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40.誘導

プロセスとそれ以外がごっちゃになっていたので括弧を訂正。

そしてもっと区分けをするべきかorz


 『運動』スキルを最大のレベル四で発動、俺を警戒している騎士の眼前まで一気に迫る。

 騎士がカウンターでメイスを突いて来たのをしゃがんで回避。右手で相手の左脇腹を引っ叩く様に振り、当たる直前で発動待機状態の風魔術を一発放った。収束された『突風』の魔術に吹っ飛ばされて、騎士はものすごい勢いで壁にぶつかる。そのまま床までずり落ちて、動かなくなった。

 雷にしなかったのは、魔術抵抗されるとダメージをほとんど与えられない可能性があったからだ。本人の能力にはなくても、騎士の装備にそういう類の付与がされている可能性も考慮したのだ。風なら、魔術抵抗されても物理的な作用は阻害されない。そして、肉体は鍛えているだろうから吹っ飛ばしても死にはしないだろう。

 「なっ……!?」

 王子が驚いているが、まだまだ続くよ。

 周囲の貴族ら──あやしいのでグランのおっさんも──視界に捕らえ、待機状態の雷魔術を連打した。

 おっさん以外は一発で崩れ落ちたのだが、おっさんは粘ったので追加で三発ぶち込んでダウンさせた。

 後は……一瞬だけ悩んだ末、王妃と王子と王女にもぶち込んだ。王子だけは喰らった後も逃げ出そうとしたので追加で五発ぶち込んでおいた。

 その間に、女騎士はセーナに取り押さえられていた。

 「むぅ……」

 「……凄まじいな。王女まで動けぬようにする必要はあったのかい?」

 国王は感嘆し、アルシャークに問われる。

 「確証はありませんが、王子の言動になんら反応していませんでしたので」

 まるで操られているみたいだった。何らかの精神系異常状態になっている可能性があった。

 そうこうしていると、部屋の外でガチャガチャと物音が聞こえてきた。

 扉が勢いよく開かれる。

 「何事でしょうか!?」

 騎士姿の男が五人、飛び込んで来た。

 「落ち着け。王子が乱心しただけじゃ。無事取り押さえたから控えておれ」

 国王の言葉に、騎士たちは──三人がいきなり剣を抜いた。残りの二人は何事かと驚いている様子。どうやら、剣を抜いた三人は王子に与しているらしい。

 「その者らを取り押さえよ!」

 国王の命令に、残りの二人は我に返った様子で剣を抜くと、先の三人に迫った。うち二人がそれに対応するように剣を振るう。

 残りの一人が国王に向かおうとしたので、俺が対応することにした。レイルたちは家族を守っているので動かない方がいい。

 まだ距離があったから、近づきながら、魔術抵抗の懸念は無視して雷魔術を連打した。

 案の定、命中はするものの大して効いていない様子。だが、完全に打ち消している訳でもないらしい。当たるたびに、一瞬体がビクンと反応している。

 動きを阻害する目的で、更に連打を続ける。発動間隔もどんどん短くしていく。脳内では『秒間十六連射!』とか囁いているけど、せいぜい秒間十二発くらいなんだが。

 騎士はビクンビクンと変な動きをしながら国王に近寄ろうとしていたのだが、途中でパキンと金属か何かが爆ぜた様な音がしたと思ったら、騎士が悲鳴を上げて倒れた。どうやら、魔術抵抗の魔道具が壊れたらしい。慌てて発動を止めたが、追加で十発以上喰らわせてしまった。

 残りの騎士二人も、背後から俺が雷を喰らわすと動きが一瞬止まるため、正常な騎士たちに取り押さえられた。


 「さて……一体どうしたものやら」

 国王がため息交じりにぼやく。

 「陛下。この者たちは、何らかの精神制御を受けている可能性があります」

 「いや……それは考えにくいのじゃがのう。城を出入りする者は、頻繁に簡易鑑定を受ける決まりになっておるのじゃ。異常状態にあるなら、どこかで露見する筈なのじゃが……」

 なるほど。一応、用心はしているみたいだな。だけど、その簡易鑑定の精度が判らないから何とも言えない。

 「その簡易鑑定の魔道具は、どの程度の物なのでしょう? この部屋の鑑定の魔道具ほどの精度はありませんよね? でしたら、ここで調べなおしてみるべきでしょう」

 「そうじゃな……」

 国王は賛同したのだが、

 「調べなおすにしても、魔力の補充をしなければすぐには動かせませんが……」

 白衣の女性に遮られる。そういや、この人は放置していたな。一応、大丈夫そうではあるが。

 「魔力が必要なのでしたら、私が補充しましょう。やり方を教えてください」

 鑑定の魔道具にも興味があったので、ついでに触らせて貰おう。

 白衣の女性に教えて貰い、操作盤に付いてる球形の水晶らしき物に手をのせ、力を籠める。

 装置に魔力が満たされ、術式が走るのが『魔術感知』スキルで知覚出来た。

 ……おや? 装置内の魔法陣が見えているぞ? ひょっとして、鑑定関係の魔法陣だったりするのか?

 「レイル、そこの女騎士を、中央の柱の間を通過させてくれ」

 俺の言葉に女騎士が抵抗するが、セーナが首筋に打撃を与えて気絶させた。

 レイルが女騎士を抱え、柱の手前から間に向けて軽く突き飛ばす様に放った。ガシャンと音を立てて床に落ちたけど、大丈夫かな。さっき吹き飛ばした騎士よりはマシか。

 今の通過でも鑑定は大丈夫だったらしく、装置内の術式が更に活発になる。別の魔法陣が起動していたのでそれも観察しておく。脳内では『ちぃ、覚えた』とか囁いてる。

 鑑定結果を見ると、何やら不穏な文字が散見された。

 「……この、『思考誘導』、『認識誘導』、『価値観誘導』って、何かご存知ですか?」


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