#015「ブレイクタイム2~黒豹ライダー見参!!~」
ミニエピソード集~ブレイクタイム~
その日、俺はその道具を使ってある一つの夢を叶えようとしていた。
老若男女皆が憧れる『変身』という夢である。
その道具とは!
女神がおそらく四次元ポケット?から出したであろう便利な道具
『豹変ペンダント』である!
部屋の壁にかかっている鏡に向かい立ったレグスは
首からあのペンダントをぶら下げていた・・・。
父が特撮ファンだった影響で、
幼い頃から英才教育を受けていた俺も
すっかり特撮の虜となっていた。
小さい頃は、よく父と並んで変身ポーズをしたものだった・・・。
レグス「え~っと・・・確か○○ライダーの変身は
こうやって腕をまっすぐ伸ばして
円を描くように回して・・・
ひょうーーーーへん!!
おおーー!!
すごい!
確かに陛下が言っていた通りの男性の頭だ!」
この異世界に来て以降初めて、自分の頭が獣から人間になったことに深く感動した。
もっともそう見えているだけ・・・なのだが。
レグス「ん?
しかしちょっと待て・・・
何かが違う・・・。
そうか!
特撮ヒーローの変身といえば人間から非人間になる所にかっこ良さがある。
だがこの道具は、むしろ非人間の獣頭を隠すための道具・・・
ということは、この人間の姿の時に変身ポーズを決めれば
黒豹の頭に変わる!」
そう。
この豹変ペンダントの本来の使い方とは逆で、
元の黒豹の姿に戻る時に変身ポーズを決めることで
爽快なヒーロー気分を味わえるはずなのだ!
『変身解除という名の変身』である。
レグス「そして台詞もあの変身に近づけたい!
ただ、“ひょうへん”という言葉を必ず入れないと変身できない。
う~~ん・・・
そうか!
これでどうだ。
こくひょうーーーーへんしん!!
おおーー!!」
【黒豹 変身】
別々の言葉だが、これをつなげると「豹変」という言葉もちゃんと含まれている!
完成した・・・ついに。
叶った・・・子供の頃からの夢
ヒーローへの変身が!
男は泣いた。
レグス「なった!
俺は『黒豹ライダー』になったんだーーー!!
うおーーーーー!
まだだ!
ここまで来たらもう一つ!
変身後に『トォーッ!』と高くジャンプすれば
もっとあの変身に近づける!
ではもう一度人の姿になって
ひょうへん
よーーし!
やるぞ!!
悪は許さない!
いざ!!
こくひょうーーーーへんしん!!
トォーッ!」
ドゴーーーーー!!!
レグス「あいたーーー!!」
???
はて・・・一体何が起こったか?
変身を決めた後、あまりの爽快感で天にも昇る気持ちで
勢い良く上にジャンプしたのだが・・・
彼は大事なことを一つ忘れていた。
自分の体が超人的な黒豹王の体だということを!
豹の驚異的な跳躍力を持っている彼の体は
頭から天井に激突した!
何の落ち度も無いはずの天井は
哀れにも豹頭の突進を受けて、
一部がボロボロに崩れてしまい床に落下した。
レグス「あ・・・・ああっ!
えらいこっちゃーーーー!!」
せっかく夢叶い喜んでいたのも束の間
レグスはそそくさと床を掃除し始めた。
翌朝・・・
いつものようにアリスが部屋に来たが・・・
コンコン
ガチャ
アリス「失礼いたします。
おはようござキャーーー!!
なっ!なんですかこの天井!!
一体どうされたんですか!?」
すぐにバレてしまった。
レグス「うむ。実はな・・・」
「変身ポーズをしていたら天井に頭から突っ込みました。」
などと言えるわけもなく、
とりあえず剣術の基礎練習を部屋でしていたら手が滑った
ということにした。
アリス「そうでしたか・・・。
修理しなければいけないので
担当者にお伝えしておきます。」
レグス「うむ・・・大変申し訳ない。」
そして、アリスはいつものようにブラッシングをしていると
頭にとても大きなたんこぶができていることに気づいた。
アリス「うわっ!
なっ、なんですかこのたんこぶ!
一体どうされましたか!?」
以下同文・・・。
↓
レグス「うむ。実はな・・・」
「変身ポーズをしていたら天井に頭から突っ込みました。」
などと言えるわけもなく、
とりあえず剣術の基礎練習を部屋でしていたら手が滑った
ということにした。
アリス「本当に気を付けて下さいね。
とりあえず手当てさせて下さい。」
レグス「すまない・・・頼んだ。」
本当にすみません・・・。
果たしてアリスは何の手当てをさせられているのか?
あなたが手当てしている傷は変身ポーズの暴走による物です。
そう思うと余計に申し訳なくなってくる。
【黒豹ライダー】にとっては、
ヒーロー史上最もかっこ悪い
散々なデビュー戦となってしまったのである・・・。




