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COMIC-MAN  作者: ゴミナント
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ハイウェイ・バトル

仮面ライダーエグゼイドのOP、カッコいいですよね。特にエグゼイドがバイクに乗って走り出すシーン。あれ見たらバイクアクション書きたくなって。

 バスの上から飛び降りつつ、強烈な飛び蹴りをホースイマジネーターに叩き込む。敵は両手でキックを弾くが、俺は着地と同時に後ろ蹴りを放ってホースイマジネーターを蹴り飛ばした。

「ウオーッ!!」

 蹴り飛ばされたホースイマジネーターが、まさに馬のような雄叫びを上げて突撃してくる。人間とは比べものにならないほどに強靭な四本足を巧みに操り、強烈なパンチを叩き込んでくるが、俺はその一撃を真正面から受け止める。

「ぜりゃああああ!!」

 そして柔道の要領で足を払い、掴んだ腕を思いっきり引いて背負い投げをする。しかし、ホースイマジネーターは常人では考えられないような柔軟性を見せる。投げられている真っ最中に腰を思いっきり逸らして足を地面に着地させ、驚いて思わず手を放してしまった俺の顔面にキックが叩き込まれる。

 かなりの衝撃で思わず後ずさるも、何とか持ち直して目の前に手をかざす。そして全身が燃え盛るイメージを整えると、新しい強化形態ファイヤーコミックマンへと変身する。

「燃えた!?」

 両拳に炎を纏い、ホースイマジネーターにラッシュを叩き込む。強くなった、というイメージを形にした姿だからか、いつもよりもパワーが出る。

 これならやれる。そう思った俺は渾身のパンチをホースイマジネーターに叩き込み、敵は大ダメージを負って高速道路のコンクリートに身体を投げ出した。

「すっげー…」

 俺の後ろで誰かが呟く。確かに、この光景は傍から見れば『すごい』の一言で片付くかもしれない。どけど、これはテレビの中の特撮ヒーロードラマでもなければ遊園地のヒーローショーでもない。誰かに危害が及ぶ前に、こいつをとっとと倒すかみんなを逃がすか、それとも戦う場所を変えなければ。

 選択肢は三つ。だが、最後の二つは色々と面倒だ。この封鎖された高速道路のどこに逃げ込めばいい。サービスエリアは遥か先だ。かと言って場所を変えようにも、下手に動けばこいつがみんなを襲いかねない。

 やっぱり、ここでさっさと倒しておくしかない。全身の炎を激しく燃やし、起き上がったホースイマジネーターに近づきながらもう一発パンチを叩き込む。今度はホースイマジネーターも防御の姿勢に入っていたが、炎が籠った俺のパンチをただ止めるだけじゃ意味はない。

「ぐうああああっ!?」

 俺の拳を通じて炎が燃え広がり、ホースイマジネーターは両手を抑えながら倒れ込む。次第に薄れていく悲鳴もあって、これ以上の抵抗は無いなと思った俺はトドメの一撃を放とうと左腕のボードブレードに手をかける。

「終わりだ」

「まだだぁーっ!!」

 不意打ち気味にホースイマジネーターが両拳を振り上げててきた。その一撃をくらって吹き飛んだ俺は何とか体勢を整えて立ち上がるも、そんな俺の目に入って来たのは三台のバイクに乗った黒服暴走族たちだった。

「やれえ!!」

 ホースイマジネーターの合図と共に、ここに居る人たちごとまとめて吹き飛ばさんと黒服暴走族たちは一斉に銃火器で攻撃してきた。

「くっ…!!」

 ファイヤーコミックマンの炎を放って投げつけられた爆弾は全て空中で爆発させる。しかし、放たれた銃弾や投げられたナイフは防げない。

「うわあああああ!?」

 黒服暴走族たちの持つ銃の銃口を向けられ、皆が悲鳴を上げる。なら、俺の出番だな。

 炎に包まれていて近づくだけでも被害が出るファイヤーコミックマンを止め、本来のコミックマンに戻ってボードブレードを呼び出す。そして最大限まで巨大化させ、真横に倒して全員が隠れられるような盾にして黒服暴走族たちの攻撃から皆を守る。

「あ…」

 ヒカリは見ず知らずの少年を抱きかかえて盾になろうとし、誠も看板の裏側に子供や女性を避難させている。水城さんと滝先生は自らみんなの前に立って両手を広げている。皆、それぞれがヒーローだった。

「安心してくれ。俺は、アンタたちの味方(ヒーロー)だ」

 チラリと振り返ってそう言う。ぱあっと明るくなる少年たちの笑顔をバックにボードブレードを飛び越え、バイクに乗った三人とホースイマジネーターを睨み据える。

「お前ら!よそ様に迷惑かけるんじゃ無いって、親から習わなかったのか?」

「知ったことかよ!」

 今にもヒャッハー!とか言い出しそうな勢いで叫び、三台のバイクに乗った奴らが突撃してくる。もう一遍ファイヤーコミックマンに変身して全部焼き払うってのも手だけど、奥のはともかくこいつらは多分、ただの人間だ。それに、アイツらに既に大体ぶっ壊されてるとはいっても周囲には皆さまの労働の結晶である車などがまだ取り残されてる。やはりここは、最小限の範囲と被害で抑えるしかないな。

「ふっ…!!」

 意識を集中させ、接近してきたバイクの動きを読み取る。そしてすれ違いざま、一瞬の内にコミックマンの身体が細身にタイプチェンジ。サムライモードへと変身した俺は、強化された瞬発力と判断力、そして動体視力でバイクに乗った黒服暴走族たちの動きを先読みしてハイキックを叩き込む。

「うぐっ!?」

 吹き飛んだ一人はそのまま地面に落下して気絶する。まあヘルメットしてるし、心音にも異常は無いから死んじゃいないだろう。俺はそれを確認すると同時に乗り手を失ったバイクのハンドルを握って飛び乗った。

「はあっ!!」

 即座に俺のナノマシンがバイクに作用していく。フレームからエンジンにマフラーまで、バイクにそれ程詳しい訳じゃないけど、それでもイマジネーターが乗って暴れられるレベルのモンスターマシンに生まれ変わったのは分かった。

 俺は力技でターンを決めて方向転換する。そしてアクセル全開で速度を上げつつ、接近してくる残りの二機に真正面からぶつかっていく。

「ううっ!?」

 正面衝突を目の前にして一切の容赦や恐れを持たずに突っ込んでくる俺に恐れをなしたのか、二人がヘルメットの下で目を閉じて体重を移動させたのを確認する。

 今ならやれる。そう思った俺は咄嗟に両方のブレーキをかけつつ全体重を横に振る。バイクは派手な音を立てて横滑りを始めるが、俺は常人と比べて遥かに頑丈な膝で転倒を抑えつつ角度を調整。そして俺の想像通り、二台のバイクは俺のバイクのタイヤを踏んでそのまま空中に投げ出された。

「うわあああああ!?」

 当然いきなり空中に投げ出された二人は慌てるも、何かできる訳でもなくそのままバイク共々道路に叩き付けられる。ちょっと危ない落ち方ではあったけど、まあ自業自得だろう。

「やるな。コミックマン」

「最後の大掃除の時間だ。行くぜ!」

 ホースイマジネーターもバイクに跨り、アクセル全開で高速道路を突っ走っていく。俺もそれを追ってバイクを動かし、それと同時に皆を守っていたボードブレードを呼び戻す。

「あっ…!?」

 いきなり視界が開けて戸惑う皆。だけど、ヒカリたちは戦いに向かう俺に気づいて静かに頷いて見せた。

 正体がバレる訳にも行かない俺は何か言える訳もなく、無言で呼び戻したボードブレードを片手剣サイズにして左手に持つ。そして先に行ったホースイマジネーターを追うべくアクセルを回そうとしたその時だった。

「頑張って!!」

 ヒカリたちと一緒に居た見ず知らずの少年がそう言ってくれた。何だかむずがゆいような、照れくさいような気がするけど、うん。悪くない。これがヒーローって奴だよな。

 俺は何も言わず、右腕を高く掲げて見せる。そしてそれ以上は何もせず、バイクのアクセルを全開にしてホースイマジネーターを追いかけた。

 暫く全速力で走り、所々にある爆発の穴や放置された車を避けながら突き進んでいくと、やがて先を進んでいたホースイマジネーターの背中が見えて来た。

「追って来たか…随分と遅かったじゃないか」

「ヒーローはお前らと違って忙しくてな。この仕事も早めに終わらせたいんだよ!!」

 隣に併走し、チラリと睨みながら一瞬だけ車体をぶつけ合う。それを合図にお互い距離を開き合うと、まずホースイマジネーターが急激に速度を落として来た。なぜだ、と思うよりも早く、奴のバイクの前輪辺りから二発ずつの機関銃が発射されてきた。

「くっ!!」

 咄嗟に蛇行運転で回避する。しかし相手もイマジネーター。弾は無限らしく、あんな収納性の悪そうな前輪機関銃からは想像もできないほどの弾が襲って来た。

「ちっ!!」

 ここは賭けに出るしかない。ボードブレードをコンクリの道路に突き刺し、大量のコンクリ片が後ろに飛ぶ。ホースイマジネーターはそれらを鬱陶しそうに払うも、その拍子に機関銃掃射が止む。だが、速度が落ちたから後ろを取られている状況に変わりはない。

 なら、とボードブレードを起点にバイクを急転換させ、アクセル全開、全速力でホースイマジネーターに迫る。

「ウォーッ!!」

 奴も唸り声をあげてバイクのアクセルを吹かして突撃してくる。機関銃を掃射し、両腕に生やしたビームライフルを連射させるホースイマジネーターに、俺はボードブレード一本で勝負をかける。

「たああああああああああ!!」

 直撃弾だけを切り払い、着実に近づいて来るホースイマジネーターに狙いを定める。

 距離が次第に近づいていき、やがてすれ違う一瞬の内に俺はボードブレードを真一文字に切り払った。

 お互いのバイクが独りでに走る。そうして進むこと数秒後。俺のバイクが派手に爆発を起こして俺は高速道路に叩き付けられた。

「があっ…!!」

 背中から思いっきり落下して呼吸に詰まる俺。変身が解けて元の姿に戻り、未だ真っ直ぐ突き進むホースイマジネーターの背中を見つめる。

 そして、一瞬の後にホースイマジネーターは自身の乗っていたバイクごと派手に爆散するのだった。



 遠くから聞こえて来た爆発音に、私は思わず自分の手を握りしめる。

「アイツ、勝ったのかな…」

 犬飼君が茫然とした表情のままに呟く。その目は死んでいるも同然だった。私がその意味が分からなくて首を傾げていると、犬飼君が和也が姿を消した車の所を見つめて言葉に詰まったのを見て分かっちゃった。

「でもさ…ヒーローなら、なんでもっと早く…」

 違うの。さっきのヒーローが和也なの。そう言いたいけど言える訳もなく、どうやって犬飼君を誤魔化そうか私が悩み始めていると、ふと聞き覚えのある声が聞こえて来た。

「おーい!!」

「ん…!?か、和也!?」

「おーい!みんな、無事かー!?」

「お前がだろ!?なんで…!?」

 どこからともなく駆け寄って来た和也に、犬飼君だけでなく皆が詰め寄る。だけど和也はちょっと愉快そうに笑ってみせた。

「いやあ、気が付いたら逆側の道路に投げ捨てられてたんだ。お蔭で助かったけど、ずっと気を失ってたんだ。一体、何が起きたんだ?」

 いけしゃあしゃあと言い放つ和也に、私は呆れるやら疲れるやらで思わず項垂れる。そんな私を見て、和也はコッソリと口角を上げるのだった。

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