第31話 揮発性エロエネルギー
「どんな感じだ?」
「細胞の一つ一つに、私の拳より大きなマナ……違う、エロが宿ってる」
「そんなに大きなマナ……じゃなくて、エロだと!?」
「うん、エロ」
ロジーナとペチタさんの冷たい視線が痛い。
「ケージ、この石を握り潰してみろ。今のお前なら簡単なはずだ。ロジーナへの揉みはそのまま継続だ」
掌より大きな意思を渡される。
こんなもん無理に決まってるだろと投げやりな感じで握ってみたら、なんと簡単に石が粉々に砕けた。
「へっ?」
驚く俺に、ペチタさんは説明を始めた。
「お前の力の源はエロだ。マナを力とする、この世界の生物とは異なる。そして、その力は……今朝話した悪魔と同等か、それ以上だ。全く以って恐ろしい……」
「だけど戦闘中に、エロは無理」
「ロジーナの言う通りだ。しかし、これでお前が剣技が上達せず、性技が神がかりな理由が解明された訳だ」
「ケージ、ポンコツ。でもロジーナが守る」
「ポンコツ言うな!!」
プンスカな俺を放置して、ペチタさんは次なる実験を開始する。
「では次の実験だ。ケージはロジーナの胸から手を離せ、ロジーナはケージのエロがどんな感じで消えるか観察しろ」
俺がロジーナの胸から手を離すと、ロジーナは「あっ、消えた」とすぐに呟く。
「なるほど。揮発性のマナじゃない。エロか。これではエロを事前に溜めておくことが無理だな。これでまた仮設が証明されたな。ケージ、お前……性奴隷の契約が消えているだろ?」
「えっ!?」
肯定すべきか否定すべきか悩む。
「まず胸を揉むという行為、つまり性的な意味だと知りながらロジーナに触れることが出来た。
それは主人へ反逆行為であり契約の反である。
つまり性奴隷の契約が消えている証拠。
また治癒魔法が一般より効果が薄いが、全く効果が無いわけではないこと。
どういうことかと言えば、治癒魔法は細胞に宿るマナに干渉して治癒する魔法だ。
それと同時に治癒魔法は一時的に細胞へマナを譲渡する魔法でもある。
傷や病で細胞に宿るマナが減っている場合を考慮してのこと。
そのためケージにも多少の効果があった訳だ。
つまりケージは細胞に宿るマナに干渉する魔法は効果が薄いことになる。
性奴隷の魔法は強力なため、治癒魔法よりも細胞に留まる時間が長かったのだろうが、流石にもうケージの細胞に留まるだけのマナは残っていないため、性奴隷の契約は失われたのだ。ケージも何となく気が付いていたのだろ?」
「は、はい……。でも、ご主人様には言わないで欲しいです」
「まぁ、気まずいからな。いろいろと」
「はい。察して頂き……ありがとうございます」
「それと、グレディアの治癒魔法が、お前に絶大な効果を発揮する理由は……もうわかるな」
「わかります……。結局、俺って……。ロジーナの言う通りポンコツなんですよね」
「戦いに関して言えばそうだな。しかし、お前にはお前の戦い方がある。体力や筋力を向上させる訓練は今まで通りに、今後はより実践を……お前の能力を考慮した訓練を取り入れる」
「ありがとうございます」
「という訳で、お前は一人で出歩くな。必ずロジーナかノディールに付き添ってもらえ」
「任せろ、守る」
「おう、ロジーナ、よろしくな」
脆弱な理由がわかった。
それだけでも進展ありだ。
兎に角、俺は戦いに向いていない。
これはハーレムを作って守ってもらえということなのだろうか?
「あの件は大丈夫?」
「定期的にエロを入れるから問題ないだろう」
うん?
何の話ですか?
俺が自分の脆弱な力を憂いていると、ペチタさんとロジーナは何やら怪しげな会話をヒソヒソとしていた。




