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宇宙蟻地獄  作者: 八味とうがらし
21/37

宇宙蟻地獄 動議

「そこで先程の計画実行です。すでに世界各地に私たちが開発した成分データを転送してあります。エリアによってはあるコーヒーを飲まないエリアもありそこには改良した成分データが送ってあります。その後世界各地で一斉にそのコーヒーを飲むのです。飲んだコーヒーは消化されコーヒーに入れた成分は体内に残り体全体に行き渡り常駐します。コーヒーとこの成分が混ざる事でより強力な効果が発揮することがわかっております。コーヒー以外のドリンクでの摂取するエリアにつては2杯を同時に飲み干していただきます。その上で全世界同時にこの成分を改良し空中散布します。散布方法は今ある全ての惑星探査機を一度呼び戻して一気に散布します。改良された成分は大気に反応してわずか2週間でこの星全体を覆い包みます」

説明がおわり、一礼をして自席に帰るミコト教授に、首相が

「未確認の仮説に惑星探査機を呼び戻すなんて馬鹿げている。全ての人々にコーヒーのませておけばいいじゃないか」

すくっとサカキが立ち上がり、全閣僚が揃っている前で

「私サカキは大臣の権限により首相を解任動議を全閣僚の皆様に提案します」

本来首相を解任できる権利は大臣にはないのですが、この星では、首相が大臣を任命罷免でき、大臣は首相に対し大臣総意での解任ができることとなっている。この法案が出来て以来初めての事だった。

「閣僚の皆様この場をお借りしてこの動議について挙手にて賛否をお願いいたします」

サカキにとってもある意味賭けであった。1人でも否決すればこのミコト教授の宇宙アリジゴク排除計画は中止になり、自らも大臣の職を解かれてしまうのだから。

「ミコト教授この動議の証人として密室でない事をご協力願います」

「わかりました」

「では大臣の皆様改めまして首相の解任をするという方挙手願います。」

本日の会議に参加した大臣は総勢30人。サカキはこの動議をこの場で出すことなど全く考えていなかったがこのまま首相の保身対応に付き合っていては星が滅びてしまう事を最優先に考え、咄嗟に口をついて動議を出してしまった。首相の言うようにミコト教授のこの度の計画には仮設とは言え不明確な部分が多すぎることもあったが、今はこれしかないのだトリイの生還という現実に全てを賭けるしかなかったのだ。会議室は一切の物音がなくなり静寂に包まれ誰もが様子を見ているようだった。

「サカキ、キミは自分の言ったことがどういうことなのか分かっているのかね」

首相が沈黙を破りサカキにプレッシャーを与えた。そのプレッシャーは他の大臣にも伝わって渋い表情をする大臣もで始めた。

「ミコト教授が説明した事をしなければこの星に未来は無いのです。奴らが成虫になってしまえば、より沢山の宇宙アリジゴクが全宇宙から飛来し、我々は人間はおろか、野生動物や草木などすべてが吸い尽くされ、最後には星のエネルギーまでもが奴らの栄養になってしまいます。この星の衛星にあるクレーターは宇宙アリジゴクが星の生物やエネルギーを吸い取り、衛星を必要としなくなったため宇宙ウスバカゲロウとなって星を巣立った後と考えられます」

ミコトが捕捉的に説明をした。

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