーカーの魔物で、ミニチュア・モンスター・メーカーの創り出した魔物が破壊されると、これほど窮地に陥るとは思いもしなかった。
「ありがとうございます、ご主人様」
あっ!
性奴隷としての効力が発揮されているのか。
自然とナデアさんをご主人様認定して、しかも口調まで変わっていた。
ロジーナの場合は自動で口調が変わらないと言っていたけど、俺の契約と違うのだろうか?
ご主人様は、赤面していた。
俺の過去を……。この世界に来てからの全ての記憶を強制的に共有する。
そして純粋無垢な処女には想像も絶するエロの世界を目の当たりにすることになるのだ。
「か、体が火照って……こんな事初めて。私が……こんなにいやらしい女だったなんて」
ご主人様は自身の胸などを触り体をくねらせている。
《時間が吹っ飛んだ!!
エッチしてしまったという事実だけが……結果だけが残ったというか、書けません!!
そう、エッチな時間は消し飛んだ!!
『”なろう”ではエッチは全て無意味となるのだッ!!』と、この世界を作る誰かが言った。
勿論、ケージはそんなことは知らない》
性技に関してはSSS級のケージ。
そんな技の数々を生身で受けてしまえば、アンナ・ハーリンが危惧していた通り、性の……ケージの虜となってしまった。
「ケージくん♥」
いや、しかし瀕死の状態からエロが細胞に満ち溢れている状態にまで復活するとは!!
致命的欠損コアも完全修復されているようだ。
死にかけたためか、今の俺はミニチュア・モンスター・メーカーの内部の状況も把握できるようになっていた。
しかし、ノディールやロジーナを差し置いて、出会ったばかりのご主人様とエッチな関係になったと知れたら……。
怒ったり、悲しんだり、するんだろうな……。
ちょっと後ろめたい気持ちだ。
新しいご主人様は、赤髪のショートボブで基本困り顔の15歳。
素っ裸のご主人様に服を着せて、今後の事を相談する。
「出口は、あそこだけです。しかし、その先にはケイブバットの索敵もくぐり抜ける魔物が潜んでいます」
「ねぇ、もう一度、魔物を行かせてみて。今度は物理攻撃無効なウィル・オー・ザ・ウィスプを。それでまたやれれちゃったら……へへ、また♥」
脱出かエッチか。
どっちが本当の目的何だかわからないが、それ以上の案はない。
俺はウィル・オー・ザ・ウィスプを創り出して、部屋の外へ向かわせた。
◆
「にゃ、にゃんだ、ここは!?」
ノディールは巨大なきのこの笠の上にいた。
そこは見渡す限りのきのこだらけだった。
そしてノディールのすぐ側にはぐったりとしたロジーナの姿が。
「おい!! 生きているのか!? こっちだ!! 早く来い!!」
地面の下の方から声が聞こえる!?
警戒もそこそこにノディールはロジーナを脇に抱えると、声のする方、つまり巨大なきのこの下に飛び降りた。
飛び降りた先には、幽霊屋敷を掃除していた冒険者たちの姿あったが、いくらさがしてもケージの姿は見当たらなかった。
「どこに行ってしまったにゃ……」




