宇宙蟻地獄 YTC 低周波.033プロジェクト
「コージンありがとう、迎えに来てくれて」
「トリイちゃん教授って凄いことを考えているんだな」
トリイもエリア12に向かう時、初めて教授の次なる計画に今でも驚いていた。「コージン教授の依頼の件どうなってる?」
「時間がかかりそうなんだ。実際に工場で見て欲しんだ。」
少数精鋭での作業に遅れはあるものの全体としては順調に計画が進められていた。ただ肝心の教授の要望の部分を除いては。工場の設計室に入ったトリイ達に工場スタッフの1人が説明をした。
「トリイ様お疲れ様です。この度の依頼の件ですが、我々はYTC低周波.033としてプロジェクトをスタートさせました。惑星探査機に搭載されているレーダーは通常ですと、この星の恒星系で飛び交う電波ならばクリアに受信出来ますが、奴らの極めて特殊な電波となると、今のところ半径100km程度となっています。これを恒星系レベルまで引き上げなければなりません」
コージンが引き継いで話をした
「そこで、エリア12が独自に開発していた素材を試すことにしたんだ」
「本来ならば惑星探査機に取り付け宇宙空間に出て実証試験をしたいところだけどそんな時間はないだろ」
トリイはエリア12の開発技術の高さにまたも驚いていた。つまりトリイはおどろきっぱなしと言うわけだ。説明を終えたスタッフは自席に帰り作業を開始した。コージンはトリイを連れてエリア12を案内して回った。
「ここでも陥没は頻繁に起きている。あと少しの辛抱で、我々も救われる。トリイちゃんありがとう」
コージンの突然のお礼の挨拶に戸惑ったトリイだったが
「あともう少しだ」
と自分に言い聞かせるように言った。雑誌編集者程度の知識しか無いトリイには、特別知識があるわけではない、専門的な話はまるでわからなかった。なので、ミコトやゴングウジなどの深度の深い話になると困ってしまっていた。コージンの話もそうだった。いまでもなぜエリア12に来なければならなかったのか?コージンには悪いが、意味がないと思っていた。ミコトは、散布計画をゴングウジに、「YTC低集波.033プロジェクト」は、トリイとコージンに任せて身軽になっていた。その間フリーの時間を使い、次の計画実行についてサカキの所にいた。




