37話
「フフフ、ワハハ。ツイニ食ベラエル覚悟ガキマッタ用ダナ。」
「食べられる覚悟などない。貴様と戦う覚悟だ。」
かっこよく言い返してやった。
本当は怖い。
空元気でも出しておかないと空気に呑まれて動けなくなりそうだ。
足が震える。
手も震える。
ちびりそうだ。
ファンタジー世界に来て浮かれて、討伐クエストを受けてしまっただけの少年。
18歳は、青年かな?
そんな、俺に勝ち目は、あるだろうか?
普通に、考えれば勝ち目などない。
だから、勝つことを目的にせずに戦うことにした。
短剣を構える。
狙いは相手の体ではなく足だ。足を狙おう。
理由は簡単だ。
オークは、俺より速い。
それが戦う理由だ。
だったら、俺より足が遅くなる。
もしくは、歩けなくすればいい話だ。
だからこその足狙い。
「いくぞ、豚やろう」
そう叫んで、襲いかかった。
殴られた。拳で殴られた。
親にも殴られたけど。
顔はなしだろ、普通。
短剣をもって、襲い掛かった俺が言えた義理ではないが。
「ガハハ、ドウシタ。ソレガ本気ナノカ?」
「ふふふ、まだウォーミングアップ中に決まっているじゃないか。」
拳で殴るということは、オークは格闘技か何かを心得ている可能性が高い。
つまり突っ込んで短剣で刺すという、単純な作戦は通じない可能性が高い。
どうしたものか?




