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黒豹王の物語 ◇第一部~序章~◇  作者: 種広交明
はじまり

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#021「ブレイクタイム4~ファンクラブ<衝撃の定例報告会!>~」

ミニエピソード集~ブレイクタイム~


『闇アモン様ファンクラブ』


なる衝撃の推し活部隊の存在が判明したのは#012でのことであった。


そして・・・それはケイラスの口から語られた。



ケイラス「アモンは戦闘状態に入るとほとんど別人になります。

 まるで、戦闘時だけアモンの中に存在する戦闘の神が表に出て来たかのような・・・

 実は・・・そのことで思わぬ影響が出ていまして。


 普段の明るいアモンと、戦闘時のアモンとのギャップがあまりに大きいことから

 心を射抜かれる者が続出中なのです。」



“千年パズル”が無くとも、闇の人格をその身に宿すアモン・・・。


そう、この戦闘状態の言わば『闇アモン』の脅威については、

先日、アモンがレグスを伴い街案内した同日に

初めて手合わせをして

体験することになったのであった。



この度は、

その『闇アモン様ファンクラブ』の内情について、

ここに書き記すこととする。



そもそもの話だが、

アモンは一見するととてもお偉いさんには見えないが、

軍部の中でもかなりの地位である。

そのため、下級兵や中級兵ならば、

アモンを見かけることすら滅多にない。


以下がファンクラブ会員によるアモン様に対する認識である。


・希少度大 :通常アモン様を見かける


・希少度絶大:通常アモン様と会話する


・希少度爆発:闇アモン様を目撃


・希少度昇天:闇アモン様に厳しい口調で叱られる




そしてここに・・・

非常に稀有な『希少度昇天』を体験した男がいた。


何を隠そうこのファンクラブの創設者にして会長である!!


その体験で雷に打たれたこの男は、

前代未聞のファンクラブ(非公認)の設立を決意したのである。

はっきり言って、軍の規律を乱す行為として厳しい処罰を受ける可能性すらあったが、

本人は一命を賭す覚悟であった!


そして今月も、

ファンクラブの中でも会員番号一桁台の通称「ナンバーズ」と呼ばれる面々しか

参加を許されない「定例報告会」が、

とある物置倉庫の一角でひそやかに開催された・・・


会員番号1番・創設者・会長「さあ、皆の者。

 今日もよくぞ集まってくれた!

 今月の当ファンクラブの『定例報告会』を始める!


 まず、副会長。

 今月の会員数の推移は?」


会員番号2番・副会長「そうですね・・・。

 まあ微増といったところです。」


会長「そうか・・・まあ増えているならばよい。

 では経理担当から報告を。」


会員番号3番・経理担当「はい。

 やはり一番人気のグッズは“板スタ”ですね。

 これを鎧に忍ばせて戦地に行くと

 生きて帰還できると、

 お守り効果としても大変好評な様子で。」


そう・・・

なんとこのファンクラブ、

本人に無断非公認でグッズまで販売していたのである!!

現代のアクスタならぬ「板スタ」が大人気なのだ!

木製の板にカッコいい闇アモン様の勇姿を描いた木片は

お値段も手頃でお守り効果もあると、

出征する会員にとっては定番アイテムなのだ。


ちなみに、

販売相手は軍人のみで、

しかもファンクラブ会員のみである。

今なら、新規入会特典でグッズどれでも一点3割引きとのこと・・・。


ここで、少しアモンの認知度について触れておくと、

実のところ、

神速しんそくのアモン』

などと言われているのは軍部の中だけの話なのである。

庶民でもよほどの情報通ならば知っている可能性もあるが、

一般に広く知れ渡っているわけではない。


その理由は明白で、

まだアモン自身に

華々しい戦功というものがないからだ。


実のところ、

アモンは既に何度か戦地に行っているし

戦ってもいる。


敵兵士の一部は、

見た目からは想像を絶する強さに驚愕したに違いないが、

それ以上のことはまだ無かった。


会長「そうか・・・。

 定例報告会とは言っても今月もあまり変わらんな。


 他に何もなければ、かたっ苦しい報告は終わりにして、

 それぞれの目撃情報などを共有し合おう。」


会員番号9番・グッズ資材管理担当「あの・・・

 会長。」


会長「ん? どうしたグッズ担当。」


グッズ担当「それが・・・

 判断のつかない“とある報告”が上がってきておりまして。」


会長「とある報告?」


グッズ担当「はい・・・。

 先日、会員番号79番が、

 偶然街中でアモン様を見かけたと。」


会長「なんと!

 アモン様は近頃王城の中にいて、

 全く外で見ることがないと言われていたはずでは?」


グッズ担当「その通りです。

 しかも・・・

 その・・・」


会長「しかも?

 一体どうした!」


グッズ担当「一人ではなく、

 見たこともない大男と一緒だったと。」


会長「!!!

 なっ!

 何者なのだその男は!?」


グッズ担当「分かりません。

 アモン様が軽装なのはいつも通りだったが、

 その男も同じような軽装だったと。」


会長「軽装・・・。

 しかし等級の低い兵士が、

 アモン様と行動を共にできるはずはなかろう。」


グッズ担当「アモン様と一緒に街中を歩くその大男が何者なのか?

 79番も何とか手がかりを得たいと尾行したとのこと。」


会長「ふむ・・・79番グッジョブ!!」


グッズ担当「その・・・

 アモン様がまるで恋人とデートでもしているかのように

 終始楽しそうだったと・・・。」


会長「は??? 今なんと申した?」


グッズ担当「しかも・・・

 何故かは分からないが、

 途中で『腰をクネクネ』させる謎の動きをしていたと・・・」


会長「あ・・・

 こ・・・し

 くね・・・

 くね・・・

 ガクッ」


会長はあまりの衝撃に絶命した!!


経理担当「会長ーーーー!!」


・・・ ・・・


副会長「・・・会長は・・・

 うっ・・・

 たった今!

 殉職されました!」


ファンクラブの支柱ともいえる会長の最期に、

一同の嗚咽が止まらない。


副会長「ご臨終です。

 会長のご遺志は、

 我々が継承するのです!

 この灯を絶やしてはなりません!」


会長「う・・・」


会員番号4番・広報担当「ん? 今会長の声が?」


なんと!

会長はあの世から舞い戻って来た!!


副会長「会長!!

 生きておられたのですか!?」


会長「なんの・・・

 これしき・・・・

 グハッ!」


会長は吐血している。


会長「して・・・

 報告の続きを話せ。」


グッズ担当「は・・・はい!

 それで、79番が確認したところによりますと・・・

 その後二人は、そろって王城に入って行ったと・・・。」


会長「なんだと!?

 今現在、王城の入出は制限されているだろう!

 その大男も一緒にか!?」


グッズ担当「はい。

 間違いないそうです・・・。」


会長「と・・・

 いうことは。」


皆と目を見合わせて、

そして皆がうなずいた。


会長「間違いないな。

 その男、

 誰なのかは知らぬが、

 名のある・・・

 または相当な地位にある者に違いない。」


副会長「会長・・・

 そうなるとここはやはり・・・。」


会長「ふむ。

 これ以上詮索すれば我々の首が飛ぶやもしれぬ。」

 『触らぬ神に祟りなし』だ。」


副会長「会長・・・

 いつも通り賢明なご判断かと。」


会長「しかも・・・

 我々は非公認。

 あまり大っぴらなことをせず

 静かに活動し続けるほかない身だ。


 とりあえず、その79番には褒美をやって欲しい。

 よくやってくれたと伝えておいてくれ。」


グッズ担当「分かりました。」


副会長「しかしその男・・・

 アモン様とどういう関係なのか?」


会長「親? 兄弟? 親戚?

 知り合い?

 はたまた・・・

 例え“恋人”だったとしてもだ!」


副会長「しても!?」


会長「今王城に入る権限があるということは、

 それなりに身分の保証されている男ということ。

 どこの馬の骨とも知れん男にアモン様を奪われるぐらいならば・・・」


副会長「か・・・会長・・・

 あなたという人は!」


会長「皆の者!

 思い出せ!

 我々が最初に願うことはなんだ!?」


一同「ははっ!

 アモン様の幸せと健康であります!!」


会長「声が小さーーーい!

 もう一度!!」


一同「アモン様の幸せと健康であります!!!」


会長「もう一度!!!」


一同「アモン様の幸せと健康であります!!!!」


会長「もう一度!!!!」


一同「アモン様の幸せと健康であります!!!!!」


皆が目に涙を浮かべながら大合唱した。



これは・・・

極端な二面性を持つ一人の少女に心奪われた

純朴な青年たちの青春?

物語である!!



会長「もう一度!!!!!」


一同「アモン様の幸せと健康であります!!!!!!」



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