第36話 新たなるご主人様、逆指名!!
呼吸、上手く出来ない。
ゼェ、ゼェと意識しながら息を吸い込む。
額には嫌な汗が流れていた。
「ご、ごめんなさい。私には治癒魔法がないの」
「だ、大丈夫、そんな顔しないで……」
苦しみながらも、部屋の外で起きた現象を整理する。
ケイブバットの索敵に引っかからない魔物がいる。
だけど、この部屋には入ってこない。
その理由が、部屋に気が付いていないのか、入れないのかもわからない。
「ケ、 ケイブバットが……外に出たら……ナデアさんは……ケイブバットを見失った?」
「うん、この部屋と、あのドアがない出入り口から先は、別な空間なのかも」
しかし、ミニチュア・モンスター・メーカーが作った魔物が殺されると、ここまで身体的にダメージを受けるなんて知らなかったな。
あれ……。
視界が歪む。
ヤバイ、俺、死ぬのか?
《
ミニチュア・モンスター・メーカー:Lv1
◆残エロ値:4/130
◆状態:
コア破壊による修復処理実行中。
エロ値不足のため創生維持中のコアに
影響有り、消滅まで残り45分
◆創生維持中コア:
・佐藤 慶次(人族・16歳・♂)
◆致命的欠損コア:
・ケイブバット(魔物・3歳・♀)
》
はっ!?
俺自身が ミニチュア・モンスター・メーカーで創られた人間なのかよ!!
じゃ、誰の能力なんだよ、ミニチュア・モンスター・メーカーは!!!
悔しくて涙が出てきた。
俺は俺じゃなかった。
それにミニチュア・モンスター・メーカーで作った魔物に対して、愛情だの礼節だの何も感じたことはない。
つまり、俺を作った誰かもきっと同じようなんだって。
俺が消えても……悲しくないんだろうな……。
「ケージくん!? どうしたの? 大丈夫?」
「ふ、服を……お腹の奴隷烙印を……」
「服を脱がせればいいのね?」
ナデアさんは恥ずかしそうに俺の上着を捲った。
「俺を……ナデアさんの性奴隷にしてください。そうしないと……俺、死んじゃうみたい」
「え? でも……ケージくんは、アンナ・ハーリンさんの……」
「もう違います。嫌かも知らないけど、一時的なんで……お願いします。きっと性奴隷にすれば、俺の過去も把握できるから……説明するよりも早い……。お願いだ。ナデアさん、俺、死にたくないんだ!! もっと、あいつらと一緒にいたいんだ……。ゴボッ!!」
内臓が腐りだしたのか、吐血してしまう。
ナデアさんは、迷っているが尋常じゃない俺の様子に、どうすればいいか聞いてきた。
「奴隷烙印に手を、置いて……。それだけ……」
奴隷烙印は入れ墨であり魔法ではない。
だから消えてないし、残っているのだ。
性奴隷にするための詠唱などは烙印に刻まれているため、主人が認定されていない状態で、手を触れれば性奴隷の契約が自動で完結するはずだ。




