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宇宙蟻地獄  作者: 八味とうがらし
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宇宙蟻地獄 焦り

全エリアへのコーヒーへの成分配布が完了した。サカキ大臣がミコト教授へ依頼してから早くも〇〇が過ぎていた。サカキはミコトに一斉に飲むタイミングを確認した。

「いつにしたら良いですか?」

「散布は世界中の人々がコーヒーを飲んだのち一定時間をおいて一気に散布しなければならないのです。地下深くで人口密度の高いところへ移動しながら人間をエサにする為逆円錐型陥没を引き起こす奴らは、我々がコーヒーを飲むことによって餌を失い地上付近に出てくるはずです。そこを狙って一気に散布を開始します。この成分を嫌う奴等はこの星を一旦捨てて宇宙へと逃げてゆくでしょう。」「分かりました。でも我々に我慢できる時間は残されていません。1分でも早く作戦実行許可を出してください」

ミコトをはじめ、サカキも分かっているのだ、散布成分の完成を今は待つしかない事を。


その頃、ゴングウジは散布成分製造が宇宙アリジゴクの侵攻によって遅れている状況を何とか縮めるため、世界中のあらゆる工場に製造依頼をかけていた。本来の予定では、すでに出来上がり散布計画実行許可を待つだけのはずだった。しかし製造する為に人が集まった事が災いし、そのエリアに、逆円錐状陥没を引き起こすことにつながり、製造をする前に工場が巻き込まれてしまったのだ。ゴングウジは宇宙アリジゴクがどうして人間を感知しているのか不思議だった。「教授ちょっといいですか」教授の元にやってきたゴングウジは、ミコトに会うなり質問した。

「奴らはどうして、我々がいる所がわかるのでしょうか!今散布成分製造に協力してくれた工場が奴らの餌食となっています」

ミコトもその事には考えあぐねていた。ゴングウジがB惑星から持ち帰ったデータ、この星に最初に隕石が飛来してきてから今までのデータ全てを解析しても答えが見つからない状態だった。この星の在来種ウスバカゲロウは完全変態の昆虫であり、卵から幼虫になりこの星ではこの幼虫の事をアリジゴクと言い、アリジゴクが蛹となり、成虫のウスバカゲロウになるのだ。この星のアリジゴクはとても小さく蟻以外に危害を与える事はない昆虫だ。彼らは蟻の多そうなところに巣を作り、ひたすら蟻が巣に落ちるのを待っている。しかし宇宙アリジゴクは違う卵から幼虫になるが、卵の殻はとても硬く今の技術では全く歯が立たない。また幼虫になれば今現在の惨劇が物語っている。餌の多そうなところを探し、地下深くを高速で移動する事ができるようだ。そして餌場に着くと一気に地上を陥没させ地上の餌を食い尽くす。この状況を一刻も早く打開しなければならないのだが、あと一歩のところで問題が立ち塞がっていた。「光、熱、湿度、大気の流れ様々な事を検証したが、どれも当てはまらない。一体奴等はどうして我々を探し出しているのか?」

ミコトはゴングウジに話すわけでもなく1人つぶやいていた。それから数日がたった日の夕方空港にトリイがエリア3から帰ってきた。すでにエリア3での結果についてはミコトをはじめ皆連絡を受けていたので知っていたのだが、やはり期待された成果をあげる事ができなかった事実に、空港に出迎えてくれたミコトやゴングウジを前にトリイは肩をすぼめていた。

「トリイ君おかえり!どうしたんだそんなに項垂れて」

「トリイ大丈夫だよきっとうまくいくから、元気出せよ」

皆明るくトリイを出迎えトリイの労をねぎらった。トリイ達を乗せた車は一路ゴングウジの惑星探査機のあるスペースドックへ向かった。すでに宇宙ドックはセキュリティ2まで緩和されていた。セキュリティ2になると微弱電波を使った通信機はもちろんの事だが、あらゆるデータのやりとりが可能となる。全てメインAIが監視できるからだ。車中ではトリイが上空から見た地上の惨劇が海でも同じように起き、その穴に海水が滝のように流れ込んでいる事を話していた。

「早く計画を実行しないと・・・」

トリイは途中で言うのをやめた。チームイエローの宇宙探査機に搭乗するとゴングウジがメインAIに話しかけた。

「ok Google」

「からかわないでください。キャプテン」

ミコト教授とは、教授のスーパーコンピュータのデータのやり取りでいつも会話をしていた。

「久しぶりだなトリイ。気を落とすなよ大丈夫だよきっと見つかるから」

AIに慰められたトリイは微笑んだ。

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