40話
「帰レト言ワレテ帰ル奴ナドイナイワ。」
オークはそう言うと、短剣に手を当てそして一気に引き抜いた。
「その短剣は、俺のだ。返せよ。」
「ワハハ、敵ニ武器ヲ返ス馬鹿ナドイルわけ無イダロウ。」
やばいな、敵に武器が渡ってしまった。
と、思ったがオークは、短剣をすぐに足元に落とした。
なんだか、様子がおかしい。
どうやら短剣を勢いよく抜いた時に、動脈でも切ったようだ。
赤い液体がダラダラと流れ出し止まる様子が無い。
刺さっている刃物を無理やり抜くと血が出て止まらなくなると言う話を聞いたことがある。
あれは、どうやらオークにも当てはまるようだった。
オークは膝を地面に付き、短剣が刺さっていた場所を押さえている。
しかし、手で押さえた程度では止まらないようだ。
魔物と言えど、生き物だ。血を抜かれると命にかかわるようだ。
「ウゥゥゥウアア、貴様アアァッァ短剣ニ毒デモ塗ッテタカァアアァ?血ガァアアァ止マラナイィィ。」
「そんな物は塗ってない。それは俺の技だ。敵の急所に短剣を刺し出血によるダメージで相手を追い詰める技で技の名前は出血ファイヤーだ。」
もちろん、嘘である。
そんな、技など存在しない。
反撃に出るにも、逃げるにしてもオークがパニックになっている今がチャンスだろう。
ここは、トドメを刺しにいこう。
結局この辺で狩をする以上近いうちに、戦わなければならない時がくる。
あと、こいつの肉も今夜の宿代の足しになりそうだしな。




