第34話 トラップドーン!!
「雰囲気あるな……」
下手な遊園地のお化け屋敷なんかより、よっぽど背筋が寒くなる。
どうして人が生活しない建物は朽ちるのが早いのだろうか。
ちなみに屋敷の大きさはエリス・サザーランドちゃんのお屋敷と同じくらいだ。
「俺達は屋敷の中だ」
荒れた中庭を通り過ぎて、屋敷に入る。
勿論、屋敷の中は真っ暗だ。俺は光源として、ウィル・オー・ザ・ウィスプをミニチュア・モンスター・メーカーで創り出した。
『正面ヲ照ラシマスワ』
俺の顔の向きに合わせて、ウィル・オー・ザ・ウィスプが動くらしい。
「ケージ、たまには役立つ」
まぁ、先に神言教の信徒が屋敷内に入ったので、俺は安心感して屋敷内に足を踏み入れた。
中央玄関を中心に左右対称で三階建ての屋敷だ。
各階に4パーティーの掃除部隊が投入される。
俺達はニ階の右側担当だ。薄暗い廊下を歩きながら、ノディール達を怖がらせてみることにした。
「お決まりのパターンとして、仲間とはぐれてしまい……再会したときには、取り憑かれてたとか……」
「何の話にゃ? 早く窓を開けないと、埃っぽくて……ごほん、ごほん……」
「簡単な構造、迷子ありあえない」
むっ? リアルお化け屋敷に恐怖を感じていない!?
あれれ? 俺だけが怖い?
これは……日本に生まれ育った弊害なのか!?
廊下の窓と雨戸を片っ端から開けていくノディール。
太陽の日差しが屋敷内の取り込まれ、古くも立派な作りと、そこに積もった埃が顕になった。
もうひとつのパーティーも廊下の窓を開け、近くの部屋に入っていく。
そして、もうひとつのパーティーのリーダーである剣士のアンデルが掃除の分担について提案してきた。
「あのさ、ケージ。俺たちは、玄関側の部屋から掃除してくから、ケージ達は奥の部屋から玄関側に向って掃除してきて欲しい」
「うん、わかった」
一階に食堂や水回りがあるみたいだし、寝室は三階ぽい。
二階って、何の部屋があるんだ?
そんな疑問を抱きつつ入った奥側の部屋は、とても広い部屋でパーティーなどに使われる大広間だった。
その床には、血で描かれたような大きな魔法陣があった?
「あ……。見ちゃ駄目なやつだ」
「ケージ、何してる!! 逃げるにゃ!! あれは……」
魔法陣が鈍い光を放ち始め、屋敷はまた闇に包まれた。
「イテテ……」
体中から痛みを感じた。
そして、誰かの手に触れた。
ノディールの肉球ではないし、ロジーナにしては大きい。
え?
真っ暗闇の中から、聞いたことがある声がした。
「大丈夫ですか?」
この声は、アンデルのパーティーメンバーではない。
来る最中に話しかけてきた……俺が勝手に認定したシーリスファンクラブの女の子だ。
名前は知らない。
それよりも俺を守ってくれるノディール、ロジーナと離れ離れになってしまったのか?
「ほ、他には誰かいるのか?」




