宇宙蟻地獄 首相
ゴングウジとトリイの説明は簡単なものだった世界の拠点にこの宇宙ウスバカゲロウが嫌う物資の化学式を受け取らせ、早急に各地で製造し、全ての人に摂取させると言うものだった。もし化学式の受け取りを拒む地域があればそこは早急に滅びると。考古学の大国の研究がこの脅しの事実を物語っている。協議会を終えミコトの研究室へ行く前に、ゴングウジはトリイを連れて大きなスペースドックへ向かった。急接に親しくなった二人はゴングウジ、トリイと呼ぶ様になっていた。トリイこっちだ。セキュリティ6のゲートを通るとそこにはチームイエローとペイントされた宇宙探査船が整備を終え何時でも出発できるよになっていた。トリイが宇宙科学雑誌の編集者であってもセキュリティ6のゲートを潜るのは無理な話なのだ。初めて見る実物の宇宙探査船の迫力に流石のトリイも驚きを隠せなかった。
「ゴングウジこんな宇宙船を操縦できるのか?」
ゴングウジはトリイの驚きを気にも止めずトリイに機体の中へ来るようにタラップの上から声をかけた。
会議が終わり首相とサカキと二人が残った。
「それで、今度は大丈夫なんだろうね」
「各エリアの権利を一方的に停止させる事はどんな事になるのか君もわかっているはずだ」
「首相そんな事を言っている場合では無いですよ。あなたの決断がこの星を救うのですよ」
首相は未だこの侵略の本当のことを理解していなかった。首相のあまりにも日和見的な発想にクセが出てしまったサカキは、続けて語気を強めて
「時間がありません早急に行動を!」
そう言い伝えるとサカキは退出しようと部屋の戸を開けたところで、
「たぶん今日一杯ですよ待てるのは」
そう言い残して部屋を後にした。この星は全てが一つの政府によって政治が執り行われている。ただ各エリアには頭ごなしの施策をよしとしないエリアも数カ所だが、あった。日々問題もなく自転と公転を繰り返す星の様に過ぎ去る生活の中では何も感じない問題が、一つの大きな要因でその問題が一気に頭をもたれてくる。サカキ大臣は部屋を出るとすぐに電話手に取った。2つの電話番号にかけたが、どちらとも電波が遮断されたエリアにいる様だった。




