1.9 陸攻の改良
軍令部から、時は少し飛ぶが1937年の渡洋爆撃で九六陸攻隊が戦闘機の迎撃による大損害を被ったことを受け、フネの防御やダメージコントロールが得意な私ならば飛行機も同様だろう、となぜか飛行機の防弾装備の開発を任されてしまった。
「しかし、飛行機は軽量化が全てだ。どの用に重量物の装甲板を搭載するかが重要ですな。」
「まずは、陸攻の巨大なインテグラルタンクの防弾から着手するべきだ。現場からは7.7mm弾でも1斉射すれば燃えると苦情が絶えませんぞ。」
「インテグラルタンクはいわば薄皮1枚で包まれている。その薄皮の内側に新たに自動防漏ゴムを装着する。」
「主任、自動防漏ゴムとはなんですか?教えてください。」
「自動防漏ゴムとは、ゴムの伸縮を利用して、被弾で穴が空いた部分を即席で塞ぐことが出来る。これを燃料タンクに装着すれば、被弾時に燃料漏れが発生しにくくなる…はずだ。」
「軽量化はどうするのですか?中攻の主要機体素材のジュラルミンでは少し厳しいですぞ。」
「今我が国で開発中の新型戦闘機用の超々ジュラルミンがあったはずだ。アレを使用すれば良い。」
「しかしなぁ…藤本主任、」
「どうしたのですか、源田さん」
「我々パイロットからすると、我々の身の安全も考慮してくれないと困るのですよ。防弾ガラスとコックピットにも防弾鋼板の搭載を要求したい。まあ、防護機銃を増設するほうがいいとは思いますけれどね。」
「防弾ガラスは、硬度の異なるガラスを複数枚重ねることでより防御力が高まると聞いたことがあります。それから、コックピットには15mm程度のバスタブ型の装甲を搭載するのはどうでしょうか??」
「火災に焼き尽くされてしまっては意味がないですぞ。消火装備に関してはどのような対策があるのですか!?まさか水をそのまま搭載するわけではないですよね?」
「炭酸ガスを噴射するのはどうだ?しかし、炭酸ガス単体だと、高速飛行時に火災の発生部分に吹きかからない可能性があるな。どうするべきだ?」
「炭酸ガスをエンジンや燃料タンク外装などの燃えやすい部分に指向性で炭酸ガスを吹き付けるというのはどうだ?燃料タンク周りの空洞にはエンジン廃棄を充填すれば燃えにくくもなるだろう。」
まず、1937年10月に試作初号機が空技廠に納入され、それからはどんどん増加試作機が製造され、計30機ほど増加試作機が製造された。




