宇宙蟻地獄 期待
ゴングウジはチームイエローの宇宙探査船のシステムの一部を起動させ、ミコト教授のところから持ってきたデータを入力した。こうする事によってミコト教授が発見した物質のデータ分析を機内でもできる。その上ミコト教授の家にあるスーパーコンピュータとも連動させる事が可能となった。探査船の周りはいまこの星の最高セキュリティの6で完全にまわりからの侵入を遮断してあるため教授のコンピュータへの相互アクセスは今のところできない状態だった。
「トリイそろそろ教授のところに行こう」
システム入力が終わると2人はスペースドックを後にした。そこへ2人の電話が不在者着信があった事を知らせた。
「サカキ大臣からだ」
ゴングウジが電話を折り返すと、サカキがその後の会議のやり取りを話し、今日中に決断を求めた事を話した。物事が動き出すとはこう言う事なのだ。
ミコトは今後の事に想像を巡らせていた。ミコトは
「宇宙ウスバカゲロウをこの星から追い出す事はなんとか出来ると。ただ彼らを退治となると・・・」
ゴングウジとトリイがミコトの家に着いた。
「2人ともお疲れ様」
ゴングウジとトリイが会議での出来事を話し、サカキ大臣から会議後連絡があった事など全て話をした。
「トリイ君ひょっとしたら、君はこれから忙しくなるぞ」
トリイはすでに覚悟を決めていたので、何を今更教授は言っているのだろうと思っていた。
翌朝大国から昼過ぎに行くと。教授の家に泊まった2人は教授と一緒に大国の話を聞いた。
「ミコト教授、やはり教授の言われる様に、何度か似た現象がこの星では起きているようです。これを見てください。」
大国も徹夜を当たり前のように時間を使って資料をまとめていた。大国が言うには、すでに認識されていた資料だったそうだ。ただ何のことかよく分からず後回しになっていたと言う。今回宇宙ウスバカゲロウのワードが全てを紐解いたとの事だった。大国の解析によると、この星に人類が登場してから数万年が経つが、奴らが飛来するのは約千年に一度。時代が進むにつれ奴等の滞在時間が長くなっているようだと説明していた。
「時代と共に人口増加が起き、近代化によって奴等の嫌う毒素が薄れて行った事によるのかの知れないな。」
ミコトが大国の資料を元に自らの考察を言った。
「大国さんの資料によって奴等の行動が分かりはじめましたね。」
トリイが教授のお株を取る考察を披露し、誰もが笑った。
「トリイ君その通り。この行動がもし何かの周期であるならば、今まで全く無敵と思われていた奴等のウイークポイントを見つけることができるかもしれないな。」
突然ゴングウジの電話が鳴った。大臣のサカキからだった。昨日の首相の決断についてだった。首相によるとこの星の2つのエリアについては首相の話をエリアへの越権行為だと言ってきているのだとか。大臣のサカキを全権大使としこの度の決定を理解させる為に現地に行く事になったのだとか。
「トリイお前、大臣と一緒に行って来い!」
ゴングウジが電話を切るとトリイに言った。ミコトも大国も納得顔でトリイを見た。
「ええええええええ!」
流石のトリイもこれにはいささか、いやものすごく驚いた。
「早速、忙しくなってきたなトリイ君」
「後は宇宙物質学に詳しい方の参加と、チームイエローのクルーの選抜ですね。チームイエローのクルー1人は決まっているので、後惑星到着後の探索システムのオペレーターが必要となる」
ゴングウジがミコト教授に何気に言っていた。
ゴングウジはトリイを大臣のサカキが待つ空港へ送っていった。トリイは未だになぜ自分が行かなければならなくなったのか訳がわからなかった。
「ゴングウジ何でオレなんだ?」
「それはお前がオマエだからさ。ウン!」
「オレが俺?なんだそれ」
「さぁな。それよりも、何かあったらすぐに連絡して来いよ」




