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性奴隷がゆく  作者: きっと小春
プロローグ
28/153

第28話 押し潰されそうな気分の中で

 感覚が麻痺し始めている。


 俺の周りで人が死に過ぎているのだ。


 本当は、それほど疲れていないため歩けるのだが、ノディールの背中にいた。

 何だかホークの事を聞くのが不安で、安心を感じられる背中にいたいのだ。


「なぁ、ホークって奴しってるか?」

「ホーク? ホークがどうかしたにゃ?」

「お前、ホークと付き合ってるのか?」

「にゃ!? 誰がそんなことを言ってるにゃ!?」

「真面目に答えろ。付き合ってるのか? そして好きなのか?」

「も、もしかしてケージも私を狙ってるにゃ!?」


 真面目に考えていればいるほど、ノディールとの会話は苦痛なのだ。


「もういい。あのな。ホークは死んだ。それだけだ」

「……ケージが殺したにゃ?」

「違うけど、まぁ、そんなところだ」

「そっか、ケージが無事なら良いにゃ」


 それ以上、ノディールは何も聞かなかった。


 何となく、こうなることを察していたのだろう。

 いや、察していたら俺を守れよ!!

 殺されかけたんだぞ?


 殺されかけた……思い出したら、無性に怖くなった。

 震えが止まらない。

 震えていることはノディールにもバレてしまっているだろう。


 俺はこの世界に来て、初めて帰りたいと思った。



「はぁ、私の唇を奪って、私の彼氏を殺したんだから、もっと胸を張って欲しいにゃ」


 先に唇を奪ったのはお前だろ?

 それに彼氏じゃねーんだろ?


 頭で思っていても口に出せる程の余裕がなかった。




 家に帰ると冒険者ギルドに行くまでの時間、いつものように眠る。

 俺の至福の一時なのだが、何故かロジーナが添い寝している。


「昨日、部屋に来た。あのときの話、本当?」


 こ、こいつ……起きたのかよ!?

 メランコリックな気分で、つい、元の世界のことを話しちまったけど……。


「うん。だけど誰にも言うなよ。ロジーナだから教えたんだぞ」

「わ、私だから……?」

「それと、昨日はごめん」

「うん、もう良い」


 ロジーナは何故か俺の腕にぎゅっと抱きついてきた。

 その腕に当たる僅かな膨らみでも、この殺伐とした殺し殺されの世界に落ちた俺にとって……オアシスだった。




「きゃぁぁぁっ!? ロ、ロジーナ!? な、何してるにゃ!?」


 ヤバイ。


 俺を起こしに来たノディールに添い寝シーンを見られたしまった。

 しかも運が悪いことに、俺の隆起したアレをツンツンと指で突っついているロジーナを見てしまったらしい。

 お、俺は……知らないぞ!?

 本当に寝てたんだからな!!


「意外と硬い」

「はい、ロジーナ、アウト!! 出ていきなさい。ノディール、先に連れて行って」


 ロジーナとノディールの出ていった部屋で、もやもやしている気分を追い出すように顔をペンペンと叩く。

 そして着替えながら鏡の件を思い出した。



 居間に居たソフィアさんに尋ねる。

 やっぱり疑問は一番まともなソフィアさんに聞かないとね。


「ねぇ、ソフィアさん、何で何処にも鏡がないの?」

「「「「「「えっ!?」」」」」」


 ソフィアさんだけじゃなく、ノディール、ロジーナも、それよりエデン、ネム、アンでさえ驚きの声を上げた。

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