36話
「恨みが無くても食べたいか。それは困る。僕はまだ生きたい。」
「安心シロ、痛イノハ、一瞬ダケダ。」
「一瞬でも駄目だ。僕は痛がりなんだ。メランも、そうだよな。」
「私はねぇ、痛がりじゃ無くてぇ、食べたがりなんだぁ。」
「と言う訳で、逃げるわ。」
メランの頭を引っ張り逃げ出した。
痛いだろうが、許してくれ。
フォレストラビットの時みたいに、急に飛びかからなかっただけ、対処は取れた。
それがよかった。
今回は、逃げ切れるだろう。
あの手のデブモンスターは足が遅い。
ロールプレイングゲームやシュミレーションゲームのお約束である。
と、思ったらものすごい勢いで追ってきた。
そういえば、俺足遅かったんだ。
運動は苦手で、運動会のリレーでクラスに迷惑をかけ、マラソン大会でビリ争いをする。
そんな運動神経だった。
それに、ここ最近の農作業で体全体が疲れてる。
ぶっちゃけ元気な野生動物より足が遅いのは、必然の要素だった。
逃げ切れないとわかった。
受け入れたくないが、逃げるという選択肢を取ることができないようだ。
残る選択肢は、フォレストラビットを渡して見逃してもらう作戦。
よし、コレしかない。
俺を追い越し、回り込んだオークが言う。
「貴様ト、ソノ連テイル子供、ソレニフォレストラビットハ、旨イダロウナ。」
・・・全部食べる気ですか。そうですか。
仕方が無いので、短剣に手を添える。




