第18話 戦わない道
歴史上の偉人たちと、名もなき人々が“記憶”を武器に戦う物語です。
※本作には戦闘・死亡・一部残酷な描写があります。
橋を奪わなくてもいい道を作る。
言葉にしてしまえば、それだけだった。
だが、目の前では五度目の戦争が続いていた。
青い軍服の兵士たちが川へ向かい、緑の軍服を着た兵士たちが迎え撃つ。
銃声と砲声に、悲鳴が重なった。
七分ほど経てば、勝敗に関係なくすべてが元へ戻る。
そして、同じ兵士が何度でも死ぬ。
朝倉湊は丘を離れながら、スマートフォンの地図を確認した。
情報開示率は27%。
MINOR COREを王冠軍に奪われたため、危険区域や参加者反応は更新されなくなっていた。それでも、一度開示された地形情報は残っている。
川と石橋。その上流に、川幅が細くなっている場所が一つあった。
「ここ」
湊が指さすと、黒瀬凛が覗き込んだ。
「浅瀬?」
「多分」
「出た、多分」
牧野壮真がすぐに言った。
「じゃあお前が先に入れ」
「怪我人に冷たくない?」
「怪我人なら黙って休め」
「それも嫌」
桐生大地が、二人の間から地図を見た。
「距離は?」
「ここから一キロちょっと」
「行ってみるしかないな」
相馬源一郎が後方を見た。
無名軍は三十一人いる。
全員で川まで行く必要はない。大人数で動けば、それだけ目立つ。
「確認する人数を絞りましょう」
相馬が言うと、佐伯真奈が少し不安そうな顔をした。
「また分かれるんですか?」
「遠くまでは行きません。ただし少人数すぎるのも危険です」
相馬は少し考えてから続けた。
「私、朝倉さん、黒瀬さん、桐生さん、牧野さん、高瀬さん。六人で確認します」
壮真が自分を指さした。
「俺も?」
「残りたいですか?」
「行きます」
「では決まりです」
真奈が壮真の包帯を見た。
「無茶しないでよ」
「最近みんな俺にそれ言うな」
「無茶してるからでしょ」
反論できなかったらしく、壮真は黙った。
残る二十五人を真奈たちに任せ、六人は川の上流へ向かった。
歩いている間も、谷から銃声が聞こえていた。
六度目の戦争だろうか。
すでに七度目が始まっているのかもしれない。
湊は数えるのをやめた。
同じ戦争を何度見ても、慣れなかった。
戦闘記憶体は、本当の人間ではない。少なくとも、システムはそう分類している。
それでも、撃たれれば倒れ、苦しみ、助けを求める。
再構成されれば、何事もなかったように同じ場所へ戻るのだ。
「ねえ」
凛が歩きながら言った。
「本当に上手くいくと思う?」
「思ってない」
「即答?」
「試すだけ」
「もし青い方が別の道を使わなかったら?」
「次を考える」
「使っても戦争が終わらなかったら?」
「また次」
凛が湊を見た。
「変わったね」
「何が?」
「前なら、失敗しそうなことを自分からやらなかった」
湊は少し考えた。
そうだったかもしれない。
最初は、危険なものへ近づきたくなかった。歴史の英雄なんて相手にしたくなかったし、COREも戦争も、誰かに任せられるなら任せたかった。
「今だって失敗したくないけど」
「でもやるんだ」
「やらないと帰れないから」
「それだけ?」
湊が凛を見ると、凛は前を向いた。
「何でもない」
少し後ろで、壮真がニヤついていた。
「何だよ」
湊が睨む。
「別に」
「その顔やめろ」
「何も言ってないじゃん」
「顔が言ってる」
相馬が振り返った。
「静かにしてください」
「すみません」
二人の声が重なった。
その横で、高瀬蓮が少し笑った。
川の音が聞こえてきたのは、それから十分ほど後だった。
木々の間を抜けると、地図どおり川があった。
ただし、予想とは違っていた。
「浅くないじゃん」
壮真が言った。
湊も同じことを思っていた。
橋のある場所より川幅は狭い。だが、水量は多く、腰か、場所によってはそれ以上の深さがありそうだった。
流れも速い。
「固定情報だから」
凛が言った。
「地形は合ってても、今の水量までは分からないんだ」
湊は、MINOR COREを失った影響を改めて実感した。
地図は持っている。
だが、今の状態を知らない。
「渡れそうな場所探そう」
大地が上流を見た。
六人は川沿いを進んだ。
数十メートル、さらに百メートルほど歩いた先に、川底から大きな岩がいくつも出ている場所があった。
完全な浅瀬ではなかった。それでも、先ほどよりはましに見えた。
大地が近くの太い枝を川へ入れると、すぐに流された。
「強いな」
「渡れそう?」
凛が聞いた。
「一人なら何とか」
「私が渡らないと《ROUTE》にできない」
大地が凛を見た。
「流されたら?」
「その時考える」
「朝倉に似てきたな」
「やめて」
「そんな嫌?」
湊が聞くと、凛は答えた。
「そこじゃない」
大地は周囲を探し始めた。
崩れた陣地に、木材や古い鉄杭が残されていた。その中から、太い縄を見つけた。
「使える」
大地が縄を引き出した。
腐っている部分もあったが、すべてが傷んでいるわけではなかった。
「俺がこっちで持つ」
革手袋が光った。
《ANCHOR》。
足元へ淡い光が走り、大地の身体が地面へ固定された。
「向こうまで行ったら、反対側を固定してくれ」
凛が縄を腰へ巻いた。
「俺も行く」
湊が言った。
「私が通らないと意味ないんだけど」
「分かってる」
「じゃあ何で」
「一人で流されたらどうするんだよ」
凛は少し黙った。
「……一緒に流される?」
「助けるんだよ」
「できるの?」
「多分」
「多分ばっかり」
先ほどと同じ言葉だった。
でも、凛は少し笑っていた。
二人は川へ入った。
冷たかった。
流れは、思っていた以上に強い。
一歩進んだところで足を取られ、湊の身体が傾いた。
「うわ」
凛が腕を掴んだ。
「助ける側じゃなかったの?」
「まだ転んでない」
「今転びかけた」
「ノーカウント」
「何のルール?」
二人は、さらに進んだ。
膝までだった水が、腰の高さへ上がってくる。
岸では、大地が縄をしっかりと持っていた。《ANCHOR》で固定された身体は、流れに引かれても動かなかった。
「右!」
大地が叫んだ。
湊は右へ一歩進み、川底の石へ足を乗せた。
その瞬間、凛の足が滑った。
「っ!」
身体が流れに持っていかれる。
「凛!」
湊は腕を掴んだ。
自分の身体まで引かれ、縄が張った。
岸の大地が支える。
「そのまま!」
数秒間、湊は凛の手首を離さなかった。
凛も、湊の腕へしがみついていた。
「……大丈夫?」
湊が聞いた。
「そっちこそ」
「俺は平気」
「震えてるけど」
「水が冷たいだけ」
「私もそういうことにしとく」
二人は慎重に進んだ。
岩のある場所、浅い場所、少し深い場所。流れの弱いところを選びながら、少しずつ向こう岸へ近づく。
どこへ足を置き、どの角度で水に逆らったのか。
凛は、自分の身体で一歩ずつ経路を確かめていた。
やがて、対岸へ辿り着いた。
凛が土へ手をつく。
「渡った……」
湊も、その横へ座り込んだ。
全身びしょ濡れだった。
川の向こうから、壮真の声がした。
「いい雰囲気のところ悪いけど縄固定して!」
「うるさい!」
凛が叫んだ。
湊は笑い、対岸の木へ縄を固定した。
その後、相馬、蓮、壮真が順に縄を伝って渡ってきた。
最後に、大地が《ANCHOR》を解除し、慎重に川を越えた。
六人が対岸へそろった。
凛がICカードを握った。
「ここから」
先ほど、自分で確かに通った道だ。
――遺想能力《ROUTE》。
ICカードから、白い光が伸びた。
川の上へ橋が生まれたわけではなかった。
水は変わらず流れ、岩も深みも、そのままだった。
ただ、凛が足を置いた場所や、流れの弱い場所、身体の向きを変えた地点をなぞるように、白い線が川の中を通り、対岸まで続いていた。
「これ」
壮真が覗き込んだ。
「道っていうか」
「経路」
凛が答えた。
「ここを通れば、私と同じ場所を踏める」
湊も、白い線を見た。
危険な川そのものが、安全になったわけではない。
それでも、どこを歩けば渡れるのかが、一目で分かった。
「これなら」
湊が言った。
「兵士も渡れるかもしれない」
「問題は」
壮真が続けた。
「あいつらが、この道を使ってくれるかだな」
そのとおりだった。
六人は、戦場の方へ戻った。
今度は川の反対側、緑軍の陣地より上流の側だった。戦闘そのものからは、まだ距離があった。
湊は丘へ向かいながら、撮影した動画を確認した。
青軍が動き始めるとき、ラッパが鳴る。
蓮が拾ったのは、橋を奪い、敵を排除せよという命令だった。
「蓮」
「はい」
「もう一回、あの声聞ける?」
蓮はイヤホンを見た。
「分かりません」
「無理はしなくていい」
「やってみます」
耳へ入れたが、すぐには反応しなかった。
歩き続け、戦場が近くなる。
銃声が聞こえ始めたところで、イヤホンが微かに光った。
蓮が立ち止まった。
――遺想具共鳴反応。
「聞こえる?」
蓮は目を閉じた。
しばらくして、口を開く。
「……橋を」
全員が黙った。
「橋を確保し……」
蓮が息を吸った。
「本隊の渡河路を……確保せよ」
目を開けた蓮を見て、湊が言った。
「橋が目的じゃない」
「え?」
「渡河だ」
湊は地図を見た。
青軍は、川を越えたい。
橋を奪うのは、そのための手段だった。
「だったら」
凛が川へ伸びる白い経路を見た。
「別の渡河路があればいい」
「どうやって教える?」
相馬が聞いた。
湊はスマートフォンを見た。
撮影した動画には、ラッパの音が入っている。
《REPLAY》なら、その音を再現できるかもしれない。
「信号」
「ラッパを再現する?」
「できるかもしれない」
「でも意味分かるの?」
「分からない」
壮真がため息をついた。
「また多分」
「だから試すんだよ」
戦場が再構成され、青軍と緑軍が最初の位置へ戻った。
湊たちは青軍の側面へ回った。
こちらから近づけば、攻撃されるかもしれない。
だが今回は、戦闘記憶体たちの目的を利用する。
「来るぞ」
大地が言った。
ラッパが鳴り、青軍が前進を始めた。
湊はスマートフォンを構えた。
録画したラッパの音を、普通に再生するのではない。
《REPLAY》で、戦場へ再現する。
「やる」
――対象記憶を認識。
――音響情報を再現。
「《REPLAY》!」
青軍の右側、本来なら何もない方向から、ラッパの音が響いた。
兵士たちの一部が足を止めた。
「反応した!」
壮真が叫んだ。
隊列の一部が、右へ顔を向けている。
湊は動画を確かめた。
戦闘中、指揮官らしい人物が手を上げたあとに、短いラッパが鳴っていた。
今度は、その部分を再現する。
兵士が動いた。
「来た!」
青軍の一部が橋から進路を変え、湊たちのいる方向へ進み始めた。
「誘導する!」
六人は先を走った。
戦闘記憶体が、後ろからついてくる。
十人、二十人と増え、さらに続いていた。
「多くない!?」
壮真が叫んだ。
「今さら止められない!」
上流の川へ辿り着いた。
そこには、白い《ROUTE》が残っていた。
先頭の兵士が足を止め、光の線を見た。
一瞬、迷っているように見えた。
湊の心臓が鳴った。
行け。
そこを通ればいい。
一人の兵士が、川へ入った。
白い光の上を歩いているのではなかった。線が示す川底の足場へ、一歩ずつ足を置いている。
「使った!」
凛が声を上げた。
兵士は岩へ足を乗せ、流れの弱い場所を通り、川の中を進んだ。
二人目、三人目も続いた。
凛が通った経路を利用して、兵士たちが渡河を始めた。
橋はない。
水も、流れも変わらない。
ただ、戦わずに川を越えられる、別の道ができていた。
元の戦場にも、変化が起きていた。
青軍の人数が減り、橋への攻撃が弱まった。
緑軍の動きも、戸惑うように遅くなる。
予定された戦闘の流れから、外れ始めていた。
――戦闘記憶進行変化を確認。
湊の画面に、文字が浮かんだ。
――固定戦況との差異、拡大。
「これ」
相馬が画面を見た。
「前より反応が大きい」
青軍は次々と川を渡っていた。
いつもなら橋で死んでいた兵士たちが、今は生きている。
銃声が減っていった。
そして、ついに橋の戦いが止まった。
「……止まった」
丘の上で待機している無名軍の仲間たちからも、声が上がった。
緑軍は橋を守っている。
青軍は、別の道から川を渡っている。
直接ぶつからなくなったのだ。
湊の画面に、表示が出た。
――戦闘記憶進行率。
停止。
「やった?」
壮真が呟いた。
誰も答えられなかった。
一秒、二秒。
十秒経っても、銃声も砲撃も悲鳴も聞こえない。
赤い霧さえ、少し薄くなったように見えた。
――戦争終了条件への接近を確認。
全員の表情が変わった。
「当たりだ」
湊が言った。
凛も笑った。
「本当に?」
「出てる!」
《戦争終了条件への接近》
初めて、システムが明確に反応した。
相馬が静かに息を吐いた。
「戦わないことで」
「戦争が終わる?」
壮真が続けた。
そのとき、蓮が顔を上げた。
「待って」
「何?」
イヤホンが光っていた。
「別の声」
「どこ?」
「緑の方」
ノイズを聞いている蓮の顔から、笑みが消えた。
「敵軍……上流より渡河」
湊の顔が変わった。
「まずい」
蓮が続きを口にした。
「迎撃せよ」
遠くで、別のラッパが鳴った。
緑軍の兵士たちが橋を離れ始める。
「嘘だろ」
壮真が呟いた。
緑軍が上流へ向かって走っていた。
川を渡り終えた青軍の前へ、緑軍が現れた。
「止まれ!」
湊は叫んだ。
当然、兵士たちは聞かなかった。
互いを認識し、銃を構える。
「やめろ!」
一斉射撃が始まった。
青軍の兵士が倒れ、反撃を受けた緑軍の兵士も崩れ落ちた。
戦争が、再び始まった。
橋ではなかった。
湊たちが見つけた、戦わずに済む経路の先で。
誰も声が出なかった。
川の中には、白い《ROUTE》が伸びている。
兵士たちはその経路を進み、対岸へ着くと互いを撃った。
「場所が」
大地が呟いた。
湊は戦場を見た。
「変わっただけだ」
橋以外の道を作っても、敵がいる。
だから、戦う。
システムに表示が出た。
――戦争終了条件から離脱。
壮真が空を見上げた。
「そんな簡単じゃないか」
悔しかった。
だが、湊には失敗したという感覚だけではなかった。
一度は止まった。
ほんの数十秒でも、戦争は確かに止まったのだ。
道を変えれば、戦い方も変わった。
決められた映像を見せられているだけではない。
介入できる。
変えられる。
なら、終わらせられる可能性もある。
「橋じゃなかった」
湊が言った。
「原因ですか」
相馬が聞く。
「うん」
湊は青軍と緑軍を見た。
「橋を奪い合ってるから戦ってるんじゃない」
「敵だから?」
凛が言った。
「多分」
壮真が苦笑した。
「今日一番嫌な多分だな」
湊も、そう思った。
青軍は川を渡り、目的を達成した。
それでも、緑軍は追ってきた。
敵だから。排除する対象だから。
「命令」
蓮が言った。
全員が見る。
「どっちも、命令されたから動いてる」
蓮はイヤホンを握っていた。
青軍には、本隊の渡河路を確保せよという命令。
緑軍には、敵軍の渡河を阻止せよという命令。
戦争が始まる前から、互いが敵として定められていた。
相馬が静かに言った。
「戦う理由をなくすだけでは足りない」
「戦えという命令そのものを」
湊が続けた。
「止めないと」
凛が谷を見た。
「あの兵士たちに命令してるのは誰?」
誰にも分からなかった。
だが、そのとき、湊のスマートフォンに表示された地図が、一瞬赤く光った。
――特殊戦闘記憶への干渉を確認。
――追加観測情報を一時開示。
川を挟んだ青軍と緑軍の後方に、一つずつ、小さな印が現れた。
《COMMAND MEMORY》
指揮記憶。
二地点が、示されていた。
「これだ」
湊が画面を見せた。
壮真が顔をしかめる。
「次は敵の本陣?」
「多分」
「何で嬉しそうなんだよ」
湊自身、気づいていなかった。
少し笑っていた。
難しかった。失敗もした。
それでも、次に何をすべきかは見えた。
追われて逃げるだけではなく、自分たちで答えに近づいている。
相馬が二つの印を見た。
「両方確認しましょう」
「同時に?」
凛が聞いた。
「できれば」
「また分かれるのは危険じゃない?」
壮真が、即座に首を振った。
「その通りです」
相馬は少し考えた。
「まず片方です」
湊は青軍側を見た。
そこでは、また兵士が死んでいた。
同じ戦争が、違う場所で続いている。
「青から行こう」
「理由は?」
大地が聞いた。
湊は蓮を見た。
「こっちの命令の方が、少し多く聞けてる」
蓮が頷いた。
「分かりました」
一行は退き、凛が《ROUTE》を解除した。
川の中を通っていた白い経路が消えた。
すでに渡り終えた青軍の兵士たちは、まだ戦っていた。
やがて、赤い霧が広がった。
――戦闘記憶再構成を開始します。
また、最初へ戻っていく。
橋も、荷車も、兵士たちも。
川に残った足跡まで消えていった。
だが、湊たちの記憶までは戻らなかった。
数十秒だけ、戦争を止めた。
その経験は残っていた。
無名軍の三十一人は、青軍側の《COMMAND MEMORY》へ向かった。
《CRIMSON FRONT》の別の場所にも、繰り返される戦場を見ている男がいた。
灰色の外套に、二角帽。
ナポレオン・ボナパルトだった。
目の前では、王冠軍の参加者たちが、何度目かの戦闘記憶体を撃破していた。
だが、赤い霧が広がると、すべてが元へ戻っていった。
「またです」
王冠軍の一人が言った。
ナポレオンは答えなかった。
復元される兵士たちを、ただ見つめていた。
「陛下」
別の参加者が声をかけた。
「何度勝利しても、終わりません」
ナポレオンの目が、わずかに細くなった。
「当然だ」
「……当然?」
再び始まろうとする戦争を見ながら、ナポレオンは言った。
「戦闘に勝っただけだ」
誰も、その意味を理解できなかった。
ナポレオンは静かに続けた。
「戦争は、勝っただけでは終わらん」
ラッパが鳴った。
王冠軍の皇帝は、今度は砲撃を命じなかった。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
『MEMORIA WAR ―記憶戦争―』は、“記憶”と“歴史”をテーマにした異能バトル長編です。
少しでも続きが気になった方は、ぜひ次話もお読みいただけるとうれしいです。




