第30話 牛と乳揉み
五人で冒険者ギルドへ向って歩いていると、周囲から浮く異様な存在がスキップで近づいてきた。
「あら、ボーイ♥ その可愛こちゃん達はだ〜れ?」
考えてみると、化粧の濃い筋肉ムキムキのグレディア(ミノタウロス族・29歳・♂)さんが、冒険者ギルドに来ているところ見たこと無いな。
あぁ……意味はどうでも良いか。
「昨日は助かりました。あっ、そうそう、この子です。名前はノディール。きっと気に入るとおもいます」
俺はノディールの背後にまわって、ノディールをグレディアさんの方に押し出す。
「ちょっ!? 何なのにゃ、この化物は!?」
「あら、嫌ね。化物じゃないわよ♥」
「よく聞け、ノディール。このグレディアさんは、お前と友達になって、デザートバイキングに行きたいらしいのだ。勿論、奢りで」
「にゃ!? デザートバイキング!! 待て、待てにゃ。騙されにゃい!! デザートバイキングの店は、貴族じゃないと入れニャイ!! 行きたくても行けニャイ!!」
「あら、詳しいのね。そうよ。でも安心して♥ 私は、グレディア・セラム・アルトバーン。領地なしの男爵なのよ♥ 私の連れなら問題なく入れるわ」
「お貴族様にゃ!?」
「今からどうかしら?」
「行くにゃ!!!!!!!」
「おい、バカ猫、クエストは?」
「二人に任せたにゃ!!」
グレディアさんとバカ猫は意気投合し、腕を組みながらスキップで消えていってしまった。
「なら、ケージ、私とつき合え、そこのナガミミ兎族、確かロジーナだったな。お前も一緒だ」
ペチタさんは、ワイルドに親指でこっちだと、案内を始めた。
「じゃ、私はギルドに戻るわね」
「そうだった。すっかり忘れてた。日が昇っているが護衛するぞ」
元ご主人様を冒険者ギルドに送った後、ペチタさんのアパートに連れ込まれた。
「ケージについて調べたいことがある。ロジーナは、ケージが異世界から来たことをアンナから聞いているはずだ」
「えっ? ロジーナ……知ってたの?」
「聞いたけど信じてなかった。ケージの口から聞けて、やっと信じた」
「ロジーナ、これを飲め」
「これは……鑑定眼を強化する薬……」
「そうだ。それでケージの力を有無を確認して欲しい」
「わかった、飲む。不味いけどケージのため」
グビグビグビと、不味そうな何かを目を瞑って一気に飲むロジーナ。
何か、すまんな。
そして、しばらく時間を置いて、ペチタさんは言った。
「ではロジーナは、ケージの細胞内のマナを観察するように。ケージ、ロジーナの胸を揉め」
「はっ?」
「これは実験だ。何も疚しい事なはない。ロジーナも問題ないな」
「うん。どんどこい、ケージ!」
「後で変なふうにからかうなよな、特にノディールには言うなよ。俺、蹴り殺される」
「わかった。何も言わない」
俺は……ロジーナに触れた。
いや、揉むとか言ってたな……。
ムニュっと手に力を入れる。
チラリとロジーナの顔を見れば、少しだけ恥ずかしそうに、でも気丈に振る舞おうとしていた。
しかし、鑑定眼が何かを捉えたのか、ロジーナの目が見開いた!?
「ケージ!? 凄い!!」




