第100話 バカ猫の決意
100話目です。
ノディールが動き出しました。
神聖教会の聖地アルゲオアルブムからの脱出部分はカットです。
兎に角、ストックがない。残り1話となっています。
不味いぞ!!
ケージが死んでしまったとき、ノディールはただ一人、その場に居られなかった。
それがどんなに辛いことか……。
ご飯を目の前にして食べるなと言われるよりも、辛い……。
だから、一刻も早くケージの会いたいのだが……。
「何で付いて来るにゃ? 脱出するまでの契約だったにゃ」
ちょっと不機嫌なスレンダーキャット族のノディール。
理由はずる賢く腹黒いエリス・サザーランドが苦手だった。
エリスのおかげで、洗脳されずに逃げ出せたのは感謝している。
しかし、エリスは完全に自分を護衛として認識していた。
「もう! 同じ聖女じゃない。仲良くしましょう!!」
「嫌だにゃ。エリスは怖いにゃ」
ストレートに言われてしまい、流石のエリスも目を見開く。
「で、でも……。こんな荒野で一人にされたら、私……死んじゃうわ。私の力なんて、人心掌握術だけだし……」
エリスは泣き出してしまった。
まさか泣かれるとは思わなかったノディールは焦ってしまう。
「わ、わかったにゃ、でも……。私を騙そうとしたりしたら、絶対に許さないにゃ」
「うん……。絶対にしない……」
本当ならば、ケージいるフロント大陸へ泳いででも行きたかった。
しかし、方角も距離も何もわからない。
「取り敢えず、近くの街を目指すにゃ」
しゃがんでおんぶの格好をすると、エリスは恥ずかしそうに近づき、ノディールの背中に自分の全てを委ねた。
エリスを乗せたノディールは疾風のごとく荒野を横断する。
ノディールはまるでロジーナを背負ってる気がしてきて、何だかほっこりした気分になる。
「あの、ノディール。私……友達って作ったこと無いの……。で、できれば……友達になって……」
蚊の鳴くような声は、風切音で消されてしまった。
しかし、エリスはもう一度、ノディールに言う勇気もなく、その想いを胸の奥に追いやった。
だがスレンダーキャット族のノディールには聞こえていた。
でも友達とは言葉でなるものではにゃい!! 自然となるものにゃ!! とエリスには答えなかった。
ノディールの頭上には、ケージの創り出したミニチュア・モンスター・メーカーのエンシェントドラゴンが飛んでいる。
ケージの居場所を尋ねても『知リマセンワ』としか答えない。
まぁ、ノディールもエンシェントドラゴンもおバカで、エンシェントドラゴンは今現在ケージの居場所を知らないだけで、エンシェントドラゴンにケージ場所を探せと命令すれば良いだけなのだが……。
そんなノディールの状況だが、ノディールはケージに再会したら、素直に”好き”と告白するつもりだ。
聖女である自分が勇者の子を産めるかなんて知らない。
誰も答えを持っていないのだ。
もしも、他人にケージを譲って産まれてきた子が勇者でなかったら、きっと後悔するだろう。
自分が産んだ子が勇者じゃなかったら……その時は、自分が邪神と戦えば良い。
そんな覚悟をノディールは持っていた。
もう大好きな人への想いをココロの奥に押し込めたりしないにゃ。
そんなことしても、何も変わらなニャイ!!
何度もケージを失い……それでも奇跡のように運命の糸は繋がっていた。
きっと凄い距離があるはずのフロント大陸へ、こうして一歩ずつでも近づいているにゃ。
つまりケージに近づいている……だから、ココロの奥からドキドキが聞こえてくるにゃ。
もう”カクレンボ”する子供じゃニャイ!!
《大好き》と、はっきり言おう。
あれれ?
エリスには友達は言葉じゃないと言いながら……。
ふふっ。でもね、エリス……違うの!
ケージもきっと私のことが好きだから……にゃ!!
勝手に妄想を膨らませるノディールの体温は急上昇する。
おんぶされているエリスはきっと走ってるからねと勝手に勘違いしていた。




